人気プロ絵師が大画面の液タブ「Wacom Cintiq 22」を使って分かったことやはり大画面は気持ちいいよ(2/3 ページ)

» 2020年01月08日 12時00分 公開
[refeiaITmedia]

ディスプレイの表示能力は?

 それでは、ディスプレイとしての性能も見ておきましょう。

 まず発色は、業界標準のsRGBに近い色域でした。ただし、やや黒浮きしたようなガンマ(明るさのレスポンス)で、ガンマが比較的正確なiPad ProやCintiq Proと比べると、同じ画像の黒に近い部分が少し明るく持ち上がって見えました。

Cintiq 22 黒の三角がsRGB、赤が本機です。補正曲線からは、浮いたシャドウを絞ろうとしているのが読み取れます

 また、Cintiq 16のレビュー時に発生した、GPUによっては白近辺で色転びが起きてしまう現象は本機では見られなかったものの、手元のIntel HD Graphics(Intel製CPUの内蔵グラフィックス)の機種では黒浮きが起こる機種と起こらない機種がありました。詳しく説明はしませんが、本来オーディオビジュアル用のHDMI規格をPC側に採用してしまったことで起こり得る問題です。

 元々PC用途のDisplayPortならば、この現象は起こらないので、HDMIしかポートを用意していないのは少し残念ですね。また、Intel HD Graphicsのユーティリティーをインストールしているならば、以下の設定画面から「全範囲」を選択することで、問題を修正できます。

Cintiq 22 ちなみに、この問題が出ている時には、黒の明るさが正常な環境でRGB値を16にしたぐらいになります

 液晶のエアギャップ、ガンマ特性、HDMI……と、黒浮きしてしまいがちな仕様を三重に抱えてしまっていますが、今回の試用では白飛びも黒潰れも、明度による色転びも見られませんでした。キツい発色もないので、不快な状態や画像情報のロスの心配は少なく、基本的に扱いやすいディスプレイだと思います。

今どき21.5型フルHDをどうするの問題

 さて、本機は21.5型のフルHD(1920×1080ピクセル)の液晶を搭載しています。Cintiq ProやMobileStudio Proで、高DPI路線に進んだように見えるワコムの最近のモデルにおいては、かなり低DPI(102DPI)な機種です。実際にペンを持つ距離では、普段のPC利用時よりもディスプレイに顔が近くなるので、ピクセルがかなり見えてしまいます。

Cintiq 22 左がCintiq 22(102DPI)、右がCintiq Pro 16(282DPI)です

 個人的には、既に高DPIの環境に慣れているので、気分が良いとは言い難い描き心地です。しかし、これが一方的にデメリットかというと、意外とそうでもないのです。まず、ピクセルが見えるからといって描く速度はそう落ちるわけでもありません。また、高DPIでレスポンスが低下しやすいCLIP STUDIO PAINTや、低スペックのPCを使って製作する場合には、速度低下も防げます。同じPCをフルHDと4Kで使った様子がこれです。

重くなりやすいブラシで撮影していますが、遅くないように見える状態から、スローにしなくても遅いのが分かるレベルの速度になって、座標取得が何度か抜けている様子も読み取れます。

 今、フルHDかWQHD(2560×1440ピクセル)の環境で製作していると仮定して、例えば「工程によってはレスポンスが微妙だな」ぐらいの感覚が、4Kにするといきなり苦痛レベルの遅さになることもあるので、むやみに4Kにしないという判断も悪くないものだと思います。

 また、Cintiq 16のようなフルHDの中型機と比べると、腕を振るようなストロークで伸び伸びと描いたり、線を安定させたり、余裕のある面積に資料を配置して描いたりしやすいです。手元からやや遠くまで画面内に見えるので、広く見るよう意識していれば絵のバランスを取りやすいとも感じました。

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