新型AIプロセッサ「Kirin 980」でより“インテリジェント”に――「HUAWEI Mate 20シリーズ」登場

» 2018年10月17日 02時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 Huaweiは10月16日(イギリス夏時間)、新型Androidスマートフォン「HUAWEI Mate 20」「HUAWEI Mate 20 X」「HUAWEI Mate 20 Pro」「HUAWEI Mate 20 RS」を発表した。いずれもHuaweiの新型プロセッサ「Kirin 980」とライカ(Leica)監修の3眼アウトカメラを備えていることが特徴だ。

(いずれの機種も日本での発売は未定)

Mate 20シリーズ HUAWEI Mate 20シリーズ
Huaweiのリチャード・ユー氏 Mate 20 Pro(左)とMate 20(右)を手にするコンシューマービジネスグループCEOのリチャード・ユー氏

HUAWEI Mate 20

 Mate 20は「HUAWEI Mate 20」(日本未発売)の後継機種。Mate 20シリーズの基本となるモデル。想定販売価格は「4GBメモリ+128GBストレージ」構成が799ユーロ(約10万4000円)、「6GBメモリ+128GBストレージ」構成が849ユーロ(約11万円)で、ヨーロッパ圏では10月16日(発表当日)に販売を開始している。

Mate 20 Mate 20はヨーロッパ市場では即日発売

 ディスプレイはDCI-P3規格に準拠したHDR(高ダイナミックレンジ)表示に対応するフルHD+(1080×2244ピクセル)の6.53型RGBW液晶で、インカメラ部分に幅8.9mmの小さなノッチを備えている。RGBW液晶を採用することで、画面の輝度向上と省電力性の両立を図った。

 アウトカメラは「1200万画素・F1.8・27mm」の広角、「1600万画素・F2.2・17mm」の超広角と「800万画素・F2.4・52mm」の2倍望遠の3眼構成。接写撮影は約2.5cmまで近寄れるようになった。

 Kirin 980のNPU(機械学習用プロセッサ)を活用して、25カテゴリ・1500シナリオのシーン検出も対応する他、動画撮影時に映画のような効果をリアルタイムに適用する機能も備えた。

 インカメラは「2400万画素・F2.0」のシングル構成となる。

カメラ構成 Mate 20のアウトカメラの構成
動画のリアルタイム処理 動画撮影時に人物だけ色を付け、背景を白黒にするエフェクトをリアルタイムで掛けることができる(写真はMate 20 Proの例だが、Mate 20でも同様の処理が可能)
接写 接写は最短2.5cmまで近づける(写真はMate 20 Proの例だが、Mate 20でも同様に近づける)

 バッテリー容量は4000mAhで、独自の急速充電技術「HUAWEI SuperCharge」に対応している。付属の充電用ACアダプターを使うと4V・10A(40W)の電源入力が可能で、30分の充電で空のバッテリーを58%まで充電できるという。指紋センサーはアウトカメラの下に備える。

 ボディーカラーはEmerald Green、Twilight、Midnight BlueとBlackの4色をラインアップする。

HUAWEI Mate 20 X

 Mate 20 Xは、Mate 20の大画面モデル。基本的なスペックはMate 20のものを踏襲しつつ、より大きなディスプレイとバッテリーを搭載し、動画やゲームをより楽しめるようにした。想定販売価格は「6GBメモリ+128GBストレージ」の構成で899ユーロ(約11万7000円)となっており、ヨーロッパ圏では10月26日から販売する予定だ。

Mate 20 Xを発表するユー氏 「One more big thing」としてMate 20 Xを紹介するユー氏

 ディスプレイはDCI-P3規格に準拠したHDR表示に対応するフルHD+の7.2型有機EL。別売の「HUAWEI M-Pen」を利用するとペン入力にも対応する。ペン入力時の筆圧は4096段階で検知できる。

大画面 大画面でマップもより見やすいことを訴求
ペン 別売りのHUAWEI M-Penを使うとペン入力も可能

 バッテリー容量は5000mAhで、東京からロンドンまでの動画視聴も余裕でこなせるという。ゲームなど長時間に渡って負荷の掛かる作業をするシーンに備えて、グラファイト(黒鉛)を使った放熱機構を搭載。専用オプションとしてゲームコントローラーも用意する。

