PC USER Pro

「9.7型iPad Pro」+「Apple Pencil」は仕事用デジタルノートとしてどの程度使える?完全なデジタル化を後押し(2/2 ページ)

» 2016年04月26日 15時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

Apple Pencilとの組み合わせで便利なアプリはどれ?

 iPad Proの登場以来、さまざまなアプリがApple Pencilへの対応を表明している。ビジネスユースで利用する場合、どんなアプリが適しているのかを見ていこう。

 単純に手書きでメモをとるだけなら、iOS標準アプリの「メモ帳」で事足りる。ペンの太さは1種類(マーカーや鉛筆といったペン先も選べる)、背景は白のみと機能はシンプルだが、マーカーも使えるほか、定規機能も用意されており、文字が斜行するのを防げる。PDFに変換しての書き出しには対応しないが、PNGに変換してのカメラロールへの保存や、メールに添付しての送信は可能だ。

 もっともこの「メモ帳」の最大のメリットは、画面を分割表示できるiOS 9以降の新機能「Slide Over」および「Split View」に対応することだ。前者はWebページやドキュメントの表示中に画面右端に呼び出してちょっとしたメモを取るのに重宝するし、後者は画面を2分割して他のアプリと併用できる。この後に紹介するアプリとケースバイケースで使い分けるのがよいだろう。

メモ帳 iOS標準の「メモ帳」。機能はシンプルだがプリインストールアプリということもあり、まずはこれを使ってみるとよい
Slide Over 「Slide Over」を使えば、ほかのアプリを表示したまま、メモを取る必要があるときだけ、「メモ張」を右端に表示させて書き留めることができる
Split View 「Split View」を使えば、別のアプリと2画面表示でノートが取れる。ただし、Slide Overに比べ対応アプリは限定される

 無料ながら多機能なアプリを探しているのであれば、Microsoftの「OneNote」が候補の筆頭になる。

 説明し始めるとキリがないほど多機能なアプリだが、ペン入力に限れば、複数のノートブックおよびノートを効率的に管理できること、ペンの太さを変えられること、範囲選択しての移動やコピー、削除が行えるなげなわツールを利用できるといった点が特徴として挙げられる。用紙の色やスタイルも豊富な選択肢が用意されているので、紙のノートに書き込みをしているかのような使い勝手が得られる。

 またビジネスユースで大きなメリットとなるのが、Microsoftアカウントを使うことでWindowsを含め、OneDriveが対応するさまざまなデバイスと同期できることだ。オンラインでの共有も可能なほか、ページをPDF化してメールで送信することもできるなど、書いたメモを活用する方法も豊富に用意されている。ネックがあるとすれば、さきほどのメモ帳と違ってSlide Overに対応せず、全画面でしか使えないことだろうか。

 別の無料アプリでは、筆圧検知にも対応したEvernoteの「Penultimate」も候補になるだろう。

OneNote Microsoftの「OneNote」。筆圧検知にこそ対応しないものの無料アプリとは思えないほど多機能で、Windowsとの親和性も高い

 有料アプリも含めて機能優先で選ぶのであれば、「GoodNotes 4」がおすすめだ。ここまで紹介した3つのアプリと違って文字入力の専用パネルを備えており、手書き文字を縮小して1行に収める機能によって、細かな文字も正確に記入でき、整った板書が可能になるのが大きな利点だ。

 また筆圧検知にも対応するほか、図の読み込みにも対応する。多くのアプリは図をそのまま貼り付けるだけで拡大縮小しかできないが、本アプリはトリミングも可能だ。なおPDFを開いての書き込みも可能だが、Acrobatなどで使われている標準的なPDF注釈ツールは表示できないため注意したい。

GoodNotes 4 Time Base Technologyの「GoodNotes 4」。画面下段の専用パネルに書き込んだ手書き文字が縮小して貼り付けられるので、ほかのアプリに比べて美しくノートが取れる。筆圧検知にも対応する

