日本マイクロソフトは2月4日、文部科学省が定めた「GIGAスクール構想」に準拠したPCや、同社のプラットフォーム製品などをワンストップで提供する教育機関向けソリューション「GIGAスクールパッケージ」の提供を開始した。
GIGAスクールパッケージは、「『GIGAスクール構想』の1日も早い実現に貢献」すべく、以下の製品やサービスをまとめて提供する。
GIGAスクール構想では、「Windows 10 Pro」「Chrome OS」「iPadOS」のいずれかを搭載する学習用コンピュータを“1人1台”利用して学習を進めることになっている。要件は「文部科学省が(OSの)プラットフォーマーと議論して」決められたもので、Windows 10 Pro搭載端末では以下の通りとなっている。
GIGAスクールパッケージでは、日本エイサー、日本HP、NEC、Dynabook、デル、富士通、マウスコンピューター、レノボ・ジャパンの各社から発売される17機種(うちLTE対応6機種)のタブレットPCまたは2in1 PCを提供する。
2月4日現在のラインアップを見ると、準拠PCのメジャーな仕様は以下のようになっている。
このパッケージには「Windows 10 Pro Education」と、「Office 365 Education」のライセンスが付帯する。いずれも、通常のライセンスと比較して「特別な低価格」で提供されるという。
Windows 10 Pro Educationは、Windows 10 Proをベースとして一部設定の規定値を変更した教育機関向けエディションだ。例えば、通常エディションでは有効化されている「Windowsのヒント」「スタートメニューのおすすめアプリ」が、Educationでは無効化されている。
Office 365 Educationは、サブスクリプションサービス「Office 365」の学生、教育者向けエディションで、教育機関が一括して導入することも可能だ。「Microsoft Teams」を使って、教室内(あるいは学校中)でコミュニケーションを撮ったり調べ学習などの成果を共有(コラボレーション)したりすることもできる。
GIGAスクール構想では、児童や生徒の使うPCだけではなく、ログインに利用するIDも“1人1アカウント”用意する必要がある。そのことに伴い、PCとIDを一括管理できるMDMの導入も必須条件となっている。
今回のGIGAスクールパックでは、MDMサービスとして同社のクラウドサービスの1つ「Microsoft Intune」を活用。PCの利用準備(セットアップ)にも同サービスを活用することで、迅速にセットアップを完了できるようになるという。
「Windows Update」を介したWindowsやデバイスドライバーの更新についても、展開するポリシーを適切であれば、夜間の充電中にスリープから復帰して自動展開し、というプロセスを整えられる。
GIGAスクール構想の理念を実現するためには、学校で児童や生徒に携わる教員のスキルも重要な課題だ。同構想では学習用コンピュータや校内ネットワークの整備に対する補助金は用意されるが、教員研修に対する補助金は用意されていない。
そこで日本マイクロソフトでは、GIGAスクールパックを導入する都道府県または政令指定都市の教育委員会を対象に、無償で「研修プログラム」を提供する。加えて、同社が提供しているオンラインの「教育センター」にも、GIGAスクール構想に対応した無償オンライン講座を用意する。
文部科学省では「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」を定めている。ガイドラインでは「(データの)守秘義務、目的外利用および第三者への提供禁止」が定められており、クラウドサービスを利用する場合は一定のセキュリティ要件を満たすことが求められている。
当然、GIGAスクール構想で利用するクラウドサービスについてもガイドラインの要件を満たす必要がある。ただし、クラウドサービスを利用する場合は、以下のようなリスクも考えられる。
これらのリスクを払拭(ふっしょく)するため、GIGAスクールパックで提供されるクラウドサービスは、以下のような特徴を備えている。
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