いよいよ投票日が来週末に迫った「第24回参議院議員通常選挙」(参院選2016)。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられてから初の国政選挙ということもあり、注目度は高い。
各政党や候補者を選ぶためのポイントから、期日前投票の仕方まで、役立つサイトや情報をまとめた。
まずは基本の基本からおさらい。今回の選挙は、国会を構成する二院である「衆議院」と「参議院」のうち、参議院議員を選ぶための選挙だ。参議院は衆議院と比べて決定権がやや弱いが、任期が6年と長く(衆議院は4年)、任期途中での解散もないため、より長期的な視点での意思決定が行えるとされている。
参議院議員は全部で242人おり、このうち半数の121人を3年ごとに選び直す。今回の参院選2016では389人が立候補しており、ここから121人が選ばれる。
投票は「選挙区選」と「比例代表選」の2つからなり、有権者は両方に投票する。
選挙区選では、選挙区(基本的に都道府県単位だが、有権者の少ない鳥取と島根、徳島と高知は2県で1つ)ごとに立候補している候補者の名前を書く。各選挙区ではそれぞれ当選人数が割り当てられており(例えば東京都は6人)、それに合わせて得票数が多い候補者から順に当選者73人が決まる。
比例代表選は、やや分かりづらいので注意が必要だ。「政党名」だけを書いて投票すればいい衆院選の比例代表選とは異なり、参院選の比例代表選は「政党名」か「候補者名」のどちらかを書く(どちらを書いてもいい)。そこから、「政党名と候補者名」の合計を「政党の得票数」と見なして各政党の当選人数が決まり、得票数の多い候補者から順に当選者48人が決まる。
衆院選では、各候補者は小選挙区選と比例代表選に重複立候補が可能なため、小選挙区選で落選しても比例代表選で当選できる、俗に言う「比例復活」があるが、参院選では重複立候補ができないため、比例復活もない。
今回の選挙の仕組みと流れについて確認したところで、いよいよ投票する候補者や政党について見ていこう。
自分の地区の候補者については、Yahoo!JAPANの「候補者検索」から調べられる。自分の住む(住民票のある)都道府県を選び、候補者と定数(当選人数)を確認してみよう。各候補者名をクリックすれば、TwitterやFacebookアカウント、公式サイトなどで公約も確認できる。
各政党の公約はそれぞれの公式Webサイトでも確認できるが、Yahoo!JAPANや主要新聞社のWebサイトにまとまっているものをチェックする方が、より比較がしやすいだろう。さらに詳しい情報を知りたい場合は、参院選2016 公約(日経新聞)に各党提供の公約集がまとまっている。
参院選2016の争点は、最重要事項である憲法改正をはじめとして、消費税増税、TPP、日米安保、保育園問題、年金問題、原発問題など多岐にわたる。全ての要点を理解し、自分の考えに近い候補者や政党を見つけるには時間も知識も足りない――という人は、ボートマッチを利用してみよう。
ボートマッチとは、10〜25問程度の質問に回答していくことで、自分と考えの近い候補者や政党を見つけられるWebサービスのこと。回答していく中で、今回の選挙の争点と、それらに対応する政策のメリットとデメリットを簡潔に把握できるという利点もある。
ボートマッチは複数のWebサイトから提供されているが、できれば1つだけではなく、幾つかを試してみてほしい。設問の立て方や、自分の回答に対する重み付けが各サービスによって異なるため、さまざまな角度から考える材料を得るのが望ましいからだ。
毎日新聞が2007年から開設しているボートマッチが「えらぼーと」。24の設問に「賛成/反対/無回答」で答えていく。設問の背景が分からないときには「詳しく知りたい」ボタンを押せば、解説文と毎日新聞の参考記事が表示される。立候補者にも同様の質問をしており、全回答が見られるのも特徴だ。
Yahoo!JAPANの「政党との相性診断」は、通常版のボートマッチに加え、「ブラックバイト」や「奨学金」など特に若者に関係の深いテーマに絞った「18歳Ver.」が用意されている。各設問は3択〜5択で、争点のメリットとデメリットが簡潔に解説されている。
日本政治.comの「投票マッチング」は、20の設問に「賛成/やや賛成/中立/やや反対/反対」の5段階で答えていく。こちらも争点のメリットとデメリットが解説され、自分の考えに近い政党と候補者を表示してくれる。
政くらべの「政党相性診断」は、本記事で紹介するボートマッチの中では最後に受けるのをおすすめする。その他のボートマッチでは用意されている争点の解説などがない代わりに、回答選択肢が各設問で個別に用意されており、単に「賛成/反対」だけではない具体的な回答が可能だからだ。ある程度今回の選挙に関する自分の考えがまとまってきたら試してみよう。
十分に自分の考えがまとまったら、後は実際に投票に行くのみ。事前に自宅宛てに送付されている「投票所入場券」を持ち、入場券に書かれた投票所に向かおう。投票時間は7月10日(日)7時〜20時まで。
また、当日の予定が合わないようであれば期日前投票(〜7月9日)もできる。こちらも同じく入場券を持って、指定の期日前投票所(地域の役所や公共施設など。通常の投票所とは異なるので注意)に午前8時半〜20時までに行こう。
出張中や旅行中の人、病院などに入院中の人、あるいは引っ越して3カ月未満のため投票権が旧住所にあるが、投票期間中に旧住所に行けない人などは、不在者投票ができる。
投票日まで残すところ1週間。できる限りの準備をして望みたい。
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