カメラの進化が楽しさと使い勝手を跳躍させる――iPhone 11/11 Proレビュー林信行が新iPhoneに潜む魅力のタネをチェック(2/4 ページ)

» 2019年09月17日 19時00分 公開
[林信行ITmedia]

暗闇はiPhone写真の新しいフロンティア

 先の動画では、これまでのiPhoneでは撮影できなかったもう1つの世界も紹介している。ナイトモード機能だ。

 iPhone 11や11 Proシリーズでは、暗い場所で撮影すると自動的にナイトモード機能がオンになる。広角レンズまたは(iPhone 11 Proシリーズの)望遠レンズ機能でだけ利用できる。

iPhone 11 Pro レンズが2つのiPhone 11(上)と3つのレンズを備えたiPhone 11 Pro(下)

 これらのモデルで暗い場所の写真を撮影しようとすると、面左上に黄色い三日月マークが現れるが、これはナイトモードがオンになった証拠だ。この状態で写真を撮影するとシャッターがしばらく開いたままで、画面下にシャッターを閉じるまでのタイマーが現れる。その間、じっとしていると暗かった画面に光が重ねられ、だんだんと明るい像が浮かび上がってくるさまが確認できる。

 逆にこのタイマーを操作してシャッター時間を撮影者が自在に変更することもでき、タイマーをゼロにすることでナイトモードをオフにすることもできる。ちなみに動画を見てもらえば分かるが、ナイトモードをオフにしても、そこそこきれいな画像が撮れる。

 シャッターを開けっぱなしのナイトモード、手持ち撮影でも大丈夫か心配だったが、手振れ補正機能のおかげか、手持ちでも驚くほどきれいに撮れることが多い(筆者の場合は日ごろの訓練のたまものが少しあるかもしれない)。

 シャッターの開放時間として選べるのは10秒までだが、iPhoneを三脚などに固定すると、それを認識して最大30秒まで選択可能になる。

 暗い場所が驚くほど明るく鮮やかに写ることに驚かされるが、それでいて空の様子や影などから、ちゃんと暗い場所での撮影だと分かるニュアンスを残す自然な味付けなどが実にいい感じだ。

iPhone 11 Pro iPhone XSで撮影した写真
iPhone 11 Pro iPhone 11 Proでナイトモード・オンの状態(デフォルトのシャッタースピード)で撮影
iPhone 11 Pro iPhone 11 Proでナイトモード・オフの状態で撮影。ナイトモードを使わない状態でも、iPhone 11 Proの方が圧倒的にきれいに撮影できていることが分かるが、それにナイトモードが加わると暗闇での表現力が全く変わることが実感できる

さらに楽しく進化したポートレートとセルフィー撮影

ポートレート撮影機能の進化。被写界深度(ボケ度合い)を後から調整できるポートレートモードだが、新たに照明効果の度合いも編集できるようにしたため、画面左上で照明効果度合いの編集モードとボケ度合いの編集モードを切り替える必要がでてきて操作は少し複雑化した。なお、これまでのiPhone最上位モデルではできなかった広角レンズを使ったポートレート撮影ができるのはうれしい限りだ(モデル:Reatmo/撮影協力:渋谷 GEN GEN AN by EN TEA)

 2つ以上のレンズを持ったiPhone(とiPhone XR)と言えば、背景をきれいにボカしてくれるポートレート撮影モードも楽しみの1つだが、このポートレート撮影も大きく進化している。

 ポートレート撮影機能のうち輪郭強調など1部の機能はこれまで人に対してしか適用できなかったが、新たに犬猫などのペットを美しく撮ることもできるようになったという(残念ながら時間内に試せなかった)。

iPhone 11 Pro 全6色で展開されるiPhone 11

 さらに新たに人物をきれいに切り抜いた上で背景を白くするハイキーというモードが加わったが、これがかなりいい感じに人物を描き出す(ちなみに複数人でも大丈夫だ)。

 これだけでも十分うれしいが、新iPhoneでは広角レンズでのポートレート撮影に対応した。これまでのポートレート撮影では、望遠レンズを使って距離2.5mから撮る、かなり被写体に寄った状態での撮影しかできなかったが、新たに超広角レンズが加わったことを生かし、もっと背景をたくさんいれた引きの状態でのポートレート撮影もできるようになった。これはボカしながらもたっぷりめに背景を入れたい場合などに最適だろう。

 つまり、ついに標準モデルのiPhone 11にも光学的なポートレート撮影モードがついたことを意味する(レンズが1つのiPhone XRは、AIの画像認識の力に頼った人物撮影だけに有効なポートレートモードになっていた)。

iPhone 11の撮影機能を動画で検証。iPhone 11 Proには負けるものの、超広角での撮影などもできる(ただしProでは2倍多くズームすることができる)。自撮り用のTrueDepthカメラで写る範囲も広くなった。ビデオ撮影ではこの画角が標準だが、写真撮影では従来通りの広さと、広角の2種類を画面下のボタンで切り替えできるようになった。また同カメラでのスローモーション撮影にも対応した

 人物撮影といえば最近、他の人を写す以上にインカメラ(AppleはTrueDepthカメラと呼んでいる)を使ったセルフィー(自撮り)をする人が世界的に増えているが、この自撮り用カメラも、より広い範囲が写る広角での撮影に対応している。

 これまで、せっかく名所旧跡にいっても写る範囲が狭いために、窮屈な画角(写る範囲)の中に無理矢理名所を潜り込ませていた人も、iPhone 11/11 Proからはゆとりを持って写り込ますことができる。

 また最近ではTikTokなどにセルフィー動画を投稿する人も増えているが、動画表現の幅を広げるべく、新たに自撮りカメラにもスローモーション撮影の機能が加わっている。

 この記事では紙幅が足りず、十分な検証もできなかったので割愛するが、iPhone 11/11 Proによる4K 60fpsの動画撮影もかなり美しい。特に超広角での動画撮影は、スマホ映像の新境地を切り開くような楽しさがある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. 初のカラー対応「Kindle Scribe Colorsoft」の実力は? 通常モデルとの価格差1万7000円の価値を検証 (2026年06月10日)
  2. 「Geminiの技術は使うが、Geminiではない」 WWDC26で見えたApple流AIとプライバシー戦略の核心 (2026年06月10日)
  3. 「macOS 27 Golden Gate」が2026年秋に登場 初のApple Silicon専用バージョンに (2026年06月09日)
  4. ミニPCに強みの「MINISFORUM」 ミニワークステーションの新モデルから「謎の拡張カード」まで多彩な製品を披露 (2026年06月10日)
  5. 「次世代Apple Intelligence」をフル活用するにはどのような条件がある? 「Siri AI」は日本で使える? 知っておくべき対応モデルのハードル (2026年06月09日)
  6. 実売1万円切りでパススルー給電にも対応! KTCの15.6型モバイルディスプレイ「H15F9」は“買い”か (2026年06月09日)
  7. コンパクトボディーにスパコン並みのAI性能! 「NVIDIA RTX Spark」搭載ミニデスクトップPCを見てきた (2026年06月04日)
  8. LGが4K有機EL TVの2026年モデルを発表 映像プロセッサを刷新し120Hz以上の高速表示にも対応 (2026年06月09日)
  9. カプセルトイ「手のひらネットワーク機器」第5弾のラインアップを決める“ユーザー選挙”投票受付を開始 (2026年06月10日)
  10. サンワ、ノートPCやタブレット背面を冷やせるペルチェ冷却クーラー (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー