←・前回記事:「Surface Book」徹底検証――37万円の最上位機はどれだけ速い?
ココが「○」 |
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・マグネシウム合金の上質なボディー |
・高品位なディスプレイとキーボード |
・強固なマッスルワイヤー着脱機構 |
ココが「×」 |
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・USB Type-C/Thunderbolt 3はなし |
・最小構成でも22万円以上の高価格 |
日本マイクロソフトが国内販売する「Surface Book」は、Surfaceシリーズ初となるフルスペックのクラムシェルノートPCだ。外部GPU(dGPU)を搭載したハイスペックな構成に加えて、13.5型のディスプレイを取り外してタブレット形状で扱ったり、画面をキャンバスのように使ってペンで描き込んだりできる2in1デバイスとしても注目されている。
前回のレビュー前編では、その製品ラインアップと基本スペックを紹介し、実際のパフォーマンス、バッテリー駆動時間、放熱設計を検証した。今回のレビュー後編では、ボディーの設計や着脱機構の仕上がり、液晶ディスプレイの品質、キーボードやタッチパッドの使い勝手など、カタログを見ただけでは分からない部分をじっくりチェックしていく。
前回に引き続き、試用したのはMicrosoft Storeで購入できる4種類の一般向けモデルのうちハイエンドモデル(SW6-00006)だ。37万2384円(税込、以下同)と高価だが、Core i7-6600U(2.6GHz/最大3.4GHz)、16GBメモリ、512GB SSD、dGPU(NVIDIA GeForce)搭載のプレミアムなスペックを備えている。
Surface Bookのボディーは、硬質でサラッとした独特の質感に仕上げたマグネシウム合金を全面的に採用している。かつてSurfaceシリーズでは同様の素材が「VaporMg」と呼ばれていたが、最近のモデルではその言葉が使われなくなった。とはいえ、同じようにマグネシウム合金に微粒子を蒸着させて作ってるようだ。
このようにボディーの素材はSurface Proシリーズと同じなのだが、タブレットではなくクラムシェルノートPCとなったことで、目にする部分、触れる部分が大きく増えたことから、さらに上質感や華やかさが強調されている印象を受ける。外観と質感においては、ライバルとされるAppleの「MacBook Pro」シリーズが採用するアルミユニボディーにも引けを取らない。
ちなみに、日本マイクロソフトは合体したクラムシェルノートPC形状のことを「パワフルラップトップモード」と呼んでいる。
そんなSurface Bookの外観においてアイデンティティーとなっているのが、「ダイナミックフルクロムヒンジ(Dynamic Fulcrum Hinge)」と呼ばれる多関節ヒンジだ。独特な形状ながら開閉の動きは実に滑らかで、閉じた状態から片手だけで開いても、ボディーがトップカバーと一緒に浮き上がってしまうことはなく、硬すぎず軟らかすぎずの絶妙な調整具合だ。画面のチルト角度(水平に対する画面の角度)は最大で約125度まで開く。
トップカバーを閉じると、この多関節ヒンジの内側にすき間ができるのだが、この曲線的なラインもまたエレガントなイメージを強調している。このすき間がある部分をつかんだり押したりしても、ヒンジがたわむような弱さはなく、普通のクラムシェルノートPCと変わらない感覚で扱える。また、このすき間によりトップカバーには傾斜ができるので、画面を逆さまに取り付けた際、ペンによる描き込みがしやすくなる特徴も持つ。
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