評価機が搭載するグラフィックスカードは、GeForce RTX 2070 SUPERだ。開発コード名「Turing」と呼ばれる最新世代であり、当初登場した無印のRTX 2070が「TU106」コアを採用していたのに対し、リフレッシュモデルとして投入されたRTX 2070 SUPERは、上位の「TU104」コアとなる。その性能は、RTX 2080に迫る真のハイエンドGPUになっている。
Turing世代のRTX 20シリーズは、「リアルタイムレイトレーシング」をハードウェアでサポートし、ゲーム中のグラフィックス、特に光の反射や映り込み、陰影などをより現実世界に近く表現できる。加えて、RTX 20シリーズには「Tensorコア」と呼ぶディープラーニング向け回路が搭載されている。これを活用することで、高画質化機能「DLSS(Deep Learning Super-Sampling)」も利用可能だ。
もちろん、GPU本来の性能があってこそのこれら2つの機能だが、RTX 2070 SUPERならばフルHDでのプレイはもちろん、設定次第では2560×1440ピクセルのWQHD環境、4K環境でもプレイできるパフォーマンスを持っている。
評価機のメモリはDDR4-2666の16GBモジュールを2枚、計32GB備えている。これまでの自作PCでは16GB程度あれば十分とされてきたが、メモリが安い今なら32GBを搭載してもコストへの影響が小さい。ハイエンドグラフィックスカードが12GBものメモリを備えるようになった今、メインメモリ側は32GBくらいはほしいところだ。
ストレージはシステム側(Cドライブ)にSSDで512GB、データ側(Dドライブ)はHDDで2TBのものを組み合わせたハイブリッド構成だ。こうした使い分けはゲーミングPCの定番である。接続インタフェースは、SSD側がPCI Express 3.0 x2、HDD側はSerial ATA 3.0となっている。
SSD側がPCI Express 3.0 x2に制限されているのは、搭載されているSSDがコストパフォーマンス向けモデルのためだ。転送速度もシーケンシャルリードで毎秒1.75GBと、毎秒500MB程度のSerial ATA 3.0接続のSSDよりは3倍以上速いが、PCI Express 3.0 x4接続のSSDと比べると半分程度になる。
ただ、毎秒1.5GBを超えてくると体感上の速度はさほど変わらなくなる。速いものほどよいのは間違いないが、当然高価になる。標準構成では、価格とのバランスをとったのだろう。容量とともに速さも求めるのならば、BTOでカスタマイズするとよい。より速いモデルや、大容量モデルも用意されている。
HDDは速さよりも、「多くのデータを低コストに保存できる」というニーズのためのデバイスだ。100GB超のデータ容量を求めるゲームタイトルも増えており、そうしたゲームをライブラリーに追加していくと1TBはあっという間だ。標準構成では2TBだがこれは最低容量で、BTOカスタマイズには3/4/8TBが用意されている。速さを求めるならばデータドライブもSSDとする方法もあるが、予算を抑えつつ大容量ライブラリーを構築したい人はHDDの容量カスタマイズを検討してみよう。
続いて、ベンチマークテストを実施した。
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