日本マイクロソフトは8月5日、「Windows 10 Anniversary Update」に関するプレスセミナーを開催した。Windows 10 Anniversary Updateは、8月2日よりグローバルで配信が始まったWindows 10リリース後、二度目となる大型アップデート。Windows 10ユーザーには準備が整い次第、自動的にアップデートが適用されるが、手動で更新することもできる。
日本マイクロソフト業務執行役員Windows&デバイス本部長の三上氏は、Windows 10リリースから1年間を振り返り、「Windows史上、最も速いスピードで移行が進み、顧客満足度も高いOS」とWindows 10をアピール。2016年6月末のデータでは3.5億台のWindows 10搭載機が稼働し、日本においては無料アップグレード期限を迎えた7月にさらにユーザー数が加速したと報告した。また、Windows 10 Mobile搭載機もマウスコンピューターのMADOSMAしかなかったリリース当初と比較し、現在は12社14機種が発売を表明しており、特に日本で盛り上がりを見せていると評価する。
同氏はWindows 10の移行促進策として実施したWindows 10体験キャラバンを紹介し、Windows 10への期待や関心を肌で感じたと述べる一方で、アップグレードの通知方法が変わったことでユーザーに混乱を招いてしまった点を真摯(しんし)に受け止め、新しいデバイスで新しい体験を提供する「愛されるWindowsを目指していく」とした。
なお、月額7ドルのサブスクリプションでWindows 10のエンタープライズ機能を提供するWindows 10 Enterprise E3(for CSP)は、日本でも9月1日より提供される予定だ。「大手に限られていたエンタープライズの機能がIT管理者のいないような中小企業でも利用可能になる」(三上氏)。
続いて、実際のデモを交えながらWindows 10 Anniversary Updateで追加された新機能や強化ポイントも改めて披露された。コンシューマー向け機能の目玉は、Webブラウザ「Edge」の拡張機能や、Edge上のアカウント認証にも利用できるWindows Hello(生体認証)、手書き入力を活用しやすくしたWindows Inkワークスペース、ロック画面から呼び出せるようになった音声パーソナルアシスタントのコルタナなどだが、Edgeのフォントの改善や手描きフィールドの文字数制限撤廃、1年前に比べてより自然な発話になったコルタナの声の変遷などかなり細かい部分にまで言及している。
Windows 10 Anniversary Updateの詳細を知りたい方は、以下の連載で取り上げているのでそちらを参照して欲しい。
一方、企業向けの強化点はセキュリティ機能が中心となっている。特に業務用アプリと個人用アプリで扱うデータごとに異なるポリシーを設定し、人的なミスで情報漏えいを防ぐ機能(Windows Information Protection)のほか、サイバー攻撃にさらされたあとに、その攻撃元や攻撃手法、ふるまいなどの詳細なログを管理コンソールから確認・分析できるWindows Defender APT(Advanced Threat Protection)が目を引く。同社は「(サイバー攻撃を)完全に防ぐことはもはや不可能」という前提に立ち、事後の対応・調査に有益な対策機能を盛り込んだとしている。
最後に三上氏は、「Windows 10の日」の取り組みとして、来る8月10日は10段ソフトクリームを復活させると明かした。10段ソフトクリームは、中野ブロードウェイのソフトクリーム&さぬきうどん屋「デイリーチコ」の名物、8段ソフトクリームをさらに無償で2段重ねたもの。これまでWindows 10とのコラボレーション企画として2度実施されている。8月10日から10日限定で、10段ソフトクリームが価格据え置きの480円(税込み)で提供される予定だ(平日は30個限定、土日は20個限定)。
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