PC版「ストV」を最高画質でストレスなく楽しめるモデルを5万円台で自作する方法――パーツ選定編お手軽ゲーミングPCの道(3/3 ページ)

» 2020年03月26日 12時00分 公開
[西川善司ITmedia]
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PC版「ストV」をプレイするためのストレージデバイス選び

 ストレージデバイスは、意外と悩み所である。特に今回のような「低価格にこだわる」テーマの場合はだ。

 選択肢としては「速度はそれなりだが容量単価の安いHDD」と「速度は高速だが容量単価の高いSSD」という二択がまず初めにあり、SSDについては「速度重視のNVMe SSD」「価格重視のSATA SSD」という二択がさらに続く。

 NVMe SSDとSATA SSDの違いは、速度と形状に現れる。

 前者のNVMe SSDは高速な周辺I/OインタフェースのPCI Express(PCIe)バスで接続するもので、メモリモジュール(DIMM)のようなミニ基板のような形状をしていて、マザーボードに直接はめ込んで使用する。その特徴はとにかく速度が速いこと。価格的には256GBあたりで5000円くらいだ。

ストリートファイターV NVMe SSDのエレコム「ESD-GMIA0256G」

 後者のSATA SSDは、元々HDDを接続するために登場したSATAインタフェースを利用するもの。形状としては小さな平たい箱形状をしていて、SATAケーブルを用いてマザーボードに接続する。速度はHDDよりはだいぶ速いが、NVMe SSDには及ばない。その代わり容量単価に優れ、大体512GBあたりで6000円くらいだ。

 で、どれを選ぶかなのだが、「動かしたいゲームがストVだけ」ということであれば、価格が熟れている容量256GBあたりのNVMe SSDを選択すればよいだろう。前述したように予算にして5000円前後となる。

 SATA SSDだと、ほぼ同予算の6000円前後で512GBが選べる。もし、他のゲームやアプリもインストールして楽しみたいというのであれば、こちらを選択するのもありだと思う。

 今回の事例では、前述したStoreMIが利用できる環境で構築するつもりなので、256GBのNVMe SSDに加えて、2TBのHDDを選択している。価格にして約6000円だ。

 StoreMIのセットアップがうまく行けば、2TBのストレージ容量を獲得しつつ、Windows 10と、よく使うゲームやアプリをNVMe SSDのパフォーマンスで利用できるはずだ。ここは大いに期待したい。

ストリートファイターV エレコムの「ESD-GMIA0256G」。容量は256GBで価格は約5000円前後だ。ヒートシンクが付属する
ストリートファイターV ここでは容量2TBのHDD(Seagate WD20EARX)を選んだ。価格にして約6000円前後だ。ちなみに今、容量単価的に見ると4TB〜6TBのものが一番お買い得で、HDDオンリーでシステムを構築したい人は、そういう選択肢もありだろう

ケースと電源はお好みで

 ここまでで主要PCパーツはほとんど選びきった感があるが、最後にPCパーツを搭載する「ケース」と、電源供給ユニットも用意する必要がある。

 ケースは、安くて見た目が気に入ったものを適当に選べばよい。

 製品選びの際に注意すべきポイントとしては、自作初心者は、あまり小型のものを選ばない方が良いだろう。パーツの組み入れや配線が結構大変なためだ。あまりにも小さなケースだとパーツの取り付け時に手を出し入れした際、ケースのフレーム角と接触する機会も多くなって、手に切り傷を作ってしまう可能性が高くなる。

 今回選択したマザーボードはmicroATX形状なので、microATXタイプのケースに加えて、より大きなサイズのATXのケースも適合する。今回は、microATXケースとしてはスタンダードなアイティーシーの「舞黒透」(maikurosuke)を選んだ。価格は約3500円だ。立派なケースなのに随分と安価である。

ストリートファイターV アイティーシーのmicroATXケース「舞黒透」(maikurosuke)。価格にして3500円前後となる。光ディスクドライブのトレイがあるのが特徴的だが、今回ここは利用しない
ストリートファイターVストリートファイターV 前面に5インチベイやUSB端子、ヘッドフォンやマイク端子が用意されている(写真=左)。背面に8cm角のLEDファンを標準で装備しているが、今回は取り除いた
ストリートファイターV 左側面はクリアパネルとなっており、中身を確認できる。ボディーサイズは約186mm(幅)×377(奥行き)×360(奥行き)mmとコンパクトだ

 電源は、搭載するパーツの消費電力に合わせて選択する必要がある。あくまで目安になるが、CPUとGPUのTDP(熱設計電力)の合算値を出して、この値に対してだいぶ余裕を見た出力W数の電源ユニットを選ぶことになる。なお、TDPは本来消費電力そのものではなく「搭載ボディーの発熱許容量」的な意味合いを持つ数値なのだが、大ざっぱな消費電力の概算の目安になることが知られている。

 今回選択したRyzen 5系CPUのTDPは65W、Radeon RX 570のTDPは150W、合計で215Wだ。まあ、その他のパーツも搭載するので大体400Wくらいの電源で大丈夫そうだが、余裕を見て550Wタイプを選んでいる。このあたりの電源は大体5000円前後で購入可能だ。

ストリートファイターV エバーグリーン製の550W電源「SilentKingα HK550-14GP」。出力500W前後の電源であれば5000円前後で購入できる

 次回は、いよいよ組み上げた初号機を始動させる。

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