プロナビ

「Surfaceの成功は日本なくしてありえなかった」と“Surfaceの父”パネイ氏が語る日本への思い鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)

» 2019年05月13日 10時30分 公開
前のページへ 1|2|3       

間違いなくSurface Goは日本を意識した製品だ

 また今回のミーティングでパネイ氏はたびたび「日本」というキーワードを強調しているが、実際に顧客からの声を反映して投入された製品はあるのだろうか。同氏はこれについて「間違いなくSurface Goは日本を意識した製品だ」と即答する。

 ミニタブレットの可搬性と「フルキーボード」という組み合わせは日本市場でのニーズを意識したもので、例えば競合の1つであるiPad miniでは純正オプションでのSmart Keyboardが存在しない。サードパーティー製品か純正でもBluetooth接続の汎用キーボードを利用する必要がある。元々ミニノートPC的なカテゴリーは日本中心に盛り上がっていると指摘されていたが、それをSurface Goはカバーできるということになる。

パネイ 1800×1200ピクセル表示の10型ディスプレイを搭載する「Surface Go」

 MicrosoftがAlways Connected PC戦略を推し進めるうえで、LTEモデムや常時接続をコンセプトにした製品を積極投入して市場をリードするという考えもあるが、必ずしもこれは個々人のニーズには合致しない。

 Surfaceというグローバル市場を相手にする製品を擁する以上、最大公約数的な形でニーズをカバーしなければいけないだろうが、それでもなお各市場や個々人のニーズを吸い上げてSurfaceという製品に昇華し、それでもカバーしきれないものはOEMやパートナーのソリューションで補完していくというのがMicrosoftのデバイス戦略なのだろう。

 なお、パネイ氏は米ワシントン州レドモンドの本社チームにおいて、常にSurfaceのさまざまなコンセプトを交えて開発を進めている。現時点では話せないものの「既存のSurfaceとは異なるコンセプトの製品」の開発を進めており、将来的に市場投入する可能性をほのめかしている。

 ミーティングの終了間際には「また10月にお会いしましょう」とも述べており、例年通り10月にSurfaceの新製品発表が行われ、日本でも個別ローンチイベントが開催されることを認めている。今はまだ形になっていないが、その時を楽しみに待っていよう。

記事初出時、誤記がありましたので訂正しました(2019年5月14日13時30分)。


前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月25日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  3. 「IBMはテクノロジーカンパニーだ」 日本IBMが5つの「価値共創領域」にこだわるワケ (2024年04月23日)
  4. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  5. Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ (2024年04月23日)
  6. バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】 (2024年04月22日)
  7. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ゼロからの画像生成も可能に――アドビが生成AI機能を強化した「Photoshop」のβ版を公開 (2024年04月23日)
  10. MetaがMR/VRヘッドセット界の“Android”を目指す 「Quest」シリーズのOSを他社に開放、ASUSやLenovoが独自の新ハードを開発中 (2024年04月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー