まずは21.5型ワイドのディスプレイから。現行のワイド液晶ディスプレイの中ではほとんどローエンドにあたる画面サイズで、価格を考慮するともうワンランク上の23〜24型を選んでもそうは変わらないが、設置スペースの問題などから、このサイズをチョイスする場合もあるだろう。またノートPCの横に並べる場合は、あえてこのサイズの製品を選ぶという考え方もある。
第2回紹介している5製品の中から、ノートPCの外付けディスプレイに最も適した機種を1台だけ選ぶとすれば、デル「P2214H」だろう。HDMIではなくDisplayPortを搭載した製品だが、メーカーサイトのオプションで選択できるMini DisplayPort-DisplayPort変換アダプタを使い、MacBookの外付けディスプレイとして利用できる。本体色もシルバーなので、MacBookにはマッチしやすいだろう。縦位置表示および高さ調整に対応したスタンドを備えつつ、液晶パネルとバックライトを含めた3年保証まで付いて1万円台ということで、コストパフォーマンスも高い。
DisplayPortではなくHDMIで選ぶならば、iiyamaの「ProLite XU2290HS」だろう。パネルは非光沢のAH-IPSで、視野角も広いため、メインとしてもサブとしても設置の自由度が高い。これ以外では、VAパネル搭載のベンキュー・ジャパン「GW2255HM」もほぼ同様のスペックだが、両者ともに高さ調整はできないほか、縦方向の回転機能も用意されていないので注意したい。
続いて売れ筋の23〜24型ワイド画面の製品だ。このクラスでは、HDMIを搭載しているか、それともDisplayPortを搭載しているかの大きく2つに分かれる。製品をチョイスする際は、どちらの端子が必要かを選んでから機種を絞り込むとよいだろう。D-Subで接続する場合はほとんどの機種が搭載しているので、それほど吟味する必要はない。
HDMI搭載製品では、iiyamaの「ProLite XUB2390HS」が面白い。先ほど紹介した同社の21.5型モデルになかった高さ調整および縦回転の機能を備えており、なおかつ非光沢のAH-IPSパネルを搭載した使い勝手のよい製品だ。3年保証ながら液晶パネルとバックライトは1年保証となるのがやや気になるくらいだろうか。
DisplayPort搭載製品では、デルの23型モデル「P2314H」と23.8型モデル「P2414H」が有力だろう。21.5型で紹介した同社製品と同様、縦位置表示および高さ調整に対応したスタンドを備えた、ノートPCの外付けディスプレイにぴったりといっていい製品だ。オプションでMini DisplayPort-DisplayPort変換アダプタも用意している。さらに、液晶パネルとバックライトを含めた3年保証まで付いて2万円を切る価格なのでコストパフォーマンスも高い。
ワンランク上の選択肢としては、EIZOの23型モデル「FlexScan EV2336W-Z」と24.1型モデル「FlexScan EV2436W-Z」にも注目だ。DisplayPortを搭載し、画質の細かな調整機能、高さ調整と縦回転に対応したスタンドを備えることに加えて、標準で5年保証(使用時間は3万時間以内、液晶パネル含む)が付く。EV2436W-Zは1920×1200ピクセル(WUXGA)の24.1型ワイド画面で、A4見開き(A3)の実寸表示が行える。
最後に27型ワイドの大画面モデルだ。このサイズはノートPCと並べるのではなく、単体で使う用途が多いだろう。高さ調整の自由度が高いことを重視すれば、AH-IPSパネル採用のiiyama「ProLite XUB2790HS」がおすすめできる。単体で使う場合はあまりニーズはないかもしれないが、縦方向の回転機能も搭載しているのでつぶしも利く。高さ調整が特に必要なく価格を重視するのであれば、ベンキュー・ジャパンの「GW2760HM」、また日本エイサーの「S271HLDbid」などもよいだろう。いずれもフルHD対応、HDMI接続をサポートしたモデルだ。
解像度がWQHD(2560×1440ピクセル)になると、PLS液晶採用のASUSTeK Computer(ASUS)「PB278Q」およびIPS液晶採用のデル「U2713HM」が、HDMI/DisplayPortの両対応で、なおかつ縦方向の回転機能も備えている。
ただしこの解像度になると、ノートPC側のGPUや接続方式によっては表示できない場合があるので、使い方と仕様が合致するかどうか、事前にしっかりと確認しておいたほうがよいだろう。日本エイサーの「B276HUL」のように、D-Subがない製品もあるので注意が必要だ。
なおレアケースになるが、これら高解像度ディスプレイをノートPCと同時に使う場合、あまりに解像度がかけ離れていると、文字やアイコンの表示サイズが異なることが原因で、目が疲れることがある。こうした場合は無理をせず、外付けディスプレイだけを使う構成にしたほうがよいだろう。
「PC USER Pro」
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