 メモを取るのではなく、PDFに注釈を入れる用途であれば、有料アプリの「PDF Expert 5」がおすすめだ。ポイントは何といっても豊富な注釈およびマークアップツールで、挿入、置換、取消といった基本的な注釈ツールはもちろんのこと、コメント、ハイライト、下線、スタンプ、線や矢印、円や四角形の書き込みも行え、さらには署名機能まで搭載している。

 これらは全てAcrobatと高い互換性を保っているので、Acrobatで書き込んだ注釈を本アプリで閲覧するのはもちろん、その逆も可能で、Apple Pencilを使ってPDFの校正がこのアプリだけで行える。

 iPadアプリのAcrobatでは取消線や下線に直接コメントを入れられないのに対して、本アプリであれば問題なく対応するのも利点で、業務で校正を行うユーザーは必携のアプリと言っていいだろう。1200円(税込)という価格が決して高くはないのは、使ってみると実感できるはずだ。

PDF Expert 5 Readdleの「PDF Expert 5」。主要な注釈・マークアップツールのほとんどに対応する。注釈の一覧を表示できるのも強みだ。初期設定ではスタンプは英語だが、この画面の「却下」のようにオリジナルの日本語スタンプも登録できる

 以上ざっと見てきたが、これまで紙で行っていた作業を全てデジタルに置き換えようとした場合、手書きならでは手軽なメモやラフスケッチ、また直感的な操作が要求される校正作業は、マウスやキーボードではなかなか代替できない。それゆえ面倒な作業としてズルズルと後回しになってしまい、仕事を長引かせる原因になりうる。

 その点、iPad ProとApple Pencilとを組み合わせ、今回紹介したアプリを用いることにより、これまでしっくり来なかったピースがぴったりとハマったように感じられるだろう。「完全なデジタル化」を目指すユーザーは試してみる価値は高い。

 なお校正目的に限っては、9.7型iPad Proよりは12.9型iPad Proのほうが画面サイズが広いぶん作業は容易なので、これからチョイスする場合はそうした点も頭に入れて機種選びをするとよいだろう。

→・次回:「9.7型iPad Pro」+「Smart Keyboard」は仕事の文字入力にどこまで使える?

関連キーワード

iPad | iPad Pro | Apple | タッチペン | ビジネスユース


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 鳴り物入りで登場した「Copilotキー」が早くもお蔵入りか──チャットボットからAIエージェントへの移行が示すMicrosoftの誤算 (2026年07月27日)
  2. 64GBメモリ/2TBストレージ/Ryzen AI Max+ 395搭載のハイエンドミニPC「MINISFORUM MS-S1 MAX」がタイムセールで27%オフの43万2799円に (2026年07月25日)
  3. なぜ元Appleエンジニアは熱意を失い起業したのか? スマートグラス「Even G2」イベントで語られた、次世代機「G3」へのロードマップ (2026年07月27日)
  4. 480mm水冷に160mmファン搭載ケース! 夏のアキバは「大風量パーツ」がアツい (2026年07月27日)
  5. エアコンがない部屋を冷やせる「Dreemstar 冷風扇」がセールで50%オフの9980円に (2026年07月23日)
  6. 高価なグラフィックスカードを守る「過熱保護ケーブル」に注目! 夏を乗り切るNoctua製簡易水冷も販路拡大で続々入荷 (2026年07月25日)
  7. ポタ電と組み合わせて使える「Soraiori ポータブルエアコン」がセールで16%オフの2万9980円に (2026年07月27日)
  8. NVIDIAが次世代AI超解像技術「DLSS 5」の今秋投入を明らかに/MicrosoftとMistralが欧州におけるAI演算能力の拡大で戦略的提携を発表 (2026年07月26日)
  9. プラネックス、10GbE接続に対応した5ポート搭載アンマネージドスイッチ (2026年07月24日)
  10. Jackery、定格1500Wを実現するポータブル電源「1000 New」の新モデル 19%小型化 (2026年07月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー