AMDがデスクトップ向け新APUを発表 Zen 2+Vegaの「Ryzen 4000」などボックス販売なし

» 2020年07月22日 14時10分 公開
[井上翔ITmedia]

 AMDは7月21日(米国太平洋夏時間)、「Ryzen 4000 Series Desktop Processors with AMD Radeon Graphics」(以下「デスクトップ向けRyzen 4000 APU」)を始めとするデスクトップ向け新型APU(GPU統合型CPU)を発表した。今回発表された新型APUのボックス販売(専用パッケージでの市販)は行われず、完成品のPCへの搭載、またはシステムインテグレーター経由での販売(一部モデルのバルク販売を含む)という形態で供給される見通しだ。

新型APUのラインアップ

 今回発表されたデスクトップ向けAPUはエントリー向けからハイエンド向けまで多岐に渡る。企業向け管理機能「AMD PRO」を搭載するモデルもある。

デスクトップ向けRyzen 4000 APU

 デスクトップ向けRyzen 4000 APUの基本設計はモバイル向け製品と同じで、Zen 2アーキテクチャのCPUに、7nmプロセス化されたGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャのRadeon Graphics(GPU)を統合したものとなる。PCI Expressバスのリビジョンは「3.0」となる。

特徴 デスクトップ向けRyzen 4000 APUの概要
基本設計 Ryzen 4000 APUの基本設計は、先行して発表されたモバイル向け製品と同一

 ラインアップは以下の通り。なお、モデル名の末尾に「E」の付くものはTDP(熱設計電力)が35Wの省電力版で、それ以外のモデルのTDPは45W(最小)〜65W(標準)となる。

  • Ryzen 3 4300G(3.8G〜4GHz、4コア8スレッド、GPUコア6基)
  • Ryzen 3 4300GE(3.5G〜4GHz、4コア8スレッド、GPUコア6基)
  • Ryzen 5 4600G(3.7G〜4.2GHz、6コア12スレッド、GPUコア7基)
  • Ryzen 5 4600GE(3.3G〜4.2GHz、6コア12スレッド、GPUコア7基)
  • Ryzen 7 4700G(3.6G〜4.4GHz、8コア16スレッド、GPUコア8基)
  • Ryzen 7 4700GE(3.1G〜4.3GHz、8コア16スレッド、GPUコア8基)
ラインアップ デスクトップ向けRyzen 4000 APUのラインアップ。なお、キャッシュ容量はL2とL3の合算値で表記されている(L1キャッシュの容量は切り捨て、以下同様)

 最上位のRyzen 7 4700Gは、前世代の最上位「Ryzen 5 3400G」(3.7G〜4.2GHz、4コア8スレッド)と比較して最大で約2.5倍のマルチスレッド性能を発揮し、Intelの「Core i7-9700」(3G〜4.7GHz、8コア8スレッド)と比べても高い性能を発揮するとAMDはアピールしている。

世代間比較 前世代と比べるとコア数が増えたこともあり、マルチスレッド性能が向上している
Core i7-9700との比較 Ryzen 7 4700GとCore i7-9700の比較。スレッド数の多い方が有利なアプリケーションでは優位に立っていることを示している
ゲーミング 内蔵GPUの差もあり、ゲーミング性能ではCore i7-9700と比べると圧倒的な優位に立つこともアピールしている

デスクトップ向けRyzen PRO 4000 APU

 「Ryzen PRO 4000 Series Desktop Processors」(デスクトップ向けRyzen PRO 4000 APU)は、デスクトップ向けRyzen 4000 APUにAMD PROへの対応機能を追加したものとなる。それ以外の基本仕様はデスクトップ向けRyzen 4000 APUと同様だ。

概要 デスクトップ向けRyzen PRO 4000 APUの概要

 ラインアップは以下の通り。なお、モデル名の末尾に「E」の付くものはTDP(熱設計電力)が35Wの省電力版で、それ以外のモデルのTDPは45W(最小)〜65W(標準)となる。

