人気プロ絵師が大画面の液タブ「Wacom Cintiq 22」を使って分かったことやはり大画面は気持ちいいよ(3/3 ページ)

» 2020年01月08日 12時00分 公開
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まとめ

 さて、そろそろまとめていきましょう。

気に入った点

  • 買いやすい価格(ワコムストア価格で12万1000円)
  • ソリッドで落ち着いた外観
  • 使い勝手の良いペンホルダー
  • 上位機と同様のプロペン2が使える
  • 解像度が高くないおかげでアプリのレスポンスが良く、重くなりがちな工程もサクサク描ける
  • 調節範囲の広いスタンドが標準で付属
  • 標準的なコネクタなので、自分で用意した接続ケーブルも使える
  • 輝度などを設定する「ディスプレイ設定」ダイアログが、従来30秒ほどかかっていたのが数秒で表示されるようになった(本機以外の機種も高速化されている)

人によっては難点になり得る点

  • 解像度の粗さ(21.5型で1920×1080ピクセル、102DPI)
  • 広色域に対応していない
  • DisplayPortがなく、表示が不正確になり得るHDMIで接続しなくてはならない
  • フェルト芯が非推奨
  • 画面の感触や、ペン先が当たった時の音がプラスチック板っぽくてややチープ
  • 本体に3本のケーブルを差した姿が、ソリッドな本体デザインを損ねる
  • 黒浮き気味の表示

 といったところですね。個人的には今のCintiq Proを買う前、きわめてハイペースで描いていた時期に使っていたのがCintiq 21UX(2010年3月発売)という、22HDや24HDなどの前世代の機種でした。21.3型の1600×1200ピクセルで、サイズ感や画面の細かさも本機と近くて、本機を試用していると21UXのことを思い出しました。

 名機として名高い21UXは自分も気に入って、予備まで入手して長く使ったので、これはうれしい感覚でした。一方で、本機は価格が21UXの数分の1になったとはいえ、使用感としてはある意味、10年近く前の“標準”ともいえる感覚が残っていることも確かです。

 Cintiq 22は、上位機と同等のペンが使える状態を守りながら、ハイエンドな仕様を減らすことで極めて入手しやすい価格になった、プロペン2世代で初の大型スタンダードCintiqです。大画面が必要な人にはその要求に応え、そうでない人も大画面ならではの伸び伸びとした描画を楽しむことができます。また、プロラインで標準になっている4K画面を削ったことで、アプリの動作レスポンスの面で有利となり、生産性の低下やPC本体への追加コストを避けることができます。

 一方で、スタンダードな発色と低DPIの画面は、スマホやタブレットでは当たり前になりつつある高色域/高DPIの時代からは乖離(かいり)しつつあります。作画ツールとしては依然としてポテンシャルは高いですが、表示装置としては将来性はあまりない点を意識して検討すると良いでしょう。

Cintiq 22 久しぶりに、画面が広い液晶タブレットを触りましたが、やはり気持ちよかったです
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