実際のクリエイティブ系アプリケーションでもテストしてみよう。比較対象PCのスペックは、Core i7-5500U(Intel HD Graphics 5500)、メモリ16GB、512GBSSD(Serial ATA 6Gb/s接続)という構成だ。モバイル系としてはかなりハイスペックな内容である。
まずはAdobe Premiere Pro CC 2015では4K解像度の7本のビデクリップをトランジションエフェクトで連結したプロジェクトをMP4動画(H.264)として出力する時間を計測した。
こちらはGeForce GTX 970M固定とハイブリッドグラフィックスでのGeForce GTX 970M利用時はほとんど変わらなかったが、内蔵GPUでは途中でエラーになってしまい、計測できなかった。比較用PCと比べると、処理時間は3分の1近くに短縮しており、圧倒的な速さが分かる。もちろん、クアッドコアCPU、PCI Express SSDの効果も大きいと思われる。
Adobe Photoshop CC2015では、3枚のレイヤーで構成した6000×3000ピクセルの画像データに対して、ぶれの軽減や変形、スマートシャープ、照明効果といったフィルタをかけるバッチ処理にかかる時間を計測した。差は少しではあるが、GeForce GTX 970を固定で利用できるアドバンテージは出ている。また、比較用PCの5〜6割の時間で処理を終えることができた。比較用PCも、モバイルノートPCとしては悪くないスペックだけに、本製品の優秀さが分かるというものだ。
ちなみに、ハイブリッドグラフィックスのデフォルトでは、Adobe Premiere Pro CC2015も、Adobe Photoshop CC2015も、内蔵GPUが選択されており、手動設定をしないとGeForce GTX 970Mが使われない状態だった。こうした手動設定はPCに詳しくないユーザーにとっては煩雑な作業だ。こうした心配をする必要がないことも確実に外部GPU固定できるGPU Switchのメリットといえる。
Adobe Premiere Pro CC 2015(4K動画書き出し) | |
---|---|
GeForce GTX 970M固定 | 6分18秒 |
ハイブリッド(GTX 970M) | 6分20秒 |
ハイブリッド(内蔵GPU) | エラー |
比較用PC(HD Graphics 5500) | 17分8秒 |
Adobe Photoshop CC2015(フィルタ処理) | |
---|---|
GeForce GTX970M固定 | 55.10秒 |
ハイブリッド(GTX970M) | 57.12秒 |
ハイブリッド(内蔵GPU) | 58.95秒 |
比較用PC(HD Graphics 5500) | 1分40秒 |
今回評価したMB-P960X2-M64は、最新の第6世代クアッドコアCPUにNVIDIA GeForce GTX 970M(3GB)、高速PCI Express SSDを搭載するハイパフォーマンスに加えて、外部GPUを固定利用できるGPU Switchや高品質サウンドという付加価値も備えている。ハイエンドノートPCとして隙のない仕上がりだ。
特に、GPU Switchにより、NVIDIA GPU固定利用が可能という付加価値は大きい。ハイブリッドグラフィックスを原因とする互換性問題はゲーマー、クリエイター、VR技術開発者など、GPU性能を切実に必要としているユーザーにとっては無視できないトラブル要素であっただけに、それを完全に排除できるのは大きな魅力だ。ユーザーのニーズに応える製品といえるだろう。
標準のベースモデル(MB-P960B)は、Windows 10 Home込みで17万5824円(送料手数料込、税込)から用意されている。メモリ64GBを搭載し、PCI Express SSDとHDDのツインストレージ構成を採用するMB-P960X2-M64は、同じくWindows 10 Home込みで27万3024円(送料手数料込、税込)だ。
ここまでのスペックが不要という方も、下位のベースモデルを選べば、メモリを32GBや16GBにしたり、SSDをもう少しリーズナブルなモデルにするなどBTOで柔軟にカスタマイズできる。マウスコンピューターのWebページでリアルタイムに見積もりができるので、いろいろ試してみてほしい。
→PC USER特設ページ「mouse computer station」
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