Apple Watchは、既に世界で最も売れている時計だが、その利用をさらに広めるべく用意された「ファミリー共有設定」という機能について、もう少し深掘りしてみよう。このファミリー共有設定は、親がiPhoneを使っているが、その子供や同居しているシニアは、iPhoneやその他の携帯電話も持っていないという家族構成を想定している。
これまでApple Watchは、iPhoneとペアリングして使う道具として設計されており、iPhoneを持っていない人は、本体をアクティベート(使える状態にする)ができなかった。
ファミリー共有設定では、親のiPhoneを使って、同居人用に購入した単体で使う前提のApple Watchをアクティベートすることが可能になる。
例えば、子供がまだ携帯を持たせるには早い年頃だと感じていても、この機能を使ってApple Watchを与えれば、子供が外出中に無事かを位置情報で確認したり、電話やメッセージで連絡を取ったりすることもできる。また外出中に転倒などがあった場合には、その通知を受けることも可能だ。
子供の側は、通常のApple Watch同様にアプリをインストールして利用したり、電話やメッセージのやりとりをしたり、自分だけのMeMojiを時計の画面上でデザインしたり、マップ、Siri、アラームなどの標準機能を活用したりと、スマホよりもはるかに中毒性の低いスマートデバイスとして活用できる。
そうは言っても、Apple Watchが悪い影響を与えていないか心配な父兄は、設定に使ったiPhoneを通して、子供が連絡できる相手を制限したり、勉強していないといけない時間はアプリの利用や通知の受信に制限をかける「スクールタイム」という設定をしたりすることができる。
スクールタイム状態のApple Watchは、学校の先生が見回っている時にすぐに確認できるように特徴的な画面(画面の中央に黄色いリングが現れる)になっている。
もっとも、こういった場合でもちゃんと子供たちのプライバシーを守ってくれるのがAppleらしい設計だ。
そんなファミリー共有設定とApple Watchだが、実は米国ではちょっと未来の家族のやりとりを予見させるような機能も搭載されている。Apple Cashファミリーという機能が用意され、親から子供へApple Pay払いに使えるクレジットをメッセージとして送ることができるのだ。例えば、今日のお小遣いとして10ドル分のクレジットを送れば、子供はApple Pay払いに対応したお店や乗り物で、それを使うことができる。
早く日本でも実現してほしい機能の1つだ。
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