さて本製品は、E Inkを採用した製品でありながら、Google Playストアからアプリをインストールできるのが大きなウリだ。実際、頻繁な画面の書き換えが発生するアプリや、CPUのパワーを極度に食うアプリを除けば、多くのAndroidアプリがそのまま使える。
ただし、実際にはなるべく本製品の標準機能もしくはプリインストール済みのソフトで済ませ、それが難しい時のみ、Google Playストアのアプリを試すようにすることをお勧めする。
なぜなら、本製品の画面はモノクロゆえ、カラーを前提にデザインされた一般的なアプリでは、フォントが読めなかったり、入力フォームの場所を判別できなかったりすことも多いからだ。どこをタップすれば反応があるのかが分からず、行き詰まってしまうことすらある。
それよりは、本製品にプリインストールされているアプリをそのまま使った方が、デザインがモノクロに最適化されているため見やすく、またレスポンスも高速だ。どうしても標準アプリでは物足りない場合のみ、代替のアプリをGoogle Play ストアから探すのが、本製品とうまく付き合っていくコツだろう。
なお、Google Playはセットアップ完了直後には有効になっておらず、「設定」→「アプリ」から「Google Playを有効にする」にチェックを入れて再起動し、さらにGSF ID(Google Service Framework)の登録を行ってから約1日待つという、まわりくどい作業を行う必要がある。これは本製品がGoogleの承認を得ておらず、個人としてGoogleに利用申請を行わなくてはいけないためだ。
ただし、ここを乗り越えれば、あとは快適だ。このBooxシリーズ、かつての製品はもっさり感が強く実用レベルではないことも多かったが、本製品はベースのAndroidが9.0になり、かつ4GBものメモリを搭載しているためか、動きはスムーズだ。スクロールに弱いE Ink自体の欠点にさえ目をつむれば、非常に実用的な印象を受ける。
また、アプリごとにどうしても動きが遅い、見づらくてストレスだという場合は、ナビボールから呼び出せる「アプリ最適化」機能を使うことで、画面のコントラストやリフレッシュモードを調整できる。利用頻度の高いアプリは、ここで調整するとよいだろう。
以上がBoox Max3の基本的な使い方なのだが、本製品オリジナルのアプリストア「Booxストア」についても触れておこう。これはGoogle Playとは別に用意されている独自のアプリストアで、日本国内にある複数の電子書籍ストアのアプリなどが用意されている。
このストアだが、アプリの入手元は「ネットから研究目的で収集したもの」とのことで、出どころがやや怪しい。またそれらを抜きにしても、Google Playストアに登録されているアプリよりもバージョンが古いことも多く、積極的に使う必要性を感じない。メリットと言えば、Google Playストアを有効化しなくても使える点くらいだ。
また確認した限りでは、モノクロ表示の本製品向けにアプリが最適化されているわけでもないようなので、なかなか意義を見出しにくい。本製品でアプリを新規インストールする場合、この「Booxストア」ではなく、最新版をインストールできるGoogle Playストアを使う方がよいだろう。
以上、入門編として基本的なスペックや特徴、アプリの使い方についてチェックした。次回は活用編として、ビューア機能やノート機能、さらにサブディスプレイ機能といった個別の機能を見ていく。
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