レノボ・ジャパンは2月9日、「Think X1」ファミリーの発表会を開催した。従来、ThinkPad(ノートPC)にのみ存在した「X1」ブランドを、ThinkCentre(デスクトップPC)やThinkVision(外付けディスプレイ)にも拡大し、ビジネス向けPC・周辺機器のプレミアムラインとして展開する。
「プレミアム」というからには、通常のモデル以上に多くの“こだわり”が込められているはずだ。レノボ・ジャパンのThinkプラットフォームグループ部長を務める大谷光義氏は、Think X1ファミリー、とりわけThinkPad X1シリーズに込めたこだわりを報道陣に向けて熱く語った。
「ThinkCentre X1」は、23.8型IPS液晶とアルミニウム合金製のボディが特徴の画面一体型(オールインワン)タイプのPCだ。Lenovoのビジネス向けデスクトップPC「ThinkCente」で、初めて「X1」を冠するプレミアムモデルだ。
日本市場において、画面一体型(オールインワン)モデルは「省スペースのデスクトップPC」という文脈で扱われることが多い。ThinkCentreでは、従来から画面一体型のMシリーズをラインアップしてその需要に応えてきた。
ThinkCentre X1は、「(従来のThinkCentreから)一線を画したスタイリッシュなデザイン」(大谷氏)を取り入れることで、「従来の武骨なThinkCentre」(同)ではなかなか進出できなかったホテルのフロントやカウンター業務などへの用途拡大を狙っている。従来のThinkCentreとは「違った使い方」(同)にも応えようというのだ。
もちろん、頑丈さ、性能、セキュリティ(Intel vPro)といったビジネスPCとしてThinkCentreが培ってきた要素はしっかりと取り入れている。また、冷却ファンの静音性向上をはじめ、機能改善にも余念がない。「スタイリッシュでも、しっかりThinkCentre」というのが、ThinkCentre X1なのだ。
日本では、小型で軽量なモバイルノートPCが好まれる傾向にある。ビジネスバッグに入れて持ち運ぶ上、電車での移動が中心だからだ。
ThinkPadはの2016年モデルでは「ThinkPad X260」「ThinkPad Yoga 260」「ThinkPad T460s」といった1.3キロ台の重量を持つモデルでモバイルニーズを満たしてきた。しかし、日本市場ではそれでも「重い」という声が出てきてしまう。軽量モデルはThinkPadにとっての“穴”なのだ。
もちろん、レノボ・ジャパンは「より軽いThinkPadがほしい」という声を認識していた。その要望を満たす“ミッシングピース”が、今回登場したThinkPad X1シリーズだ。
「ThinkPad X1 Tablet」は、ThinkPad X1シリーズとしては初めてのタブレットPCで、デタッチャブル2in1の「ThinkPad Helix」の後継モデルとして位置付けられる。本体単体では約767グラム、Thinキーボード装着時でも約1.065キロ(いずれも最軽量構成時)と、従来のThinkPadよりも軽量であることが特徴だ。IEEE 802.11ad(WiGig)通信モジュールや、SIMロックフリーのLTEモジュール(大企業向け限定)を内蔵する構成も選択できる。
X1 Tabletの最大の特徴は、本体下部に棒状の「モジュール」を装着することで機能拡張ができる「モジュラー設計」にある。拡張バッテリーを兼ねた「プロダクティビティ・モジュール」が本体と同時に発売となったほか、プロジェクターを備える「プレゼンターモジュール」とIntel RealSense対応の3Dカメラを備える「3Dイメージングモジュール」も4月以降に発売予定だ。いずれのモジュールも、Thinキーボードも装着したまま持ち運びが可能だ。本体には、フルサイズのUSB 3.0端子やUSB Type-C端子(電源端子兼用)も備えている。
X1 Tabletは、キックスタンド式の自立機構を備えているが、本体下部にヒンジがある独特の構造となっている。これは、モジュールを装着した状態、あるいは付属のスタイラスペン「ThinkPad Pen Pro」を使う時の利便性を考慮した結果だという。
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