未来を創る「子どもとプログラミング教育」

教育市場で火花を散らすGoogleとMicrosoft 日本の覇権争いは2020年が本番?ITはみ出しコラム

» 2019年01月27日 06時00分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 毎年2月、英国ロンドンでは教育関連のICTイベント「BETT(British Educational Training and Technology Show)」が開催されます。それに合わせて、MicrosoftやGoogleが、たまにAppleも新製品や新サービスを発表します。

 今年はMicrosoftが小学生向けの丈夫で安価なSurfaceシリーズ用スタイラス「Classroom Pen」や、サードパーティー製の安価なWindows 10端末を多数発表しました。

Classroom Pen 「Classroom Pen」は「Surface Go」に最適化された安価なスタイラス

 Classroom Penは「Surface Go」に最適化されたスタイラス。20本単位で販売しており、1本当たり約40ドルと、これまでSurfaceシリーズ用に提供されていた「Surface Pen」(99.99ドル)の半額以下です。

 またMicrosoftは、期間限定ではありますが、Acer、Dell、LenovoのWindows 10端末を189ドル(約2万円)から教育機関に販売するとしています。これなら、生徒全員分は難しくても、授業内容によってクラス全員で1台ずつ使うために購入することが可能というケースもありそうです。

Lenovo 189ドルからの教育機関向けWindows 10端末(写真はLenovoのモデル)

 その他、教育向け「Office」や、「Microsoft Team」の新機能、教育関連サービスも多数発表しました。

 Microsoftは教育向けの「Minecraft」も提供しているし、昨年は教育向けソーシャルサービス企業のFlipgridを買収して、Flipgridのサブスクリプションサービスを無償化するなど、教育市場でのシェア確立に向けて頑張っています。

 一方、Googleは「2006年から教育市場に参入し、今では世界で8000万人の教育者と学生がG Suiteを使っていて、3000万人以上がChromebookを使っている」と発表しました。

 Microsoftは数を発表していないので比較できませんが、Googleが公開した世界の教育市場における「Chrome OS」のシェア分布図によると、北米ではシェアが60%以上、オーストラリアで40%以上、欧州で20%以上になっています。ちなみに日本では5%未満です。

Chrome OS Googleが公開した世界の教育市場におけるChrome OSのシェア分布図

 以前この連載でご紹介したように、日本では教育市場でのモバイルPCの普及自体が、米国などと比べるとかなり遅れているので、覇権争いはこれから本格化しそうです。

 そう思いながらGoogleの発表をつらつら読んでいたら、こんな一節がさりげなくありました。

Google Googleの発表には、日本の教育プログラミング教育についての記述も

 Google翻訳によると「日本では、公立学校は、2020年までに全ての子供たちにコンピュータプログラミングを教えるという全国的な目標を達成するためにG SuiteとChromebookを使用しています」となります。

 確かに、日本では2020年度から全ての小学校でプログラミング教育が必修化されます。それはでも、もちろん生徒全員にモバイルPCを持たせるという話ではありません。小学校でプログラミング言語を学ぶ教科が加わるわけではなく、今まである教科の中で「プログラミング的思考」を育成するための授業などが行われるようになります。

 文部科学省は、コンピュータがなくてもプログラミング的思考の育成は可能だけど、「体験」が重要なので、「児童がコンピュータを用いないのは望ましくない」と言っており、「教育のICT化に向けた環境整備5か年計画」(2018〜2022年度)を策定しました。5年間、単年度1805億円の地方財政措置が講じられます。

 つまり「せめてコンピュータ教室くらいは整備してね」ということです。Microsoft、Google、Appleにとってはチャンスです。

 総務省が2018年11月に発表した「次世代学校ICT環境の整備に向けた実証」の資料には、東京都町田市や小金井市の公立学校がICT化の実証実験のために、いずれもGoogleの「Chromebook」と「G Suite」を採用した例が紹介されています。

ICT 次世代学校ICT協議会に参加している企業や団体

 さてさて、来年4月からのプログラミング教育で使われる端末やアプリは何が多くなりますやら。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月10日 更新
  1. ワコム、Android液タブ「Wacom MovinkPad」シリーズを最大約4.8万円値上げ 9月25日から (2026年09月09日)
  2. 「macOS 27 Golden Gate」は9月15日リリース Apple SiliconのMacに対応 (2026年09月10日)
  3. 薄型化とカメラ強化が光る「Pixel 11 Pro Fold」徹底レビュー! Galaxy Z Foldとの比較で見えた“正統進化”の真価 (2026年09月09日)
  4. 天井照明一体型プロジェクター「Aladdin X3 Laser 4K」を試す 4K+3色レーザーで“本気の大画面シアター”に進化 (2026年09月09日)
  5. 超小型レトロオーディオ体験をFIIO「Snowsky ECHO NANO」で スマホリスニングのモヤモヤを解消するかも? (2026年09月08日)
  6. ノジマとコラボの新型「VAIO T」で“フリップ画面”が復活! 実機レビューで見た目と性能をチェックした (2026年09月10日)
  7. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  8. パナソニック、Fire TV搭載テレビにフルHD対応のエントリー32型/40型モデルを追加 (2026年09月09日)
  9. Apple参入のうわさで沸く2026年 パイオニア・サムスンが魅せる「折りたたみスマホ」の現在地 (2026年09月09日)
  10. 4Kゲームプレイを低遅延で配信・録画できる「UGREEN 4K HDMI キャプチャーボード」がセールで30%オフの4199円に (2026年09月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー