立ち仕事でメモを取る場合、実を言うと筆者のように親指タイプだけでテキストを入力しているケースは少数派だ。周りを見てみると、「単語を枠で囲んで矢印でフローをつなげる」という形式でメモを取る人が多いようだ。入力は早いし関係も分かりやすい。
こういった場合、ペンデバイスとタブレットの組み合わせはやはり強い。それもあってか、同社はSurfaceの周辺機器として「Surface ペン」(1万2744円)を用意している。Bluetooth接続(Bluetooth 4.0)のペンデバイスで、ノック式ボールペンのようにペンのエンド部分にプッシュ式のボタンを用意し、この押し方によって「シングルクリック」「ダブルクリック」「長押し」の3つのパターンそれぞれにコマンドを割り当てることが可能だ。
割り当てコマンドはSurface ペンに対応するアプリケーションごとに初期設定で事前に用意してある。Windows 10が標準で用意している「Windows Ink ワークスペース」では、シングルクリックでホーム画面を、ダブルクリックで画面スケッチ、長押しで付箋機能をそれぞれ起動して表示する。この割り当てはユーザーがカスタマイズ可能だ。Surface ペンをBluetoothでペアリングすると、設定のデバイス画面にある「ペンとWindows Ink」タブでペンのショートカットからアプリケーションと機能を指定できる。
Windows Inkワークスペースではカメラで撮影した画像も扱える。筆者が取材で用いたケースでは、配布された紙の資料やスクリーンに映し出されるスライドをSurface Goのカメラ(背面は800万画素)で撮影し、その画像をWindows Inkの画面スケッチで開き、そこで、Surface ペンを使ってアンダーラインを引いたり、マーカーでポイントを囲ったりという使い方をすれば、PCでテキストだけを入力したり、配布された紙の資料に“だけ”アンダーラインを引くといった従来の記録方法を超えた使い勝手が実現する。
筆者が使った実例では、立ち作業の屋外取材やテーブルなしの取材をタブレット状態でこなした後、会場近くの喫茶店でタイプカバーのキーボードで文字を入力して撮影画像とともに送稿、という流れで作業を完結できる。また、自分で画像加工や図版作成など「重い」作業を担当する場合は、この段階からクラウドにデータをアップして、自宅や作業場に戻ってから加工作業や図版作成に取り掛かればいい。
Surface Pro 6が「処理能力を重視したノートPCとしての仕様を重視したモデル」だとすれば、Surface Goはあくまでも「タブレットとしての使い勝手を重視した、ノートPC“としても”使えるモデル」という位置付けになる。「これ一台あれば大丈夫!」というメインマシンとしての役割を担わせるのは、Surface Goに適した使い方ではない。
その代わり、Surface Pro 6では実質的に無理のある「立ち姿勢での利用」において、より小型でより軽いSurface Goは適している。そして、処理能力に制約があるとはいえ、ノートPCとして使う場合でもタイプカバーのキーボードはタイプした指の力をしっかりと受け止めてくれるし、キートップはぐらつかないし、キーピッチは17mmあるので“さほど”狭くないし、文章入力作業に支障はない。立ち仕事&ライトな作業の専用マシンとして使い、重い作業はメインマシンを使う。それが、Surface Goを最大限に生かす使い方ではないだろか。
メインマシンとSurface Goにおけるデータ共有に、OneDriveなどのクラウドサービスを使うのはいうまでもない。このとき、LTE対応モデルならばいとも簡単に事が進むのも、改めて指摘するまでもないだろう。
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