キーボードの軽量化のために、タブレット側にスタンドを付けてしまうと本体重量が増えてしまう。しかし、それは企画上「本末転倒」なので、何としてもカバーキーボードにスタンド機構を持たせる必要がある。
そこで、薄いプラスチックプレートを3枚組み合わせた収納可能な小型軽量スタンドを考案し、使うときにキーボードから引き出す設計とすることにした。
打鍵感は、フィーチャーフォンのテンキーと同様にメタルドームスイッチを採用すること確保することにした。厚みは多少増えてしまうが、使い勝手を優先しての判断だ。
設計を進める過程で、開発者としての欲が出てきたという杉本氏。それは「キーボードが付いているカバー」から「キーボードにもなるカバー」への方針転換へとつながった。その実現可能性を検討するために、「仕事後に夜なべして」(杉本氏)、厚紙で模型を作成した。これをもとに、構成パーツの重量を見積もったところ、総重量は約201グラムと、目標の「200グラム以下」に大きく近づいた。
そして、その見積もりをもとに試作2号機(稼働モック)を作成した。厚みは3.2ミリに増したものの、重さは見積もりよりも軽い178グラムとなり、22グラムの余裕をもって目標を達成した。
機能面でも、企画に合致し、設計方針も満たし、試作1号機の課題をほぼ解消した。これで完成――と思いきや、キー面が平らすぎて位置を把握しにくい問題と、メタルドームスイッチの有効範囲が意外と狭く、ほぼ「センター狙い打ち」でないと入力できないという問題が新たに浮上した。
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