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» 2014年01月14日 22時01分 公開

「AMD史上最高のAPU」:最新AシリーズAPU“Kaveri”の特徴を解説 (2/2)

[本間文,ITmedia]
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 AMDは、1月14日に正式発表されたAMD A10-7850K with Radeon R7 GraphicsとAMD A10-7700K with Radeon R7 Graphicsに加えて、TDP 65ワットまたは45ワットで動作するAMD A8-7600 with Radeon R7 Graphicsを第1四半期中に追加する。

 このTDP設定が2つある理由は、KaveriがTDP設定を用途やシステム設計に応じて変更できるConfiguable TDPを採用するためだ(TDP設定ごとにCPUやGPUクロックが変更される)。このConfiguable TDPは、IntelのモバイルCPUなどで採用されてきた実績はあるが、デスクトップ向け製品に適用されるのはKaveriが初となる。

 同社でAPUのマーケティングを担当するアダム・コザック氏は「上位モデルはリーク電流も大きいため、TDPを落としても電力効率が大幅に改善されるわけではない。また、同機能のサポートにはBIOSのサポートも不可欠となるため、上位モデルでは表だってConfiguable TDPサポートをうたっていないが、基本的にすべてのデスクトップ版“Kaveri”で同機能を利用できる」と説明する。つまりマザーボード側が対応していれば、A10-7850Kでも65ワットまたは45ワットのTDPで動作させられるようだ。

Kaveriの3D性能

 AMDは、Kaveriの正式発表にあわせて、より詳細なパフォーマンスも公開している。その3D性能は、GPUの強化によって大幅に向上しているばかりでなく、A8-7600をTDP 45ワットで動作させた場合でも、RichlandベースのAMD A10-6800K(TDP 100ワット)よりも優れた性能を発揮するとしている。

 また、先ごとバージョンアップを果たしたアプリケーションベンチマークのPCMark 8 v2では、パフォーマンステストの比重などが見直され、OpenCL処理性能の優れたKaveriがスコアアップを果たす一方で、Intel CPUは従来バージョンよりもスコアを落としており、「今後のアプリケーションソフトのトレンドを反映し、Kaveriのバランスのよさを示すベンチマークになっている」(コザック氏)と説明する。

 このほか、同社はHSA対応アプリケーション、またはOpenCL対応アプリケーションを利用することで、大幅なパフォーマンスアップを図ることができるとして、Adobe Photoshop Creative Cloudのスマートシャープフィルタ実行結果なども公開した。

PCMark 8 v2のパフォーマンス比較(画面=左)。OpenCL性能を測るBasemark CLによるパフォーマンス比較(画面=右)

Adobe Photoshop Creative Cloudのスマートシャープフィルター実行結果。棒グラフが低いほどパフォーマンスが高い(画面=左)。OpenCLに対応したCorel Aftershot Proのパフォーマンス比較。棒グラフが低いほどパフォーマンスが高い(画面=右)

Kaveriのゲームパフォーマンス比較

KaveriとRadeon R9 270XのCrossFire構成によるゲームパフォーマンス

Kaveriの4Kディスプレイ対応(画面=左)。Kaveriのプロダクトポジショニング。PCMark8の値はv1のもので、CESの発表会で示されたPCMark8 v2の値とは大きく異なる(画面=右)

 また、KaveriではHSAコーデックを利用することによって、“H.265”としても知られる“HEVC”にも対応するなど、4Kディスプレイ表示を強力にサポートする。同社でソフトウェアデベロッパのサポートを担当するニール・ロビンソン氏は「HSA対応アプリケーションや、OpenCL対応アプリケーションが増えてくれば、Kaveriの優位性はより顕著になる」とし、「かつてCPUとは別チップだったFPU(浮動小数点ユニット)が統合されたように、GPUがCPUに統合されるのは自然の流れであり、HSA/OpenCLアプリケーションの開発プラットフォームとしても、Kaveriは重要な役割を果たす」と説明した。

 AMDがメーカー製PC向け出荷より先に、自作市場などにKaveriを先行投入したのは、いちはやくHSA対応アプリケーションの開発に取りかかってもらいたいという意図もあるようだ。

 なお、Kaveriの発表にあわせ、AMDは同社独自グラフィックスAPIである“Mantle”(マントル)のパフォーマンスについてもアップデートを行なった。これによると、Mantle対応ゲームエンジンとして開発中のOxide Gamesの“STARSWARM”では、「DirectX 11で動作させた場合に比べ3倍強のパフォーマンスアップを実現しただけでなく、システムの消費電力は逆に低減する傾向が見られた」と、Oxide Gamesのダン・ベイカー氏は説明、その動作デモも披露した。

 また、Mantleやナチュラルユーザーインタフェースの開発を指揮するラジャ・クドリ氏は、Bitcoinなどの仮想通貨の採掘(マイニング)において、同社のGCNアーキテクチャ採用GPUがすぐれた演算性能を示していることを例に挙げ、Kaveriが、こうした新しいGPU利用でもすぐれた性能を発揮するとアピールする。

HSA/OpenCL対応アプリケーションの最新動向を説明するニール・ロビンソン氏(写真=左)。Mantleのアップデートを行なうラジャ・クドリ氏(写真=右)

Kaveriを利用したMantle対応ゲームエンジンとして開発中のOxide Gamesの“STARSWARM”のパフォーマンス比較

STARSWARMのDirectX版は負荷が掛かるとフレームレートが10以下に落ちるが(写真=左)、STARSWARMのMantle版は、コンスタントに40fps前後をキープしていた(写真=右)

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