Middle-earth: Shadow of Warは、3840×2160ピクセルでは「中」画質から、2560×1440ピクセルなら「ウルトラ」画質で60fpsを満たすことができた。また、4KやWQHDではGeForce GTX 1080 Tiに迫るフレームレートを見せていたのが、ここまでのタイトルと異なる傾向だ。
Far Cry Primalは3840×2160ピクセルの「ノーマル」画質で60fpsを超えたが、61fpsなので最少フレームレートではこれを下回る。実質的に「低い」画質あたりが妥当だろうか。2560×1440ピクセルなら「最高」画質で60fpsを超えている。Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsなどと比べると負荷は低く、もう少し上の画質でも4Kプレイが可能と予想していたが、意外とフレームレートが伸びなかった。となると、求められるのはグラフィックスメモリ帯域というよりもCUDAコアの絶対数であるような印象を受ける。
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークは、3840×2160ピクセルの場合は「軽量品質」で「快適」判定、2560×1440ピクセルでは「高品質」が「快適」判定で「軽量品質」なら「とても快適」判定、1920×1080ピクセルでは「高品質」が「とても快適」判定で「標準品質」なら「非常に快適」判定となった。他のタイトル同様に、4Kの場合は低画質プリセットでなんとか、WQHDなら高画質が狙える。
NVIDIAから配布されている、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークのDLSSテストを試した。GeForce RTX 20シリーズの中でDLSS対TAA比見ると、RTX 2080 Tiは36%アップ、RTX 2080もおおむね同じで、RTX 2070も38%程度スコアが向上していた。どれも同じくらいの向上率といえるだろう。ただし、この結果はFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークに限るのかもしれない。
消費電力は補助電源端子が8ピン×1基ということからも分かるように、かなり抑えられていた。計測した3つの条件で、8ピン×1基のGeForce GTX 1080(レファレンス)とおおむね同じである。ここまで見てきたスコアの通り、GTX 1080よりも上の性能なので、この点で電力対性能比は向上していることが確認できた。
GeForce RTX 2070は、ベンチマークテストの結果からも分かるように、WQHDでのゲームプレイを想定している。WQHDなら最高画質またはその1つ下の画質プリセットで60fpsを満たしていた。今現在WQHD液晶ディスプレイを使っている人にはうってつけで、フルHDからWQHDにステップアップしたいユーザーにも向いている。そしてフルHD液晶ディスプレイなら、より高く安定したフレームレートが得られる。ゲーミング向けディスプレイの性能を引き出すという点でも“アリ”だ。
価格は税込み7万円前後がスタートライン。今回比較した中ではGeForce GTX 1080に近い性能だったが、そのGTX 1080が旧型となった今でもそこまで値崩れしておらず6万円台前半といったあたりだ。RTXにはリアルタイムレイトレーシングやDLSSなどの新機能があり、性能でもGTX 1080を上回っている。ならば、価格差を考慮してもRTX 2070の魅力は大きい。
これまでハイエンド志向で来た人でも「さすがに10万円以上は手を出しづらい」と考える人は多いだろう。グラフィックスカードが高価な今、現実的なラインとしてWQHDやフルHD環境での高画質プレイでよしとするなら、GeForce RTX 2070は悪くない選択肢だ。
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