さて、本製品はApple Musicと連携してのストリーミング再生を行えるが、連携する音楽配信サービスの楽曲を再生できるのは、スマートスピーカーとしては当たり前だ。むしろ本製品のメリットは、iPhoneで再生している曲をそのままリモート再生できることにある。
Bluetoothを経由し、スマホの曲をスマートスピーカーから出力できる機能自体は、他社製品にももちろんあるが、本製品は2つの点において他社にない利点がある。
1つは接続がシームレスであることだ。本製品のセットアップが完了すると、その時点でiPhoneの「ミュージック」の出力先に本製品(の置き場所)が表示され、タップするだけで再生を開始できる。わざわざBluetoothのペアリングなどを行う必要はなく、非常にシームレスだ。
もう1つは、本製品を2台組み合わせることで、ステレオ再生が行えることだ。2台をペアにする機能はAmazon Echoの一部機種にも搭載されているが、楽曲のステレオ再生に対応するのはAmazon Musicなどのストリーミングサービスのみで、スマホからのリモート再生と組み合わせることはできなかった。
しかし本製品は、iPhoneの楽曲をリモートで再生する時も、本製品2台を用い、ステレオでの再生が行える。筆者はストリーミングサービスを経由した未知の曲との出会いよりも、自分でiTunesに取り込んだ曲だけを繰り返し聴いていたいタイプなので、この機能は実にありがたい。
また、この2台ペア化の手順が簡単なのも利点だ。1台目のセットアップが完了済みの状態で2台目の電源を入れると、1台目とペアにするかを尋ねられるので、「ステレオのペアとして使用」を選択すればよい。本製品のシームレスさを体験してしまうと、専用アプリを使ってのAmazon Echoのペア設定は、非常に煩雑に感じられるほどだ。
ちなみに2台をペア化した場合、音声で呼びかけると、話者から本体までの距離とは関係なく、最初に接続していた製品が応答する。内部的にマスターとスレーブという関係性を維持しているようだ。
一方で本体天面をタップしての音量調整や一時停止、再生、早送りといった操作は、どちらの個体でも行える。言うまでもないが、連動せずに一方の音量だけ大きくなるようなことはない。
なお、音量調整は本体(音声での指示)、本体(タッチパネル)、およびiPhoneのいずれかから行えるが、本体のタッチパネルが最も細かく調整できる。iPhoneで調整するとかなりダイナミックに変化するので、微調整は本体で行うことをお勧めする。
以上のように、iPhoneからのリモート再生を行う人にとっては、非常に魅力的な製品であることが分かる。次回はスマートリモコンと連携した家電製品の操作について、その具体的な使い勝手を見ていこう。
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