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「VAIO Prototype Tablet PC」公開――4コアCPU、Iris Pro、Adobe RGB対応の12.3型“2560×1704”液晶を備えた超高性能タブレットAdobe MAX 2014で初披露

» 2014年10月07日 00時00分 公開
[前橋豪,ITmedia]

性能で一切妥協しないクリエイター向けタブレット

 VAIO株式会社は、米Adobe Systemsがロサンゼルスで10月4日(現地時間)から開催しているクリエイター向けイベント「Adobe MAX 2014」にて、高性能なタブレットの試作機「VAIO Prototype Tablet PC」を公開した。

 Adobe MAXでは、Photoshopのエバンジェリストであるラッセル・ブラウン氏によるデモンストレーションや、デジタルアーティストのライス・バード氏によるセッションで、この試作機が使われるという。また、10月6日から8日までVAIOはブース出展も行い、この試作機のハンズオンデモも実施する。

 今回の試作機は、アーティストがデスクに縛られることなく、どこでもインスピレーションやアイデアを形にできるよう、デスクトップPCレベルのパフォーマンスをモバイルサイズで実現することを目指した。

「VAIO Prototype Tablet PC」は、性能重視の12.3型Windowsタブレット。画面保護カバーにもなる専用ワイヤレスキーボード、筆圧検知に対応したデジタイザスタイラスと組み合わせて利用する

 CPUはタブレット向けのものではなく、通常ハイパフォーマンスの大画面ノートPCに使われるTDP(熱設計電力) 47ワットの第4世代Core Hシリーズ(4コア/8スレッド)を搭載。上位グレードのCPU内蔵グラフィックスであるIris Proも採用するなど、タブレットとしては圧倒的なスペックを備えている。

 液晶ディスプレイはアスペクト比3:2の12.3型パネルを装備。解像度は2560×1704ピクセルで、画素密度は約250ppi(pixels per inch:1インチあたりのピクセル数)と高精細だ。さらに、Adobe RGBカバー率95%以上の広色域を確保し、ソニー時代のVAIOが採用してきたN-trig製の筆圧検知デジタイザスタイラスにも対応することで、クリエイティブユースに配慮している。

 インタフェース類は、フルサイズのUSB 3.0×2、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、ヘッドフォン出力、SDXC対応SDメモリーカードスロット、1000BASE-Tの有線LAN(開閉式コネクタ)などを搭載する。

新スタンド+キーボード+筆圧ペンで多様なクリエイティブ用途をカバー

 試作機はOSにWindows 8.1 Updateを採用し、専用ワイヤレスキーボードを組み合わせた2in1の構成だ。ワイヤレスキーボードはタブレット本体のフットプリントと同じサイズで、非使用時に磁力で合体させることで、画面保護カバーの役割も担う。この際、タブレット本体とワイヤレスキーボードは小さな端子で接続され、タブレットからキーボードに充電が行われる。

 こうした着脱式キーボードの仕組みは、ソニー時代のWindowsタブレット「VAIO Tap 11」から継承したものだが、今回の試作機ではキーボードにMicro USB端子を追加しており、キーボード単体でも充電できるよう工夫している。キーボードはフルピッチを確保し、大きめのクリックパッドも搭載することで、操作性に配慮した。

 タブレットの背面には無段階でチルト角度を調整できるスタンドも内蔵。従来のVAIO Tap 11やSurfaceシリーズのスタンドとは違って、ヒンジをボディの下部に設けており、内蔵スタンドが上から下に開く逆向きの構造となっている。

 このスタンドは一度開くと、画面の端を持って前後にチルト調整をしても、スタンドがしっかりその角度を保持でき、少し力を加えてペン入力をしたくらいでは倒れない。液晶ディスプレイをある程度まで寝かせると、スタンドはパタンと閉じる。

 ボディサイズや重量は不明だが、キーボード込みで「13インチMacBook Pro」(厚さ18ミリ/約1.57キロ)より高性能かつ薄型軽量を実現したとする。

ワイヤレスキーボードと自立する内蔵スタンドにより、ノートPCスタイルでも利用できる。スタンドは上から下に開き、無段階でチルト角度の調整が可能だ

 なお、ソニー時代からVAIOのフラッグシップモデルは、安曇野で設計から製造までが行われる「安曇野モデル」であることが特徴の1つだったが、今回は試作機ゆえに決まっていない。発売時期や販売地域、価格も未定だが、来年以降に製品としてリリースする場合、CPUは第5世代Core(開発コード名:Broadwell)を採用するものと予想される。

 今後は、日本のユーザーが触れられる機会についても検討中という。

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