PCケースもベースのまま、BitFenixの「PRODIGY(Blue)」で決定した。PRODIGYは、250(幅)×359(奥行き)×404(高さ)ミリと、mini-ITXケースの中では圧倒的に大きく、3.5インチドライブを最大5台、2.5インチなら最大9台、さらに通常厚の5インチドライブを1基載せられるなど、内部スペースに余裕があるのが特徴だ。
将来の拡張性を見越してセレクトしたが、その考えは海老原氏と同じだった。「後からドライブをどんどん積み込めるので、FM2A85X-ITXのSATAポートが存分に生かせると思います。電源ベイが底部に独立しているのも、メンテナンス性を考えるとメリットが大きいですね」と同氏。
mini-ITXでハイエンドを目指す場合、このPRODIGYとクーラーマスターの「Elite 120 Cube」がまず候補に挙がるそうだ。「Elite 120 Cubeはコンパクトなキューブ型ながら、長さ343ミリまでの拡張カードが挿せるのが強みです。今回はグラフィックスカードを使わないのでPRODIGYのままにしました」と説明してくれた。
光学ドライブは「2000円程度のモデルで十分」との理由で変更せず、OSも「Windows 7と8はほぼ同じ価格になっているので、好みで選べばいいと思います。主要ゲームならどちらも対応していますからね。ただし、64ビット版を選ぶのはマストです」とのことで、64ビット版Windows 7 Home Premiumのままにした。
残る変更点は電源ユニットだ。「容量は500ワットで十分ですが、9000円弱でも80PLUS PLATINUMモデルが選べるので、そちらに切り替えたほうが安心度がアップしますよ」というわけで、玄人志向の「KRPW-PT500W/92+」にチェンジ。プラグインタイプではないが、PRODIGYは電源ベイが独立しているため、ケーブル整理の負担はそれほど増えないという判断も働いている。
さらに、PRODIGYの拡張性を生かしたオプションとして、水冷キットを導入する案を提示してもらった。「12センチファン1基で冷やすコンパクトなタイプなら載せられますし、CPUとGPU部を両方クロックアップすれば、かなりパフォーマンスを引き上げることができます。プラス1万円の予算があれば、コルセアの『H60』あたりを導入するのがおすすめですよ」とアドバイスしてくれた。
以上のダメ出しを経てブラッシュアップされた構成表は以下のようになる。★印が変更点だ。それぞれの価格は取材当日(8月28日)のドスパラ パーツ館の店頭価格としている。
8万円以下でゲームができるmini-ITXマシン(ダメ出し後) | ||
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パーツ | 製品名 | 価格 |
CPU | AMD「A10-6800K」 | 1万5980円 |
マザーボード | ASRock「FM2A85X-ITX」(AMD A85Xチップセット搭載) | 8490円 |
★メモリ | G.SKILL「GSK ARS F3-2133C11D-8GAO」(DDR3-2133 4Gバイト×2枚) | 8980円 |
SSD | CFD販売「CSSD-S6T128NHG5Q」(128Gバイト) | 1万1480円 |
★HDD | なし | − |
光学ドライブ | ASUSTeK「DRW-24D3ST」(DVDスーパーマルチ) | 1980円 |
グラフィックスカード | なし | − |
PCケース | BitFenix「PRODIGY」 | 8980円 |
★電源 | 玄人志向「KRPW-PT500W/92+」 | 8880円 |
OS | マイクロソフト「64ビット版Windows 7 Home Premium DSP版」+USB 2.0カード | 1万2480円 |
合計金額は7万7250円。8万円ギリギリまで使って、より高速なメモリ「F3-17000CL9D-8GBSR」(1万500円)にグレードアップすることも可能だが、価格の上下変動が激しい事情もあり、少し余裕のある金額としてもらった。
海老原氏は構成案を改めて眺め、「高画質設定にしなければFF14もそこそこ遊べると思います」と太鼓判を押す。ありがとうございました!
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