11.6型ディスプレイ2in1 PC「HP Pavilion 11-k000 x360」の“7万円前後の使い勝手”を試す(前編)このキーボードはいい(2/2 ページ)

» 2015年08月19日 12時31分 公開
[長浜和也ITmedia]
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この価格でこのキーボードは今までなかった

 キーボードはアイソレーションタイプで最下段の機能キーと上段右端の一部キーを除き、アルファベットキーで均等ピッチを確保している。実測で確認したキーピッチは約18.5×18.5ミリ、キートップサイズは約15×15ミリ、キーストロークは約1.5ミリだった。キーを押しこむとぐらつくことなく、最後まで押し込むと指の力をしっかりと受け止めてくれる。強くタイプしてもキーボードユニットはたわまない。タイプしたときに発するキーの音は静かだ。

 評価担当者は、ThinkPad X1 CarbonとVAIO Pro 13を常用しているが、キーボードをタイプする感触は、ThinkPad X1 Carbonに近いか、それを上回ると感じた。静かな場所でタイプする力が強く長文を入力する機会が多いユーザーには、特に好ましいキーボードといえる。

 ポインティングデバイスはタッチパッドで、クリックボタンも一体になったタイプだ。クリックボタンはキーボードと同様に、ほかの一体タイプでありがちなカチャカチャとした音や遊びはなく確実にクリックできるものの、使い勝手はクリップボタンが独立しているタイプにかなわない。アイコンを選んでクリックする操作なら許容範囲だが、画像編集などで正確な位置指定や選択範囲の指定を行う場合は、マウスを併用したい。

均等ピッチを確保したキーボード。右下のカーソルキー以外は無理のないレイアウトになっている

11.6型サイズで解像度は1366×768ピクセル。ある意味目に優しい解像度だ

 ディスプレイは11.6型サイズで解像度は1366×768ピクセル。光沢タイプのパネルを採用していて、最大輝度にしても周囲の映り込みは認識できる。ディスプレイを360度開いてクラムシェルスタイルの「ノートブックモード」からスレートタイプの「タブレットモード」に使い分けができるだけでなく、ディスプレイを300度程度開いてディスプレイを手前にした「スタンドモード」、そして、340度程度開いて屋根のように本体を置いて使う「テントモード」といった4パターンの利用形態を日本HPではアピールしている。

メディアプレイヤーとして使うのに適しているスタンドモード

狭い場所でも使えるテントモード。評価期間でも利用回数は多かった

タブレットモードは机のないところで便利だが、1.48キロの本体をこのスタイルで使うにはやや重い

 本体の重さが1.48キロあるので、タブレットモードにして立った姿勢で両手で本体を持って使うのは無理があるが、それでも、机のない状態でデータをチェックするのには便利だ。また、意外とスペースのないカフェのテーブルや自宅のテーブルでコーヒーカップとPCを共存するのに場所を取らないテントモードは意外と便利に使える。

 コンテンツプレイヤーとして使う場合、サウンド機能も重要になるが、“11-k000 x360”では、従来モデルの「BeatsAudio」ではなく、Bang&Olufsenが監修したスピーカーを底面左右の位置に内蔵した。テントモードやスタンドモードでも利用できるが、この場合、左右スピーカーが逆になってしまうので、それを留意して利用することになる。

 ディスプレイを360度開いて使う2in1 PCでは、ディスプレイヒンジの可動部分に負荷がかかる。“11-k000 x360”では、3基のギアを組み合わせて動きをスムーズにして負荷に耐えられるようにしたヒンジを新たに開発して採用した。見た目は2軸機構に見えるが、通常の2軸機構ヒンジでは開く角度によって動く軸が切り替わるので、動いているのは実質的に1軸になるが、“11-k000 x360”では、すべて角度において2軸が稼働するので、負荷を分散することができている。

3基のギアを組み合わせたヒンジによって、2軸が均等に稼働して負荷を分散してくれる


 以上、“11-k000 x360”のシステム構成や本体搭載のインタフェース、キーボードの感触や新たに採用したヒンジの挙動について紹介してきた。後編では、“Braswell”世代のCeleron N3050と8Gバイトキャッシュを組み合わせたHDDなど、「7万円前後」2in1 PCを実現するために採用したシステム構成が発揮する処理能力について検証してみる。(記事掲載当初、販売価格について誤りがありました。おわびして訂正いたします)

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