パナソニック5月28日、モバイルPC「Let's note(レッツノート)」の2020年夏モデルを発表した。
同社は同日、報道関係者向けの「パナソニック『レッツノート夏モデル』説明会」を開催した。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で、Let's noteの説明会としては初めてのオンライン開催となり、同社のスタッフは大阪と東京から参加し、新製品の特徴や新たに導入した技術の解説、そして、東京2020オリンピック・パラリンピックとコラボレーションしたオリジナル天板のデザインのコンセプトについて説明した。
同社コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューション本部で東アジア営業統括を務める向坂紀彦氏はまず、Let's noteが「軽量」「頑丈」「長時間バッテリー駆動」「高性能」といった特徴を持ち、ユーザーの働き方を変えるツールとしてビジネス市場で受け入れられてきた実績を紹介した。
その上で、新型コロナウイルスの世界的拡大によって働き方が大きく変わろうとしている昨今、ユーザー企業からの「業務で用いるメインPCがデスクトップタイプであるためテレワークに切り替えられない」「テレワーク用PCが不足し業務が回らない」といった声を紹介。メインマシンとしてもリモートワーク用としても使える軽量で高性能なノートPCを普段から使用していることが、非常時におけるBCP(事業継続計画)の視点からも重要であると主張した。
さらに向坂氏は、新型コロナウイルスは“一時的な(一過性の)問題”ではなく、“ウイルスとの共存”を前提とした長期戦となる可能性を示唆し、「高性能、高信頼性、モビリティーを兼ね備えるLet's noteでユーザーの生産性向上に貢献したい」とも訴えた。
同社コネクティッドソリューションズ社 モバイルソリューション事業部で商品企画部主務を務める佐藤敬太郎氏は、Let's noteの新製品に導入された新技術の概要を紹介した。
佐藤氏によると、今回の新製品では第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)に、パナソニックが独自開発したという技術「Maxperformer(マックスパフォーマー)」を組み合わせることによって、高い処理能力を発揮することが特徴だという。
今回の新製品における最上位構成のCPUは、個人向け店頭モデルでは「Core i7-10710U」(1.1G〜4.7GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)、Web直販モデルでは「Core i7-10810U」(動作クロック1.1〜4.9GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ、vPro対応)となっている。佐藤氏は、コンパクトボディーでもこれらの6コア12スレッドCPUのパフォーマンスを最大限に引き出せる技術がMaxperformerであるとアピールする。
モバイルPC向けの第10世代Coreプロセッサは、インテルの電力制御技術「インテル ダイナミック・チューニング・テクノロジー(DTT)」に対応している。DTTを使うと、CPUの動作状況や温度に合わせて電源設定を自動的に変更できる。この調整は、PCメーカーが独自に行えることになっており、Maxperformerはこれを最大限活用して、ボディー内部の発熱状況を加味してCPUのクロック(動作周波数)を細かく調整しているという。
さらに、今回発表されたLet's noteにはパナソニック独自開発の冷却ファンユニットを搭載している。これにより、高負荷時に“フルパワー”で稼働できる時間を伸ばせるようになった。
DTTを使った徹底的なCPUチューニングと独自開発の冷却ファンユニット――この組み合わせがMaxperformerであり、新しいLet's noteの強みであると佐藤氏は胸を張る。
なお、今回の新モデル群のうち、「SV9」「LV9」「QV9」のWeb直販(パナソニックストア)モデルでは、「Secured-core PC」に準拠する構成を用意している。Secured-core PCは2019年12月にMicrosoftが提唱したファームウェア(UEFI)に関するセキュリティ防護要件で、非対応モデルと比較するとファームウェアへの攻撃対策が強化されている。
技術的な特徴に加えて、佐藤氏はサポート面での新機軸についても言及した。それが「テレワーク保険」の無償での自動付帯だ。
これは法人向けWeb直販サイトのキャンペーンで、5月28日11時以降に同サイトで法人向けカスタマイズ(CTO)モデルを購入した法人が対象となる。
この保険の期間は1年間で、テレワークに伴う「メールの誤送信」「PC紛失による情報漏えい」といった事故によって発生した賠償金、弁護士費用、残業代、調査費、見舞金などに保険金が支払われるという。
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