 その他の基本仕様は、Mate 20と同様。ボディーカラーはMidnight BlueとPhantom Silverの2色を用意する。

色 ボディーカラーは2色展開
コントローラー 専用のゲームコントローラーをオプションとして用意

HUAWEI Mate 20 Pro

 Mate 20 Proは、Mate 20シリーズのフラグシップモデル。想定販売価格は「6GBメモリ・128GBストレージ」の構成で1049ユーロ(約13万6000円)で、ヨーロッパ圏では10月16日(発表当日)に販売を開始している。

Mate 20 Pro Mate 20もヨーロッパ圏では即日発売
Mate 20 Proを手に掲げるユー氏 Mate 20 Proを手に掲げるユー氏

 ディスプレイはDCI-P3規格に準拠したHDR表示に対応する2K+(1440×3120ピクセル)の6.39型有機ELで、両端部が少し湾曲している。カメラ部分にさまざまなセンサーを搭載したため、ノッチは32.8mmと若干大きめとなっている。指紋センサーは、このディスプレイ内に埋め込まれている。

ノッチ比較 Mate 20(やMate 20 X)と比較すると、Mate 20 Proのノッチはやや大きめ

 アウトカメラは「4000万画素・F1.8・27mm」の広角、「2000万画素・F2.2・16mm」の超広角と「800万画素・F2.4・80mm」の3倍望遠の3眼で、先述の2機種と構成が異なる。メインの広角カメラのセンサーサイズは1/1.7インチで、ISO102400の超高感度撮影も可能だ。また10枚の画像を合成してRAW出力する「Super HDR」撮影にも対応する。接写撮影は先述の2機種と同様、約2.5cmまで近寄れる。

 大容量の画像を扱うことを想定し、Mate 20 ProではHuawei独自の「NM Card」と呼ばれる外部ストレージに対応する。NM CardはmicroSDと比較して面積が45%小さいことが特徴だ。ただし、NM Cardは2枚目のNano SIMカードと排他使用となる。

カメラ構成 Mate 20 Proのアウトカメラの構成
NM Card Nano SIMカードと同サイズの「NM Card」を外部ストレージとして利用する。ただし、2枚目のNano SIMカードと排他となる

 インカメラは先述の機種と同様に「2400万画素・F2.0」のシングル構成だが、別途赤外線センサーやドットプロジェクターを備えており、よりセキュアな「3D顔認証」や、表情を読み取ってリアルタイムに動きのある絵文字を作成できる「3Dライブ絵文字」も利用できる。

ノッチの中 ノッチの中にさまざまなセンサーを内蔵し……
3D顔認証 3D顔認証や……
3Dライブ絵文字 3Dライブ絵文字の作成も可能

 バッテリー容量は4200mAhで、先述のHUAWEI SuperChargeの他、独自の急速ワイヤレス充電技術「HUAWEI Wireless Quick Charge」にも対応する。Qi規格のワイヤレス充電対応にする他の機器に給電できる「Wireless Reverse Charge」機能も備える。

HUAWEI Wireless Quick Charge HUAWEI Wireless Quick Chargeを使うと高速なワイヤレス充電が可能
Wireless Reverse Charge 他のQi対応機器を充電できるWireless Reverse Chargeも備える

 本体はIP68等級の防水・防塵(じん)性能を備える。ボディーカラーはEmerald Green、Twilight、Midnight BlueとBlackの4色をラインアップする。

PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 20 RS

 PORSCHE DESIGN HUAWEI Mate 20 RSは、Mate 20 Proをベースにドイツの「Porsche Design」とコラボしたスペシャルモデルで、Mate 20シリーズの“真の”フラグシップモデルとなる。参考販売価格は「8GBメモリ・256GBストレージ」構成が1695ユーロ(約22万円)、「8GBメモリ・512GBストレージ」構成が2095ユーロ(約27万2000円)で、ヨーロッパ圏では11月16日に発売する予定だ。

HUAWEI Mate 20 RS Mateシリーズ恒例となったPorsche Designコラボモデルも登場

取材協力:ファーウェイ・ジャパン

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