ケーブルはいわゆる三つ又タイプですが、PCとACアダプターが必ずしも近くないことを配慮して、やや変則的なケーブルの出方になっています。また、ACアダプターはUSBタイプなので、実際にはACアダプターを使用しないでPCから電源を取ることもできます。この接続の仕方は動作保証されませんし、電源供給能力が低いUSB端子を使うと正常に動作しない場合もありますが、うまくいけばコンセントを1つ占有せずに済みます。
液タブ側のコネクターには、USB Type-C端子が採用されています。ただし、Cintiq ProのようにPCのType-C端子から直接接続できるとはマニュアルに書かれておらず、実際に接続することはできませんでした。あくまで専用端子がUSB Type-Cの形をしていると理解するのが良いでしょう。
また、このツマミの形状のおかげで抜き差しがしやすく、サッと出して接続して、サッと片づける、という運用がとてもしやすく、他社の同クラス製品のようにボディーの横出しでもないので邪魔にもなりにくいです。
ペンは一見すると、Intuosで慣れ親しんだ細身の消しゴムなしペンですが、サイドボタンが2個ではなく1個です。これは、ペン長押し方式の右クリックをイライラせずに使える人以外は、サイドボタンに右クリックを割り当てざるを得ず、事実上カスタマイズ不能です。
ワコムのドライバは、オンスクリーンメニューやキーボードマクロを登録することでどんどん作業を効率化できるのが美点ですが、ペンのサイドボタンがカスタマイズできないと、その機能が生殺しになってしまいます。非常にもったいないですが、カジュアル機として割り切るしかない部分でしょう。
次に性能を見ていきましょう。
まず問題なかった項目、遅延とジッターはサラッと流します。
表示も基本的にスタンダードCintiqに似ていて、おかしな発色もなく、概ね標準的なディスプレイとして使いやすいものだと思います。ただし、最大輝度が仕様値で200カンデラと平均的なディスプレイより暗く、上向きで使う製品なので、天井の照明が明るい部屋では見づらくなる可能性があり、注意しておくとよいでしょう。
問題は筆圧です。
まずは下の表を見てください。トリッキーなのが一目瞭然ですね。
オン荷重が5gになるアプリだと、Cintiq Proのデフォルト設定よりも軽いタッチでツルツルと線が出てきます。ところが、オン荷重19gになるアプリでは、同じ感覚で描くと始筆と終筆が思った通りにならなかったり、線が途中で切れたりしてしまいます。
これは、スタイラスを使うのが初めての人なら「そんなもんかな」で済むかもしれません。ですが、CintiqやIntuos、国外メーカーの比較的最近の液晶タブレットや、Apple Pencilなどにある程度慣れている人ならば、ほとんどの場合に違和感を覚えると思います。実際に過去のテストでも、他社の液晶タブレットのオン荷重はどれも10g以下でした。
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