20周年記念の「Pentium G3258」で気軽に遊ぶあのCeleron 300Aの再来か!(3/3 ページ)

» 2014年08月05日 17時00分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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Pentium G3258を使うならばチップセットに注意

 メモリに関して少し触れておこう。Pentium G3258のメモリはDDR3-1333に制限している。現在、市場の主流はDDR3-1600メモリなので、Pentium G3258に合わせてDDR3-1333メモリを買う理由はない。多くのユーザーはDDR3-1600メモリを組み合わせるだろう。チップセット側がIntel Z97 Expressであれば、何ら問題なくDDR3-1600で動作する。一部のマザーボードでは、デフォルトでDDR3-1600モードで起動した。

 一方、Intel H97 Expressチップセットの場合、こちらはメモリのオーバークロック(DDR3-1600以上)を封じているため、DDR3-1600で動作するか確実ではない。実際に試してみるとDDR3-1400で起動したものもあった(おそらく使用したDDR3-1600メモリのプロファイルにDDR3-1400も登録されていたためと思われる)ので、DDR3-1333以上に設定できないというわけではなさそうだが、いずれにせよ不安材料だ。

 メモリを含めたオーバークロックを考えているなら、Intel Z97 Expressチップセット搭載マザーボードと組み合わせるのが無難といえるだろう。

自作から離れたベテランにあの感動をもう一度

 ベンチマークテストのスコアは低いものの、Pentium G3258は、やはりオーバークロックメインで遊び、低コスト自作PCとして、そして、低消費電力性能を生かして自宅サーバ用途などで、それぞれ使うのがよさそうだ。

 ユーザーの間では、オーバークロックで遊べて低価格という性質は、「Celeron 300A」を思い起こさせると話題だ。「最近の自作PCはガチガチに制約されていて」と語る古参ユーザーには、ぜひ試して欲しい。

 ただ、現代とCeleron 300Aが人気を集めた1998年当時とは事情が違う。まず、現在はマルチコア・マルチスレッディングの時代だ。物理コア数やHyper-Threadingという壁がある。アプリケーションも、その多くがマルチスレッドに対応している。

 また、オーバークロックで利用する場合、正式にオーバークロックをサポートするのは“Z”系のチップセットのみだ。Pentium G3258の登場に合わせて、マザーボードベンダーが独自サポートで“H”系チップセット搭載マザーボードでオーバークロックをできるようにしたモデルも出てきた。しかし、これは製品ごとに確認が必要なのと同時に、統合型グラフィクスコアを使うならば、メモリがオーバークロックできるのかも、確認しておくのがよいだろう。

 Pentium G3258のパフォーマンスを総括すると、Webブラウジングやメール、動画再生といったコンテンツを消費する作業においては問題ない。コンテンツを作成する作業でも、簡単なビジネス文書程度であればストレスなくできる。

 ただし、動画のエンコードや、大量のRAWデータを現像するようなマルチスレッドに最適化した作業になると時間がかかる。こうしたアプリケーションにおける処理速度に対しては妥協が必要だ。ただ、処理に時間がかかる点に不満を抱いたとしても、Pentium G3258ならオーバークロックで処理性能をアップできる。

 Pentium G3258は、インテルがデスクトップPCの自作を重視して投入したCPUといえる。低価格で購入しやすいのにオーバークロックで“遊べる”Pentium G3258 をきっかけに、PCの自作を始める、あるいは戻ってくるユーザーが増えてくれることを期待したい。

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