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» 2019年11月08日 12時00分 公開

特集・日本を変えるテレワーク:つながる! 使える! どこでも便利な「LTE内蔵PC」のススメ (2/3)

[井上翔,ITmedia]

LTE内蔵PCを選ぶ上でのポイントは?

 昨今、LTE内蔵PCの選択肢は豊富になった。しかし、だからこそ買う時に気を付けなければならない点は意識したい。

 デザインやスペック、キーボードやポインティングデバイスの使い勝手は、通常のノートPCやタブレットと同じように用途や好みを踏まえて選べばよい。今回は、LTE内蔵PCならではのポイントを見ていこう。

ポイント1:どこのキャリアと契約する?

 LTE内蔵PCの大半はSIMロックフリー。つまり、理屈の上ではどの通信事業者(キャリア)のSIMカードも利用できるようになっている。ある意味で、キャリアは選び放題だ。

 それだけに、どこのキャリアで契約するか悩んでしまうことも少なくない。大手キャリア(MNO)がいいのか、格安な料金や独自サービスが魅力であるMVNO(いわゆる「格安SIM」)がいいのか、使い方や目的に合わせてしっかりと選ぶことが大切だ。

 MNOで契約する場合、メリットは2つある。1つはセットアップが楽になるということだ。Windows 10では、大手キャリアのSIMカードを認識すると接続サービス(※2)の設定を自動で行ってくれる。セットアップ時に別のインターネット接続が必要であるという点には注意が必要だが、とにかく手間が省ける。

※2 NTTドコモの場合は「mopera U」、au(KDDIと沖縄セルラー電話)の場合は「LTE NET for DATA」、ソフトバンクの場合は「ウルトラギガモンスター+ forデータ」を始めとするPC対応プラン用の接続サービス、Y!mobileの場合は「スマホプラン」の接続サービスが自動設定の対象です。対象外の接続サービス(MVNOを含む)を利用する場合は手動設定が必要となります

Windows 10のプリセット Windows 10を搭載するLTE内蔵PCでは、初回のSIMカード挿入時にMNO規定の接続設定がプリセットされる。ただし、別途何らかのインターネット接続が必要になるので注意しよう(画像はNTTドコモのSIMカードを挿入した場合のプリセット)

 もう1つが、通信が比較的安定していることだ。MVNOの通信サービスは、その仕組みから混雑時に通信速度が落ち込みやすい。それに対して、MNOの通信サービスは混雑時でも比較的安定して通信できる。ランチタイムや夕方にLTEや3Gを経由してネットにつなぐ可能性がある場合は、MNO回線を使うことをお勧めしたい。

MNOの通信結果 混雑時間帯のデータ通信は、MNOの方が速度の落ち込みが少ない傾向にある(画像はイメージです)

 一方、MVNOで契約するメリットも2つある。1つは、月額料金を抑えられることだ。「格安SIM」と呼ばれることもあるMVNOの通信サービスは、一般的にMNOと比較して月額料金が安い。先述の通り、混雑時間帯は通信速度が落ち込みやすいものの、それ以外の時間帯の利用が中心であれば、それほど問題にはならないだろう。

MVNOの料金例 MVNOサービスはMNOよりも月額料金が安い傾向にある。LTE内蔵PCで使う場合は「データ専用」プランを選ぶと料金をより抑えられる(画像はインターネットイニシアティブの個人向けMVNOサービス「IIJmio」の料金)

 もう1つは、SIMカードの入手が比較的容易であることだ。MNOでもSIMカード単体で契約することはできるが、Y!mobileを除いて利用を希望する端末(LTE内蔵PCなど)をキャリアショップに持ち込まなくてはいけない。キャリアショップは混雑する傾向にあり、場合によっては契約まで数時間待たされることもある。

 それに対して、MVNOでは使おうとする端末を持ち込まずに契約できることが多い。しかも、店頭手続きの混雑はキャリアショップよりも緩い傾向にある上、ネットで契約手続きを完結できる場合もある。もっといえば、データ専用SIMカードはパッケージとして販売されることもあり、購入後自宅などで簡単な手続きをするだけで使えることもある。

 「通信するSIMだけすぐ入手したい!」という場合はMVNOが圧倒的に有利だ。

パッケージ 純粋にデータ通信しかできないMVNOサービスの場合、契約パッケージ自体にSIMカードが含まれていることがある。この場合、購入した後にWebで手続きをすればすぐに使い始められるが、SIMカードのサイズにはくれぐれも気を付けよう

ポイント2:LTE対応の“中身”

 LTE内蔵PCで意外と見落とされがちなポイントが、対応する通信規格と利用する周波数帯(Band)だ。

 日本のMNOがLTE通信サービスで利用しているBandは以下の通り。太字で示したものは、エリア構築のコアとなる(≒ほぼ全ての基地局で使える)Bandだ。

  • NTTドコモ:Band 13(東名阪エリアのみ)19、21、28、42
  • au:Band 1、11、1826、28、41、42
  • ソフトバンク/Y!mobile:Band 138、11,28、42

 最近のLTE内蔵PCは、各MNOのコアBandはほぼカバーしていることが多い。各キャリアのIOT(相互接続性試験)に合格していれば、より安心して使える。ただし、一部Bandをカバーしていないことはあり得るので、購入前にチェックしよう。

VAIO S14の場合 VAIO SX14」のLTEモデルはNTTドコモとauのIOTを取得(前者はモジュールレベル、後者はシステムレベル)。ソフトバンクのIOTも取得予定だという

 挿入できるSIMカードのサイズも確認しておきたい。最近では、スマホと同様にnano SIMに対応するLTE内蔵PCが多いが、たまにMicro SIM対応の機種もある。手持ちのSIMカードを流用する場合、サイズが異なる場合はカードの再発行(有料)が必要なので注意しよう。

Let's note QV8 Let's note QV8」のLTEモデルはnano SIMを採用している

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