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» 2019年05月13日 10時30分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Surfaceの成功は日本なくしてありえなかった」と“Surfaceの父”パネイ氏が語る日本への思い (2/3)

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

Surfaceの成功は日本なくしてはありえなかった

 そして重要なのが後者の「製品のビジネス場面での活用」だ。「Surfaceの成功は日本なくしてはありえなかった」という同氏だが、Surface開発において、その製品の性格を考える上で最も重視しているのが「人」だという。

 「ハードウェアとソフトウェアの話をするとき、最も重要なのはそれがテクノロジーではなく、ハードウェアとソフトウェアを使う『人』にあるという点だ。テクノロジーを人に意識させない一方で、我々が作るテクノロジーは人が進みたい場所へと導き、さらにその目的地でもイノベーションを実現すべく待ち構え、人々の頭脳として機能する。私がしなければらならいのは、人々を前へと進むことを助け、これをどこでも実現できる環境を用意することだ」(パネイ氏)

 この「どこでも思考を止めずに作業できる」というのが、Surfaceの開発コンセプトなのだろう。Microsoftがサティア・ナデラCEOをトップに現行体制に移行してから、「Intelligent Cloud&Intelligent Edge」をキーワードにクラウド戦略を進めてきた。

 このクラウドを効果的に利用するためには、現在少なくとも対向の「エッジ」となるデバイスの存在が不可欠で、その役割をSurfaceが担うことになる。ソフトウェア企業でクラウドへの傾斜が顕著な昨今のMicrosoftだが、その中においてもデバイス部門が戦略的に残され、Surfaceブランドを筆頭にパネイ氏らによる新製品開発が続いている理由だ。

 「私は来日のたびに街を観察しているが、スターバックスの店舗やバー、レストランに行ってみてほしい。そこではどこでもPCで作業している人の姿を見かけることができるはずだ。もちろん私のように食事を目当てに行く人もいるが、遊びに仕事に、やることは人それぞれだ。『Work Style Innovation』(働き方改革)という言葉があるが、生活や仕事の多様性は現在世界中のあちこちで起きている。Surface活用が進む日本において、この取り組みは世界をリードしているといっていいだろう」(パネイ氏)

デバイスの選択肢は人の数だけある

 Surfaceの6年半の歩みを考えれば、その進化はラインアップの拡充とともにさまざまなニーズに対応し、どこでも作業を可能にする環境を整備しつつある点だ。Surface Proのような2in1型のタブレットを筆頭に、より処理パワーやバッテリ駆動時間が必要な人にはSurface Book、従来型のクラムシェル型ノートPCが必要な人にはSurface Laptop、クリエイターを中心に重厚なデスクトップ環境を必要とする人にはSurface Studio、そして可搬性と購入の手軽さを重視したSurface Goだ。

 今回のSurface Hub 2Sでは、企業のチーム間コラボレーションを推進し、リモートワークや分散拠点にいるチームメンバーらとのミーティングもSurface Hubを中心に構成することができる。

Surface Hub 2S 「Surface Hub 2S」は、3840×2560ピクセル表示に対応した50型タッチパネル液晶ディスプレイを備える

 Surface Hub 2Sについては、日本市場でも既に引き合いや問い合わせがあり、注目度は高いようだ。とはいえ、本体価格が100万円に達する「プレミアム商品」でもあり、おいそれと導入できる企業はある程度限られるだろう。

 “ホワイトボード”製品ということで教育現場への導入も考えられるが、やはり価格がネックになると考えられる。このSurface Hub 2Sの市場のさらなる拡大についてパネイ氏は「(Surface Hub 2Sは)オフィスと教育現場の両方をターゲットにした製品だ。プレミアムとの指摘は理解するが、それ相応の価値を提供できる製品であると考えている。我々のOEMパートナーが両市場に向けた同種のコンセプトの製品を出しており、こうした選択肢もあるというのが(Windowsエコシステムの)強みだ」と述べる。

パネイ 「日本とのやりとりは私の歴史の一部」と強調するパネイ氏

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