  • Ryzen 3 PRO 4350G(3.8G〜4GHz、4コア8スレッド、GPUコア6基)
  • Ryzen 3 PRO 4350GE(3.5G〜4GHz、4コア8スレッド、GPUコア6基)
  • Ryzen 5 PRO 4650G(3.7G〜4.2GHz、6コア12スレッド、GPUコア7基)
  • Ryzen 5 PRO 4650GE(3.3G〜4.2GHz、6コア12スレッド、GPUコア7基)
  • Ryzen 7 PRO 4750G(3.6G〜4.4GHz、8コア16スレッド、GPUコア8基)
  • Ryzen 7 PRO 4750GE(3.1G〜4.3GHz、8コア16スレッド、GPUコア8基)

デスクトップ向けAthlon 3000/Athlon PRO 3000 APU

 「Athlon 3000 Series Desktop Processors with Radeon Graphics」(デスクトップ向けAthlon 3000 APU)は、Zen+アーキテクチャのCPU(※)とRadeon Graphicsを統合した廉価版APUだ。「Athlon PRO 3000 Series Desktop Processors」(デスクトップ向けAthlon PRO 3000 APU)は、それにAMD PRO対応を付加したものとなる。

(※) Athlon Silver 3050GEのみZenアーキテクチャ

 ラインアップは以下の通り。なお、モデル名の末尾に「E」の付くものはTDP(熱設計電力)が35Wの省電力版で、それ以外のモデルのTDPは45W(最小)〜65W(標準)となる。

デスクトップ向けAthlon 3000 APU

  • Athlon Silver 3050GE(3.4GHz、2コア4スレッド、GPUコア3基)
  • Athlon Gold 3150G(3.9GHz、4コア4スレッド、GPUコア3基)
  • Athlon Gold 3150GE(3.8GHz、4コア4スレッド、GPUコア3基)

デスクトップ向けAthlon PRO 3000 APU

  • Athlon Silver PRO 3150GE(3.4GHz、2コア4スレッド、GPUコア3基)
  • Athlon Gold PRO 3150G(3.5G〜3.9GHz、4コア4スレッド、GPUコア3基)
  • Athlon Gold PRO 3150GE(3.3G〜3.8GHz、4コア4スレッド、GPUコア3基)
デスクトップ向けAthlon 3000 APU デスクトップ向けAthlon 3000 APUのラインアップ
AMD PRO APU AMD PRO対応のデスクトップ向けAPUの新ラインアップ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月21日 更新
  1. 「こりゃ買えないわ」の声――ついに30万円突破の128GB DDR5メモリも (2025年12月20日)
  2. 3COINSで1万6500円の「10.1インチ タブレット」を試す 雑に扱える手軽さで、子供や大人の2台目に検討の価値アリ (2025年12月20日)
  3. 香港と深センのPC向けメモリ/ストレージ価格はどうなっている? 日本の状況と比べてみた (2025年12月19日)
  4. Thunderboltがあればメイン環境を持ち歩ける? 「ThinkPad P14s Gen 6 AMD」と外付けGPUユニットを試してみた (2025年12月19日)
  5. ナカバヤシ、小型トラックボールを内蔵した薄型ワイヤレスキーボード (2025年12月19日)
  6. PC版「ホグワーツ・レガシー」の無料配布が間もなく終了 累計販売4000万本突破、“ハリポタ”舞台のオープンワールド・アクションRPG (2025年12月18日)
  7. Steamで2025年最後の安売り「ウインターセール」開催中! 恒例の「Steamアワード」も投票開始 (2025年12月19日)
  8. スマートホーム“ガチ勢”向け「SwitchBot AIハブ」を試す 映像内の“出来事”をトリガーに家電操作できるAIカメラ実現 (2025年12月15日)
  9. 電源内蔵で配線がスッキリする「エレコム スイッチングハブ EHC-G08MN4A-HJB」が17%オフの4980円に (2025年12月18日)
  10. メモリは64GBキットを断念する空気感――128GBは何と20万円前後に (2025年12月13日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー