画面のサイズは31.5型、表示解像度は最大で3840×2160ピクセルと、いわゆる「4K」の画面解像度に対応している。
一般的な24型程度の4K解像度の液晶ディスプレイだと、文字の視認性を高めるために表示スケールを200%、あるいは150%にして使うことが多いと思われるが、31.5型の大画面ならば125%や100%にしても十分視認できる大きさがある。
仮に100%表示であれば、作業領域は一般的なフルHD(1920×1080ピクセル)の4倍だ。ブラウザやPDFで資料を見ながら入力するビジネス用途、ツールボックスや素材ライブラリーなどを参照する機会が多いクリエイティブツールでも便利だろう。
液晶の配向方式は、VA方式に対応する。原理的にはコントラストや応答速度を高めやすい一方で、発色や視野角ではIPSに対してやや不利となるが、視野角は左右各89度、上下各89度とIPS方式並みを確保している。
画面の表面は照明が映り込みにくいノングレア仕上げだ。光を適度に拡散するため、照明などが映り込みにくく、長時間の利用でも目が疲れにくい。
2つの画面を横に並べて表示する「Picture By Picture」、画面上4隅のどこかに子画面を表示する「Picture in Picture」機能を利用できる。31.5型の大画面だとこうした機能も生きてくる。
HDR10(High Dynamic Range)入力にも対応しており、HDR対応ゲームやHDR動画などを楽しむことができる。HDRの効果は、明暗差の激しい場面で顕著だ。ゲームや映画などでは暗い場面が黒つぶれしないで見えるのは大きい。
本製品の輝度は300カンデラ平方メートルとHDR10対応液晶ディスプレイとしては物足りないため、エンタメ向けの製品と比べると見劣るのは否めないが、HDRの魅力の片りんは味わえる。応答速度もGTGで3ms(オーバードライブ利用時)と高速で、ゲームやエンタメ(動画)との相性は良い。
ゲームに関しては、リフレッシュレート同期技術の「AMD FreeSync」に対応している点も見逃せない。描画のフレームレートに画面の更新タイミングを合わせる技術で、描画のズレ(ティアリング)やカクつき(スタッタリング)のない滑らかな表示が可能だ。
本製品のリフレッシュレート自体の上限が60Hz(Free Sync有効時)なのでeSports向けというわけではないが、4K HDRの高画質設定で滑らかにプレイできることがメリットになるタイトルは少なくないだろう。
10bit(10億7000色)表示、NTSC比で95%の広色域に対応している点も見逃せない。Adobe Photoshop CCなど10bit表示に対応したアプリケーションを利用する際に、一般的な8bit(約1677万色)表示に比べて階調表現に優れた繊細な表現が可能だ。
NTSC比95%の色域は、インターネットコンテンツの標準であるsRGBよりもはるかに広い。印刷業界の標準であるAdobe RGBや、映像業界の標準であるDCI-P3などのプロファイルを利用する場合も、制作者の意図に近い色で表示できる。
エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1 Display Pro」とカラーキャリブレーションソフト「i1 Profiler」を使って計測してみたところ、輝度は約314カンデラ平方メートル、コントラスト比3438:1と、いずれも公称スペックを少し上回る数値だった。色域もsRGBカバー率100%、およびDCI-P3カバー率約94%と広色域を実証している。
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