セットアップはiPhoneから行う。本体の電源を入れてiPhoneを近づけるとウィザードが画面に表示されるので、それに従って設定を行う。専用アプリケーションをインストールする必要はない。
これらのセットアップをスムーズに行うには、以下の3点が条件となる。
中でも3番目、「ホーム」アプリは、購入時にプリインストールされていて、不要とみなして削除したユーザーも多いだろう。この場合、改めてApp Storeからダウンロードをする必要がある。
設定のステップ数も非常に少なく、実質的には置き場所を決めるくらいで、ウィザードに従って操作していけばあっという間に完了する。手順のメモを取りながらでも3分はかからなかったので、実際にはもっと短いだろう。こうしたシームレスさは、Apple製品ならではだ。
1つネックなのは、このセットアップの最中にSiriが大きな声でしゃべり出すことだ。他社のスマートスピーカーでも(悪い意味で)おなじみの現象だが、本製品はこの時点ではタッチパネルに音量ボタンが表示されていないため、音量を下げる方法自体が存在しない。
それゆえセットアップ中は、Siriが大声でしゃべっていても、ひとしきり話し終わるまで耐えて待つしかない。うっかり夜中にセットアップを始めて家族を起こしてしまわないよう要注意だ。
では基本的な操作方法と、実際の挙動を見ていこう。
本製品に呼びかけると、本体天面にあるタッチパネルの中央部分が点灯し、音声コマンドを聞き取れる状態である(あるいは聞き取り中である)ことを表してくれる。エフェクトはなかなか未来チックだ。
天面のタッチパネルは、「+」「−」以外の操作はできないように見えるが、実際にはタップによる再生と一時停止、ダブルタップによる次の曲への移動、トリプルタップによる前の曲への移動が行える。またタップして押さえたままにするとSiriを起動させることもできる。
聞き取り性能はかなり高く、Echo DotやPlus、Showではとても聞き取ってくれない真横や下方からの呼びかけにも反応するほか、小声にも強い。今回は2週間ほど試しただけだが、さまざまなスマートスピーカーを試してきた中でも、トップクラスだと感じる。
ただし、Siriによる日本語の発音は、たどたどしく感じることも多く、いかにも「機械」というイメージだ。このあたりは出始めの製品ということで、まだまだブラッシュアップが必要だと感じる。
個人的に評価したいのは、音楽再生時の音量を極限まで小さくできることだ。他社のスマートスピーカーでは、枕元などで聴く際に、どれだけ音量を下げようとしても、一定以下にはならない場合が多い。
しかし本製品は、耳を近づければかすかに鳴っているのが聞こえるレベルにまで、音量を下げられる。重低音を中心にした音質のよさが強調されがちな本製品だが、この点もユーザーによっては大きなメリットに感じるはずだ。
その一方、音声アシスタントであるSiriの声量がかなり大きく、一定のレベルから下げられないのは困りものだ。音量を絞り込んで音楽を再生している時も、その音量とは無関係にリクエストのたびに大声で返事するのはいただけない。本製品で真っ先に改善してほしい点を挙げろと言われれば、筆者は間違いなくこの点を挙げるだろう。
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