さて、そろそろまとめていきましょう。
といったところですね。MobileStudio Pro 16は、先代では速いノートPCの枠を超えなかったのが、本機は4コアのCore i7が搭載され、イラスト用途としてはある程度最近のデスクトップPCを代替し得る能力になりました。先代では選べた20万円台のSKUが失われて、ターゲットにできるユーザーが狭まった一方、「運搬できるスタジオ」が本当に必要な人には心強い生産性をもたらしています。
確かに高価な機種ですし、発表時には高すぎるとの反発も聞かれました。ですが、デスクトップとモバイルの両方の面倒をみなければいけなかった環境をシンプルかつ省スペースにして総合的なコストを減らしたい人や、マルチロケーションで製作をする人、家で高性能な機材を使いながら、外出先でできることと、その能率にもできる限り妥協をしたくない人には、他では得難い価値を持った機種と言えるでしょう。
また、記事執筆中に、13.3型のMobileStudio Pro 13の新型が発売されました。この機種もSKUは1つしかありませんが、本機のCore i7よりわずかにクロックが低いだけの高性能なCore i5-8269U(4コア8スレッド、2.6GHz〜4.2GHz)と、Quadroほどではないものの一般的なノートPCより強力なIntel Iris Plus Graphics 655、8GBメモリ、SATA SSD 128GBのストレージと、CPUパワー以外は穏当な仕様です。この機種もメモリとストレージはユーザーが交換できます。
新型MobileStudio Pro 13は、16と比べてCPUパワーは依然高いまま、高価なQuadroが省かれました。GPUよりもCPUパワーを要求するアプリが多いイラスト用途とは、かみ合わせの良い性能バランスになっていると思います。ワコムストア価格で22万8800円で、16よりずっと安価です。サイズが問題なければこちらの方が合う人が多そうですね。
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