プロナビ

「Sets」騒動に見るWindowsのユーザーインタフェースあれこれ鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)

» 2019年04月26日 07時00分 公開
前のページへ 1|2       

Windows Insider Programが機能した一例?

 過去の本連載記事でも何度か触れているが、「Sets」の問題は結局のところ「ユーザーに理解されにくい挙動をもったインタフェース」という部分にある。Windows 3.0や同3.1に始まり、現在のインタフェースがほぼ確立したWindows 95以降、多くのユーザーに「Windowsとはこのように使うもの」ということが理解されてきた。

 一方で、Microsoftは「よりモダンなユーザーインタフェース」を志向して「Windows 8」をリリースしたりするが、既存ユーザーが使い慣れたUIからはかけ離れていたり、あるいはデバイス要件が厳しすぎて機能を満足に利用できるOEM製品が行き渡らなかったりと、結局は続くWindows 8.1でUIをWindows 7以前のものへと寄せ、最終的にWindows 10で元のUIへと回帰することになった。

Windows 10 各種アプリやファイルの操作も行える「Sets」

 Setsは従来までアプリケーション単位やウィンドウ単位で管理されていたものが、ユーザーの操作次第でさまざまなコンビネーションをまとめることが可能になり、結果として「複雑さ」を生み出している。

 かつて「リボン」UIがOfficeに導入された際も、Microsoftは「ユーザーが使い込むほどに最適化され、必要な機能をシンプルに引き出しやすくなる」と言い立てていたが、人や使い方によって挙動が大きく変化するUIは教育上も非常に筋が悪いと筆者は考えており、個人的にあまり評価していない。

 以前、Microsoft本社のテストラボを見学したことがあるが、そこでのフィードバックが世間にいる多くのWindows利用者の声を代弁するものでもなく、とかく作り手側の論理で進められる傾向が強いというのはよくある話だ。

 前述のジョー・フォリー氏によれば、「Sets」が最も相性の良かった仕組みは「Microsoft Office」で、実際にOfficeチームが最も熱心にSetsの開発を進めていたようだが、最終的にユーザーからのフィードバックで開発は中止となった。その意味では、形骸化が進みつつあったWindows Insider Programがある程度しっかり機能したということで評価できるのではないだろうか。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年02月12日 更新
  1. 6500円でデスクに新風! Thermalrightの小型液晶がヒット、背景にメモリ高騰? (2026年02月09日)
  2. 新ARグラス「XREAL 1S」を試す 解像度と輝度が向上、BOSEサウンドで没入感アップ “3D変換”も大きな魅力 (2026年02月10日)
  3. 元Appleのジョナサン・アイブが手掛けるフェラーリ初EVの内装デザイン公開 物理ボタンとデジタルの融合 (2026年02月10日)
  4. マウス社長が3日間“フル参戦”した理由とは? 大阪・梅田のど真ん中で起きた“eスポーツ×地域振興”の化学反応 (2026年02月11日)
  5. ワコムが安い? 驚きの2025年を振り返り メモリ高騰におびえる2026年の「自作PC冬眠」と「次世代CPU」への期待 (2026年02月12日)
  6. ソニーが「Blu-ray Discレコーダー」の出荷と開発を終了 代替の録画手段はある? (2026年02月09日)
  7. 32GBメモリが6万円切り、2TB SSDは3.3万円から 価格上昇が続くアキバで見つけた高コスパパーツ (2026年02月07日)
  8. ASRock、“CPU起動トラブルを解決”するSocket AM5マザー用のβ版BIOSを公開 (2026年02月10日)
  9. キンタロー。も驚くほぼ「入力ゼロ」の“次世代”確定申告 2026年の弥生は3つのAI活用とデスクトップ製品強化を両輪に (2026年02月12日)
  10. 梅田の街がeスポーツに染まった3日間――「Osaka GeN Scramble」で見えた、地域とデバイスが融合する最新イベントの形 (2026年02月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年