以上、Surface Bookを2回に渡ってレビューしてきた。独特の上質な仕上げを施したマグネシウム合金のボディーは「美しい」の一語に尽きる。クラムシェルノートPCスタイルとなり、タブレットのSurface Pro 4よりもマグネシウム合金の部分が増えたことで、華やかさ、上質感ともにグッと強調されている印象だ。
独特の形状を持つダイナミックフルクロムヒンジは、音もなくスッと滑らかに動き、思い通りの位置に固定できる。マッスルワイヤーロックが外れる際のメカニカルな響きもまた心地よい。
マグネシウム合金のボディーに整然と並べられたキートップの造形も実に上品で、そっと手で触れると、白色LEDのバックライトがキーの刻印を透過してふわっと光る……なんともラグジュアリーで、プレミアム感に浸れるPCだ。
しかし、それだけに価格も特別だ。今回評価機として試用した最上位モデルは37万2384円。dGPUを搭載しない最も安価なエントリーモデルでさえも22万1184円(いずれも税込)と、かなり高価格設定と言える。
確かに、クリエイティブの分野で実績があるNVIDIA GPUを搭載しているモデルは性能や信頼性で優位がある。そして、美しい液晶ディスプレイ、使いやすいキーボードを備え、SDメモリーカードスロットはUHS-II対応だ。さらに書き味のよいSurfaceペンが付属し、クリップボードモード、キャンバスモードでも使えるという柔軟性もある。USB Type-Cポートがない点が残念に思えるくらいであり、高価な価格設定にも説得力がないわけではない。
ノートPCや2in1デバイスを道具としてのみ必要としているユーザーには、それでも対価に見合う製品とは言い難いかもしれないが、「だとしても欲しい」と思える魅力もある。性能、機能の裏付けに加えて、理屈ではない部分で、視覚、聴覚、触覚……そんな感性を刺激する付加価値を備えていることが、Surface Bookの大きな強みだ。道具に対して、そういう部分も含めて求めたい高感度なユーザーが買うべき製品だろう。
←・前回記事:「Surface Book」徹底検証――37万円の最上位機はどれだけ速い?
「Surface Book」徹底検証――37万円の最上位機はどれだけ速い?
「Surface Book」日本版レビュー Appleの牙城を切り崩すキッカケとなるか
ニッチながら37万円の最上位機が予約1位 「Surface Book」は計画通りか
日本語キーボードをチェック! 国内モデル発売直前の「Surface Book」をおさらい
Windows 10搭載ノートPC「Surface Book」の発売日を確定――2月4日
「Surface Book」はペン付き大画面タブレットの本命か――USモデル先行レビュー
「Surface Book」はノートPCとして最上級の完成度か――USモデル先行レビュー
US先行発売の「Surface Book」開封レビュー
「Surface Book」発売日に米Microsoft Store店舗を訪ねてみた(買えるのか?)
「Surface Book」でMicrosoftとPCメーカーの関係はどうなる?――OEM担当者に聞く
「Surface Pro 4」と「Surface Book」の率直な疑問――米Microsoft担当者に聞く
「Surface Pro 4」と「Surface Book」はPC市場を活性化させるか――国内初披露の実機リポート
Surface Bookは「AppleになりたいMicrosoft」の象徴か
「Surface Book」と「Surface Pro 4」はどちらを選べばいい?――Microsoft新モデルを徹底チェック
「Surface Book」発表――13.5型ディスプレイ+GeForce搭載の新2in1ノートCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.