本連載でお伝えした通り、米Microsoftは10月2日(現地時間)にニューヨークで新製品発表イベントを開催する。まだ具体的な方法は提示されていないが、今回は同時中継も行われるとみられるため、日本時間で10月2日午後11時に興味ある方は本誌を含むMicrosoft関連の情報をチェックしてみてほしい。
上記レポートにもある通り、このイベントではSurfaceのラインアップが一新される。注目はSurface ProとSurface Goの新製品だが、AMD製プロセッサを搭載しての登場がうわさされるSurface Laptopなど、1年以上音沙汰がなかった製品でアップデートが行われる見込みで、PC購入を検討していたユーザーにはチェックすべき内容が多々含まれている。
既存製品についてはデザイン面でのリニューアルの他、これまで(Surface Bookなど一部製品を除いた)Surfaceがかたくなに導入を拒んできたUSB Type-Cポートを全面的に採用するといわれる。既存製品については新製品登場を前にセールが出始めており、既存製品を安価に購入するか、あるいは機能が一新された新製品を購入するかのせめぎ合いとなりそうだ。
今回は同イベントについて、追加で出てきた情報を整理して開催直前のまとめとしたい。
話題の1つ目は、これまでのSurfaceラインとは異なる新機軸の製品のうわさだ。Windows Unitedが報告しているが、米特許商標庁(USPTO)のページに9月10日に公開されたMicrosoftのデザイン特許には、これまで見たことないような形状のデバイスのデザインが記されている。
名称は「Portable Speaker」となっているが、参考文献としてThe Vergeの「Google Home Mini」のレビューのURLが記されており、同じくAmazon.comのEcho Dotのようなスマートスピーカー製品を意識したものであることが分かる。
ただ、既に多くの人が知るようにMicrosoftのCortanaビジネスは後退期に入っており、Microsoft社内でも音声アシスタントの“ペルソナ”としてのCortanaのポジションもWindows 10リリース直後からだいぶ変化しているとみられる。
もはやCortanaの搭載を諦めたデバイスも存在しており、MicrosoftがCortanaテコ入れのために今さら専用デバイスを追加で出すとも考えにくく、仮に製品投入されるとしても別の意図があると考えるのが適当かもしれない。
本件を受けて、The Vergeのトム・ウォーレン氏は新デバイスについて「会議室向けのスピーカー」という可能性を指摘している。
理由の1つは特許の発明者の1人として名を連ねているマレク・チャラビ(Malek Chalabi)氏がMicrosoft Teamsのデバイス担当主席デザインマネージャという点で、このデバイスがTeamsを含むMicrosoftのコラボレーション製品での活用を主眼にしているのではないかというものだ。
また2018年に開催されたBuild Conferenceにおいて、ラボ内でのミーティングをより改善するためのプロトタイプを披露しており、これにかんでいると思われるデザイン関係のリードを務めるダスティン・ブラウン氏もまた、特許にその名前を連ねているという。ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏は、Microsoftが研究を進めていて今年のBuild 2019においても、その成果の一部を披露している「Project Denmark」について触れ、ここでの仮想マイク機構を生かしたデバイスとしての可能性を指摘している。
いずれにせよ、このデバイスが10月2日のタイミングで登場するかは未知数だが、「PCではないMicrosoftのデバイス」の可能性について考えておくと面白いかもしれない。
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