製品名にある「Auto-fit」の由来は、本体をはめ込むカバーの仕掛けにある。ヒンジ近くに可動する“枠”を設けて中にスプリングを組み込んでいる。このスプリング入りで動く枠でサイズの異なるタブレット本体をカバー内部に“挟んで”固定できるのがAuto-fit 8の特徴だ。カバーの組み込むことができるタブレットのサイズは幅が165.1〜219.2ミリ、高さが123.9〜134.6ミリ、厚さは11.43ミリ以上をサポートする。
スプリングで本体を挟む力は強く、携帯しているときに外れる不安はない。実際、4カ月使っていて外れたことは一度もなかった。ただ、それだけに、本体を取り外したり取り付けたりするときは、「んっ!」と力をかけることになる。フレキシブルな素材のカバーを変形させて“パクッ”とはめ込む方式より簡単なものの、本体を“ポン”と載せるタイプと比べると面倒だ。
キーボードのピッチは実測で約16.5ミリ、キートップサイズは約13ミリ、キーストロークは約1ミリだ。Auto-fit 8はカバーを開くとキーボードユニットの奥側が浮き上がってチルトがかかるようになっている。角度的にキーボードを打ちやすくするための工夫だが、キーボーユニットが宙に浮いてしまうため、タイプする指の力でわずかながら振動するのが難点だ。キーピッチとストロークはFolio Keyboard For Apple iPad miniとほぼ同じだが、タイプする感触は机に全体が接触してタイプする力を確実に受け止めてくれていた分、Folio Keyboard For Apple iPad miniは快適だった。
ギミックを組み込んだ分、キーボード本体の重さが約433グラムとFolio Keyboard For Apple iPad miniと比べて増えている。Miix 2 8と合わせると773グラムと、LaVie Hybrid ZERO HZ550/AAの779グラムと変わらない。本体のサイズは220.9(幅)×152.3(奥行き)×22.1(厚さ)ミリだ。
クラムシェルスタイルの軽量WindowsノートPCとして姿勢がより安定し、そして、キー配列的な使い勝手が向上したAuto-fit 8だが、軽さを重視するユーザーには選択が難しいだろう。ただ、依然としてフットプリントがコンパクトで屋外で使うところを選ばない機動力は健在だ。Auto-fit 8とは関係ないが、8型タブレットでせめてシステムメモリ容量を4Gバイト、可能なら8Gバイトを載せたラインアップを選択できると、コンパクトデバイスユーザーの作業効率も、それなりに改善すると思うのだが。
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