見どころは“見た目”だけじゃない! VoodooPCの血を引くひし形ゲーミングPC「OMEN X by HP 900-070jp」を試す【追記あり】(4/4 ページ)

» 2017年03月08日 16時30分 公開
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ベンチマークテストで性能をチェック

 では、OMEN Xの実力を探るべく、各種ベンチマークテストで性能をチェックしていこう。

 3DデータのレンタリングでPCのCPU性能を測る「CINEBENCH R15」の結果は、CPU(マルチコア)スコアが916、シングルコアスコアが181という結果になった。2017年に発売された第7世代Core iプロセッサの最上位「Core i7-7700K」(4.2〜4.5GHz、4コア・8スレッド)ならもう少し良い結果が出そうではあるが、それでも現時点でもトップ集団の一員に十分入れる性能といえる。

CINEBENCH R15の結果 CINEBENCH R15の結果

 PCの総合性能をテストする「PCMark 8」の結果は、家庭での一般的なユースケースを想定した「Home accelerated 3.0」が5393、クリエイティブな作業を想定した「Creative accelerated3.0」が8977、業務用とを想定した「Work accelerated 2.0」が5626という結果となった。数値的には文句なしの非常に優秀な結果となった。どんな用途でも万能に使えるはずだ。

PCMark8(Home accelerated 3.0)の結果 PCMark8(Home accelerated 3.0)の結果
PCMark8(Creative accelerated 3.0)の結果 PCMark8(Creative accelerated 3.0)の結果
PCMark8(Work accelerated 2.0)の結果 PCMark8(Work accelerated 2.0)の結果

 ゲーミングPCにとって最も重要ともいえる、3Dゲームのプレイを想定したベンチーマークテスト「3DMark」での結果はどうだろうか。

 まず、ハイエンドゲーミングPCを想定したテスト「Fire Strike」を実行したところ、スコアは23512となった。なかなか良好な結果だったので、より負荷の大きい「Fire Strike Extreme」を実行したところ、スコアは15820となった。まだまだ行けると考え、さらに負荷の大きい「Fire Strike Ultra」を実行したところ、スコアは9156となった。

 以前、GeForce GTX 1080(非SLI構成)を搭載するPCで同じテストを実施したところ、Fire Strikeが16295、が4958、Fire Strike Extremeが9221というスコアだった。環境に差があるものの、SLI構成になっていることによるパフォーマンス向上効果はとても大きいことが分かる。他のテスト項目についても、非SLI構成のPCと比べると大幅な性能向上が見られた。

Fire Strikeの結果Fire Strike Extremeの結果Fire Strike Ultraの結果 DirectX 11を利用したベンチマークを行う「Fire Strike」テストを実行した結果。SLI構成(デュアルGPU)によるパフォーマンス向上効果は非常に大きい
Cloud Gate 一般的なホームPCやノートPCを想定したテスト「Cloud Gate」のスコアは35958とこれまた良好
Ice Stormの結果Ice Storm Extremeの結果 エントリーPCを想定したテスト「Ice Storm」「Ice Storm Extreme」の結果は、それぞれ189387、186721となった

 これだけハイエンドでは「軽すぎる」可能性もあるが、実際の3Dゲームの稼働を想定して「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマーク」も試してみた。DirectX 11モードかつ「最高品質(解像度1920×1080ドット)」という高負荷な設定にしても、スコアは22140とかなり良好だ、評価も当然「非常に快適」だ。

FF14蒼天のイシュガルドベンチマークの結果 「ファイナルファンタジーXIV:蒼天のイシュガルド・ベンチマーク」の結果。ベンチマーク上で一番高負荷な設定にしても「非常に快適」だ

 ハイエンドPCということもあり、VRシステム「SteamVR」向けのベンチマークテスト「SteamVR Performance Test」も実行した。結果の詳細を見ると、フレームレートの要求水準である「90フレーム/秒」を完全にクリアしている。SteamVR用途に使う場合にも、まったく問題のない性能を有していることが分かる。

SteamVR Performance Test 「SteamVR Performance Test」の結果。VRも余裕でこなせるパフォーマンスだ

 先の説明では軽くしか触れなかったが、OMEN Xはストレージ回りのスペックも高い。OSのブートストレージには、PCI Express x4(Gen3)接続のNVMe SSDが使われている。レビュー機はSamsungの「MZVPV512HDGL-00000」を搭載していた。また、データストレージとして3.5インチの3TB HDDも備えている。レビュー機はSeagateの「ST3000DM001」を搭載していた。

 これらのストレージに対して「CrystalDiskMark」でアクセススピードを計測したところ、いずれのドライブもストレスなくゲームをプレイできるレベルであることが分かった。ただし、HDDはHDDとしては高速な部類なのだが、NVMe SSDの前にはどうしても見劣りしてしまう感じはする。言い換えれば、NVMe SSDが高速すぎるということなのだが……。

HDDのCrystalDiskMarkの結果SSDのCrystalDiskMarkの結果 内蔵ストレージに対するCrystalDiskMarkの結果。HDD(左)はHDDとしては高速な部類なのだが、SSD(右)の結果を見ると見劣りする

まとめ:値段は高いがそれだけの価値はある

 ベンチマークテストを見てもらっても分かるように、OMEN Xは性能面においてまったく不足がない。ボディー構造と水冷ユニットのおかげもあって、動作音はとても静かだ。負荷の高い状態が続いても動作音の変化が少ないので、ゲームプレイに集中することができるだろう。

 また、凝ったデザインのボディーは間違いなく所有欲を満たす。マザーボード周辺やストレージへのアクセスもしやすいものにはなっているものの、Blu-rayドライブが斜めに取り付けられていることを考えると、使い勝手に関しては評価が分かれそうだ。恐らく、床置きではなく机の上に置く運用を前提にしてデザインされていると思うのだが、サイズが大きいため、PCを置くテーブルの面積に比較的余裕がないと設置は難しいかもしれない。さらに、本体が重いので、非力な人や女性は設置すら困難かもしれない。それでも、このデザインや存在感に惚れ込んでしまう人も多くいるはずだ。

 超ハイスペックかつ重厚で高品質なボディーを持つことから、気になるのはその価格だ。OMEN Xの標準価格は上位モデルで44万8000円(税抜、以下同)、下位モデルで34万8000円となっている。やはり非常に高価な部類に入る。

 ただし、Web直販「HP Directplus」では、3月13日までの期間限定で割り引きキャンペーンを実施しており、上位モデルは7万7700円引きの37万300円、下位モデルは7万300円引きの27万7700円という、ギリギリ何とか買えそうな価格になっている。場所を確保し、買うと決めたなら今すぐ買ってしまうべきだろう。


 ちなみに、今回の評価ではテストできなかったが、OMENシリーズには「OMEN by HP with SteelSeries」という専用オプションも用意されている。その名の通りゲームPC向けの周辺機器メーカーであるSteelSeriesと提携したもので、ゲーム向けに特化したキーボード、マウス、マウスパッド、ヘッドセットが用意される。反応速度を高めたり、操作ミスを減らすようにするといった最適化が施されているという。

OMEN by HP Gaming KeyboardとOMEN by HP Gaming Mouse HP Gaming KeyboardとOMEN by HP Gaming Mouse。ゲーミング用途に最適化された専用オプションだ
HP Directplus -HP公式オンラインストア-

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