もともと企業の広告宣伝費は、売上総額の3%や5%といった具合に、割合で決められていることがほとんどだ。従って総額は毎年そう極端に上下しないわけだが、過去20年近くを振り返っても、雑誌広告などが激減したり、代わってWeb広告や増えたりと、内訳自体は大きく変化している。
こうした中、販促部門もパッケージの高級化が効果的と判断すれば、これまでテレビCMに使っていた費用や、チラシやカタログなどの費用を削って、高級なパッケージの制作費用に充当するなど、広告宣伝費の選択と集中が可能になる。企業によってはひたすら広告宣伝費を減らすことが最重要課題になっていたりするので、あらゆるメーカーに当てはまるわけではないが、予算枠が決まっている中での方策としては極めて有効である。
ちなみにパッケージ以外にも、試作開発にかかった費用や運賃などの原価を、別科目で計上することで開発原価を下げるワザもある。試作開発費であれば、同時期に開発されて売れ行き不振で見捨てられた製品の原価に付け替えてダメージを減らす、送料であれば一般的な荷造運賃に振り替えるわけである。
あまりやりすぎると製品原価と釣り合わない法外なコストが発生し、会社が傾く原因になりかねないが、コストダウンが限界まで達した場合の「奥の手」であることに変わりはない。
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