ベンチマークテストでパフォーマンスを確認しよう。評価機のスペックをあらためて記載すると、Core i7-6500U、メモリ8GB(デュアルチャンネル)、データストレージが256GB SSD(PCI Express/NVMe)、グラフィックス機能がCPU内蔵のIntel HD Graphics 520、OSが64bit版Windows 10 Pro(TH2)という内容だ。主要な項目については、以前にレビューしたThinkPad X1 Yoga、XPS12 2in1と比較できるよう、Surface Pro 4(Core i5モデル)のスコアを「100」とした相対スコアで掲載した。
同じプロセッサを搭載するThinkPad X1 Yogaと比べると、全体的に少し分が悪い結果だ。PCMark 8は液晶ディスプレイの解像度が高いほうが不利になるテストも含まれているため、そのあたりも影響していると思われるが、CINEBENCH R15のスコアも少し低いところを見るとTurbo Boostの効き具合などが少し違うようだ。14型でボディが大きな製品と比べると若干熱設計面で不利なのは仕方がないだろう。
もっとも、パフォーマンスの持続性という点は問題ない。30分以上高い負荷をかけたあとでも3DMarkのスコアはクールダウン後の実行結果とほとんど変わらない。相対スコアの数字がほとんど100を超えているように、Surface Pro 4(Core i5モデル)よりは確実に上の性能があるといえ、スペックから期待されるパフォーマンスは持続的に発揮できると考えてよいだろう。単体でもカジュアルゲームを楽しむには十分なパフォーマンスがあるといえる。
Surface Pro 4(Core i5モデルを100とした相対スコア) | |||
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Razer Blade Stealth | ThinkPad X1 Yoga | XPS12 2in1 | |
CINEBENCH R15 CPU | 98 | 101 | 56 |
CINEBENCH R15 CPU(シングルコア) | 109 | 120 | 84 |
3DMark Cloud Gate | 101 | 110 | 59 |
3DMark SkyDiver | 105 | 110 | 60 |
3DMark FireStrike | 105 | 107 | 63 |
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク (DX11、ノートPC標準、1280×720) | 99 | エラー | 87 |
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク (DX9、ノートPC標準、1920×1080) | 132 | エラー | エラー |
FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク (DX11、ノートPC標準、1280×720) | 105 | 102 | 51 |
PCMark 8 Home Accelerated 3.0 | 103 | 116 | 77 |
PCMark 8 Creative Accelerated 3.0 | 96 | 109 | 87 |
PCMark 8 Work Accelerated 2.0 | 107 | 122 | 84 |
Web XPRT 2015(Edgeブラウザで実行) | 97 | 103 | 84 |
バッテリー容量は約45ワットアワーで、公称では駆動時間は約8時間となっている。実測の駆動時間のテストはbbench 1.01を使って行った。無線LANで常時接続し、60秒間隔でのWebサイト訪問、10秒間隔でのテキスト入力を行う設定で、電源プランは「バランス」、バッテリー駆動時のディスプレイの輝度は40%で固定した。
結果は、バッテリー残量5%になるまで6時間10分動作した。公称の約8時間には及ばないが、Skylake-U搭載のモバイルノートPCとしては標準クラスといってよいだろう。
動作音は、まずまずといったところだ。Webブラウズ程度の低負荷時でもファンはそれなりに回転しており、意識すれば分かる程度の動作音はする。高めの負荷には結構敏感で、ベンチマークテスト実行時はそれなりに大きな音がした。本体手前5センチの距離からの測定では、低負荷時が約33dB、CINEBENCH R15のレンダリング時や3DMark実行時は最大で約42dB(暗騒音30dB、室温26℃)だった。
発熱は底部左側にある通気口付近が中心で、FINAL FANTASY XIV:蒼天のイシュガルドベンチマーク(DX9、1280×720、ノートPC標準)を15分ループさせた後では最高45℃に達していた。パームレストはそこまではいかないが、やはり左側が高く、最高34.5℃と少し暖かく感じる温度にはなった。13.1ミリという薄型のボディにCore i7を搭載しているだけにこれくらいは仕方がないところだろう。
アルミニウムの削り出しで製造された薄さ13.1ミリのフラットなフォルムは存在感抜群。1680万色対応バックライトを自在に駆使して彩ることができるRazer Chromaエフェクトも実に刺激的だ。Thunderbolt 3、高精細液晶ディスプレイ、PCI Express/NVMe SSDといった先進的なスペック、ゲームプレイヤーでなくとも欲しいと思わせる色気がある。12万9284円(税込)という価格設定も絶妙だろう。
Razer Coreとの連携でより光る製品ではあるが、単体でパフォーマンス志向のモバイルノートPCとして見ても、魅力たっぷりの製品といえるだろう。
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