Lenovo Miix 2.8を仕事で使っていますがなにか提督限定にあらず(条件付き)(1/2 ページ)

» 2014年04月18日 11時41分 公開
[長浜和也,ITmedia]
ココが「○」
・場所とらずでどこでも使える
・コンパクトなのにキーピッチ、ストローク十分で打ちやすい
・モバブとセットでバッテリー駆動時間に不安なし
ココが「×」
・処理速度はさすがに遅い
・キーボードアサインに制約あり
・意外と軽くない

片手で持つタブレットの重さで350グラム以下は譲れない

8型ディスプレイWindows 8.1導入タブレットのLenovo Miix 2.8。もちろん仕事で使うために買ったんですよ

 日本でWindows 8(最近ではWindows 8.1)を導入した8型ディスプレイ搭載タブレットの販売が好調だ。マイクロソフトやインテルも説明会で「2013年年末から販売を始めた8型タブレットによってWindows 8移行へのOS以降に弾みがついた」と公式に発言するほどだ。私も、2013年の年末休みにLenovo Miix 2.8を購入してWindows 8.1の移行に弾みをつけた1人だ。ほめてください。

 この現象は日本特有のものらしく(レノボの関係者によると、Lenovo Miix 2.8やThinkPad 8の発表当時はグローバル市場で反応が大きく引き合いが多かったと述べているが)、そういう事情もあってか、このサイズのWindowsタブレットを使っていると、「あー、提督さんだー」となることが多い。確かに私も日本海軍に興味はあるし、ブイン基地所属の新参提督さんだったりする。

 しかし! Lenovo Miix 2.8で深海棲艦隊と戦うことはほとんどない。Lenovo Miix 2.8は「仕事で使う」ために購入した。本当だ! 信じてくれ! PC USERに出戻ってきた私は現在仕事で使うPCを整備している最中だったりするが、先日掲載したShuttleのベアボーンPCキット「DS81」の紹介記事で述べたように、外に出て使うPCに「Lenovo Miix 2.8」(以下 Miix 2.8)を使っている。

 「仕事に使う8型タブレットなら、同じレノボでもThinkPad 8でしょうが」という意見はよく聞く。ディスプレイはMiix 2.8の8型1280×800ピクセルに対してThinkPad 8は8.3型1920×1200ピクセルを確保している。CPUはMiix 2.8がAtom Z3740(1.33GHz/最大1.86GHz、4コア4スレッド)に対して、ThinkPad 8がAtom Z3770(1.46GHz/最大2.39GHz、4コア4スレッド)と同じBay Trail-T世代ながら動作クロックで違いがある。また、OSもMiix 2.8はWindows 8.1だが、ThinkPad 8はWindows 8.1 Proを導入している。堅牢性能でもThinkPadシリーズと同等の工場出荷時テストを行うThinkPad 8が優れている。仕事で使うタブレットという意味では、10.1型ディスプレイを搭載したThinkPad Tablet 2を進めるユーザーも多い。

 しかし、私がタブレットを外に持ち出して使うとき、手に持って使う時間が多い。移動中などの「テーブルがない状態」では手に持って使えるタブレットは便利だ。電車に乗って立っているときなどは片手持ちになる。こういう使いかたをするとき、使い勝手に最も影響するのが「本体の重さ」だ。8型ディスプレイと搭載して片手使いも想定できるタブレットならば、OSがWindowsだろうとAndroidだろうとiOSだろうと軽くなければならない。Windowsを導入したインテルアーキテクチャタブレットなら重くてもいいでしょう、という理由は使い勝手に対して何の意味も持たない。私にとってその基準は「Nexus 7」(2012年モデル)の340グラム、ぎりぎり許せて350グラムまでだ。となると、選択するのは本体重量約430グラムのThinkPad 8ではなく、350グラム(実測では340グラム)のMiix 2.8になる。

仕事で使うならThinkPadブランドの「ThinkPad 8」か「ThinkPad Tablet 2」があるじゃないですか、という意見は多分正しい。性能も高くインタフェースも充実している。堅牢性など信頼性も高い。しかし、私は350グラムを実測値で切るMiix 2.8を選んだ

とはいえ、外付けキーボードが必須です

7型から8型のタブレットを縦にもってソフトウェアキーボードを表示すると、キーピッチが両親指タイプにちょうどいいサイズになる……、が、やはり、何かと不便は多い

 提督としてではなく会社員としてMiix 2.8を使っているが、しかし、さすがにタブレットだけで通常業務を行えるわけではない。本体を縦持ちにしてOS標準のソフトウェアキーボードを使う場合、そのキーピッチは両手持ちの親指タイピングでちょうどいい間隔だが、それでも、文字入力の速度はハードウェアキーボードにはかなわず、かつ、ときおり、予想外の動作(画面左隅あたりに触れるとタスクバーを隠した状態でもスタートアイコンが動作してしまうようで、不意にスタート画面に遷移してしまう)をしてしまう。

 やはり、仕事で使うには外付けキーボードは必須になる。これは最初から想定していた。問題は、外付けキーボードに何を選ぶかだ。Miix 2.8は本体に搭載するインタフェースがごくわずか(実質的にmicro USBのみ)なので、接続手段はBluetoothになる。レノボのBluetooth接続外付けキーボードというと、ThinkPad Tablet 2用の純正キーボードがある。ThinkPad Tablet 2とデザインをそろえたこのキーボードは、溝にタブレット本体を置くだけという簡単な構造ながら、それがかえって使いやすく、かつ、キータッチはThinkPad X1 Carbonとさほど変わらない快適な打ち心地だ。

 ただ、サイズが262.6(幅)×164.6(奥行き)×9.5ミリ(高さ)とMiix 2.8より一回り大きい。できることなら底面積は8型ディスプレイ搭載のMiix 2.8程度に抑えたい。底面積が大きいのはキーピッチ的に有利だが、小さくすれば、置き場所を選ばない。スタンドタイプのコーヒーショップにある小さい丸テーブルでも列車や飛行機のシートに備え付けのテーブルでも、カップと一緒にPCを共存させたい。

 Nexus 7をはじめとする7型タブレットが普及したおかげで、Bluetooth接続の携帯用キーボードも多くなってきた。コンパクトに折りたためて、かつ、軽量なので持ち運びも楽だ。ただ、小型軽量のトレードオフとして、キータッチはストロークが浅く、かつ、打った指の力を支えきれずにたわんでしまう製品が多い。ThinkPad Tablet 2用キーボードの感触を知ってしまった身としては、つらい。

ThinkPad Tablet 2用のBluetoothキーボードは秀逸だった。このキーボードをほかのタブレットで使っているユーザーも少なくない

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