Appleは、2011年7月に発売した27型ワイド液晶ディスプレイ「Thunderbolt Display」の販売を終了する。6月13日(現地時間)に米国の複数メディアで報道され、編集部がアップルジャパンに取材したところ、日本でも同様に販売終了することが分かった。
同社は「われわれはApple Thunderbolt Displayの販売を終了する。Apple.com、Apple直営店、Apple製品取扱店で在庫がなくなるまで購入可能だ。多数の素晴らしいサードパーティー製ディスプレイがあり、Macユーザーはそれらを利用できる」とコメントしている。
最近はAppleが5K対応のThunderbolt 3搭載ディスプレイや、VR/AR時代に備えたGPU内蔵の次世代ディスプレイを開発中とのウワサも出回っていたが、今回のコメントは外付けディスプレイ市場撤退と取れなくもない。一方でMac ProやMac mini用のディスプレイはサードパーティー製のみでいいのかという問題もあり、今後の動向は不明だが、少なくとも近々にAppleからディスプレイ新製品が登場する可能性は低そうだ。
Thunderbolt Displayは名前の通り、Macが率先して採用してきたThunderboltの特徴を生かした外付けディスプレイ。Thunderbolt搭載のMacに対応し、最大10Gbpsの2チャンネルでPCI Expressバスに直結、DisplayPortの映像出力、HDサウンド、ギガビットイーサネット、FireWire 800、USB 2.0といった複数の信号をThunderboltケーブル1本の接続だけで利用できる。Thunderbolt対応製品はデイジーチェーンで最大5台接続可能だ。
解像度2560×1440ピクセルの27型ワイドIPS液晶パネルを搭載。輝度は375cd/m2、コントラスト比は1000:1、視野角は上下/左右とも178度、応答速度は12msだ。アルミニウムとガラスで構成されたボディーには、FaceTime HDカメラ、2.1chスピーカー、MacBookファミリーを充電できるMagSafe(出力85ワット)も備える。サイズは650(幅)×207(奥行き)×491(高さ)mm、重さは約10.8kg。価格は10万8800円(税別)だ。
Thunderbolt接続で多くの機能が使えるのは魅力だが、2011年発売なのでさすがにスペックは先進的ではない(十分実用的ではあるが)。Macに接続するディスプレイを探しているユーザーは、今回のコメントにあるように、4K対応モデルやカラーマネジメント対応モデルなど、サードパーティー製ディスプレイを積極的に検討した方がいいだろう。それでもApple純正にこだわるなら、在庫があるうちに決断する必要がある。
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