こうした流れと連動しているかは不明だが、10月に一般公開予定のWindows 10次期大型アップデート「October 2018 Update(1809)」の開発完了のタイミングで、Windows開発チームの組織変更が行われるというウワサもある。
話題の出どころは、Microsoft関連の最新情報に詳しい米Thurrott.comのブラッド・サムス氏だ。同件を伝えたOnMSFTによれば、前述の大規模組織改変でMicrosoft退社を発表したテリー・マイヤーソン氏の流れをくむチーム再編が行われる見込みという。
具体的には、レイオフのような人員削減はないものの、Windowsチームが間引きされる形でAzureやOfficeのような製品ラインへと区分けされるとのことで、それに伴う人員移動のようだ。サムス氏のコメントを見る限り、Windows製品ラインそのものの比重がMicrosoft内部で下がっている印象があり、最大勢力の1つであったWindowsチームの部分解体のようにも映る。
Windows 10次期大型アップデートのOctober 2018 Updateは、2015年7月に登場した最初期の「Windows 10(1507)」から数えて7つ目、大型アップデートだけでも6つ目に達している。もちろんMicrosoftとしては改良点や盛り込みたい新機能はまだまだあるだろうが、最近のフロントエンド的な機能の変化のなさを見る限り、OSとして徐々にメンテナンスフェーズに近い状況に達しつつあるとみられる。
周辺を見渡すと、エッジ向けのソリューションとしては「Windows 10 IoT」でのプレゼンスが弱いと感じる一方で、「Azure Sphere」のようにWindowsとは直接関係ないクラウドセキュリティのソリューションも投入するなど、Microsoft自身がWindowsの位置付けを見直しつつあるようだ。
この新体制への移行が本当だとして、October 2018 Updateの次のWindows 10大型アップデートとなる2019年春一般公開予定の「19H1」の方向性や、恐らく2019年春の開催とみられるMicrosoftの開発者向けイベント「Build 2019」の内容がどうなるのか、引き続き注目していきたい。
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