ストレージデバイスは、意外と悩み所である。特に今回のような「低価格にこだわる」テーマの場合はだ。
選択肢としては「速度はそれなりだが容量単価の安いHDD」と「速度は高速だが容量単価の高いSSD」という二択がまず初めにあり、SSDについては「速度重視のNVMe SSD」「価格重視のSATA SSD」という二択がさらに続く。
NVMe SSDとSATA SSDの違いは、速度と形状に現れる。
前者のNVMe SSDは高速な周辺I/OインタフェースのPCI Express(PCIe)バスで接続するもので、メモリモジュール(DIMM)のようなミニ基板のような形状をしていて、マザーボードに直接はめ込んで使用する。その特徴はとにかく速度が速いこと。価格的には256GBあたりで5000円くらいだ。
後者のSATA SSDは、元々HDDを接続するために登場したSATAインタフェースを利用するもの。形状としては小さな平たい箱形状をしていて、SATAケーブルを用いてマザーボードに接続する。速度はHDDよりはだいぶ速いが、NVMe SSDには及ばない。その代わり容量単価に優れ、大体512GBあたりで6000円くらいだ。
で、どれを選ぶかなのだが、「動かしたいゲームがストVだけ」ということであれば、価格が熟れている容量256GBあたりのNVMe SSDを選択すればよいだろう。前述したように予算にして5000円前後となる。
SATA SSDだと、ほぼ同予算の6000円前後で512GBが選べる。もし、他のゲームやアプリもインストールして楽しみたいというのであれば、こちらを選択するのもありだと思う。
今回の事例では、前述したStoreMIが利用できる環境で構築するつもりなので、256GBのNVMe SSDに加えて、2TBのHDDを選択している。価格にして約6000円だ。
StoreMIのセットアップがうまく行けば、2TBのストレージ容量を獲得しつつ、Windows 10と、よく使うゲームやアプリをNVMe SSDのパフォーマンスで利用できるはずだ。ここは大いに期待したい。
ここまでで主要PCパーツはほとんど選びきった感があるが、最後にPCパーツを搭載する「ケース」と、電源供給ユニットも用意する必要がある。
ケースは、安くて見た目が気に入ったものを適当に選べばよい。
製品選びの際に注意すべきポイントとしては、自作初心者は、あまり小型のものを選ばない方が良いだろう。パーツの組み入れや配線が結構大変なためだ。あまりにも小さなケースだとパーツの取り付け時に手を出し入れした際、ケースのフレーム角と接触する機会も多くなって、手に切り傷を作ってしまう可能性が高くなる。
今回選択したマザーボードはmicroATX形状なので、microATXタイプのケースに加えて、より大きなサイズのATXのケースも適合する。今回は、microATXケースとしてはスタンダードなアイティーシーの「舞黒透」(maikurosuke)を選んだ。価格は約3500円だ。立派なケースなのに随分と安価である。
電源は、搭載するパーツの消費電力に合わせて選択する必要がある。あくまで目安になるが、CPUとGPUのTDP(熱設計電力)の合算値を出して、この値に対してだいぶ余裕を見た出力W数の電源ユニットを選ぶことになる。なお、TDPは本来消費電力そのものではなく「搭載ボディーの発熱許容量」的な意味合いを持つ数値なのだが、大ざっぱな消費電力の概算の目安になることが知られている。
今回選択したRyzen 5系CPUのTDPは65W、Radeon RX 570のTDPは150W、合計で215Wだ。まあ、その他のパーツも搭載するので大体400Wくらいの電源で大丈夫そうだが、余裕を見て550Wタイプを選んでいる。このあたりの電源は大体5000円前後で購入可能だ。
次回は、いよいよ組み上げた初号機を始動させる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.