タフネスタブレット「TOUGHBOOK FZ-A3A」の水滴誤動作防止モードはバッチリ動く? 試してみよう!:勝手に連載!「海で使うIT」(2/2 ページ)

» 2020年10月02日 12時00分 公開
[長浜和也,ITmedia]
前のページへ 1|2       

水滴誤動作防止モードの実力をチェック!

 では、FZ-A3Aの水滴誤動作防止機能にはどれほどの効果があるのだろうか。いつもの「海で使うIT」と同様に洋上で検証……と行きたかったのだが、自然現象の常として「期待した強さの雨」が一定時間降り続けるということはめったにあることではない。

こんな感じでテストしようとした こんな感じでヨットに乗せて検証航海に出た……ものの、試験にうってつけな“しけた海”にはならずじまいであった

 そこで今回は、屋内で模擬的に強度を変えた水滴を付着、あるいは降雨を模した水流を浴びせた後、タップした場所やフリックした軌跡を正常に検知できるかを検証してみよう。

 シチュエーションは、以下の3つを想定した。

  • 想定1:海水に濡れたロープを操作して指先が濡れた状態
  • 想定2:降雨または水しぶきが連続して降り注ぐ状態
  • 想定3:波が甲板に打ち込んで大量のまとまった水が断続的に注がれる状態

 それぞれの想定に合わせて、以下の方法で人工的に実環境を再現した。

  • 想定1:操作する直前まで水を貼ったバケツに手を入れておく
  • 想定2:シャワーを使ってディスプレイ全体に散水する
  • 想定3:手おけにためた水をディスプレイにめがけて一気にかける

 これらは、防水や防塵(じん)の基準となる「IP等級」に定められたような厳密な試験方法ではない。しかし、実際のフィールドワークにおける降水や濃霧、しけた海を航海する際に受ける波のしぶきや波の打ち込みの影響については、実情にほぼ近い状況を再現できる。

 タップやフリック操作の精度を客観的に測定する方法としては、ジグソーパズルを作るアプリを用いることにした。何もしない状態で32ピースのジグソーパズルをバッチリと完成できるまで習熟した後に、それぞれのシチュエーションにおいて完成するまでの時間を比べれば、タッチ精度の差を比べられるという算段だ。精度が高ければ、水滴誤動作防止モードでも素の状態に近い時間で完成させられるはずである。

 テストは、想定ごとに設定における水滴量を「多」「少」のそれぞれで実施した上で、比較用にNormal modeでも行った。

想定2のテスト 「想定2」のテストをしている様子。豪雨における操作を再現するためシャワーで水をかけ続けた
想定3のテスト 「想定3」のテストをしている様子。甲板に打ち込んできた波を再現するために、手桶にためた水を一気にかけた

 基準となる「ディスプレイも操作する指も乾いた状態」で、パズルが完成するまでにかかった時間は46秒だった。これを頭に置いた上で、それぞれのモードにおける結果を見ていこう。

Normal modeの結果

  • 想定1:1分40秒
  • 想定2:操作不能
  • 想定3:操作不能

水滴誤動作防止(水滴少)の結果

  • 想定1:59秒
  • 想定2:操作不能
  • 想定3:1分53秒

水滴誤動作防止(水滴多)の結果

  • 想定1:55秒
  • 想定2:操作不能
  • 想定3:57秒

 検証結果からも分かることだが、水滴誤動作防止機能について注意しておきたいのが、想定2のようなディスプレイに対して常に水が降り注ぐような状況では、水滴誤動作防止モードにしてもタッチ操作はほぼ不可能ということだ。機能表記に「水滴」とあるように、想定しているのは「ディスプレイに水滴が付いた状態」であって、「ディスプレイ全体に常時水滴が付着している状態」ではない。

 ディスプレイ全体に水がしたたる状況は、決して特別ではない。降雨中の屋外で使用するなら十分にあり得るシチュエーションだ。FZ-A3Aに「全天候型タブレット」としての役割を期待している人は、この点に十分留意する必要がある。

 一方、想定1と想定3では水滴誤動作防止機能がしっかりと機能した。Normal modeでは、手が濡れただけで46秒から1分40秒となり、操作性の著しい低下が明らかだったのに対し、水滴誤動作防止モードを有効にすると、水滴少設定で59秒、水滴多設定で57秒と大幅に改善している。

 想定3のテストでは、水滴少設定で1分53秒と操作性は低かったが、水滴多設定にすれば57秒と操作性が大幅に改善した。Normal modeでは全く操作できなかったことを考えると「効果てきめん」といえるだろう。

 なお、手桶から一気に水をかけた直後は、ディスプレイ全面が水没する。この状況では想定2と同様に操作は全くできない。しかし、数秒待つと水が流れ出し、ディスプレイに大きな水滴(というより水玉)が数滴残った状態になる。こうなれば、水滴誤動作防止モードが有効に動作する。

 しけた洋上で波しぶきがかかったり波が直接打ち込んだりすると、ぬれたディスプレイが乾くと塩の結晶がディスプレイに残ることも少なくない。その塩の結晶に水滴が保持されて、海水が粘度の高い状態で長時間残ることもある。

 こうした状態は、ディスプレイに水滴が付着している状態とほぼ同じなので、水滴誤動作防止モードは有効に機能するだろう。

しけた海でのディスプレイのイメージ しけた航海で検証した「Unihertz Titan」は、こんな感じで海水まみれになった。蒸発しても、塩分がディスプレイに付着したままになる

プログラマブルなボタンが航海に役立つ

 以前掲載したタフネススマホ「Unihertz Titan」のレビューで、私は次のように述べた。

 しかし、問題がなかったわけではない。アウトドア志向のスマートフォンはTitan以外にも数多くあるが、その多くはタッチ操作オンリーなのにディスプレイがずぶぬれになると、指のタップやスライドの動きを正確に把握できなくなる。Titanもその例にもれず、ディスプレイの全面が海水の水滴で覆われた状態では、ピンチ、タップなどなど、タッチ操作を正確に認識しなくなってしまった。カーソルキーだけでもハードウェアで用意してあれば、操作上の問題はかなり改善できるので、アウトドア志向を訴求するスマートフォンはぜひ検討していただきたい。

 このことは、タフネスタブレットであるFZ-A3Aにも当てはまる。今回の検証を通して、水滴誤動作防止モードはディスプレイに水滴が付着する状況では有効なことが実証できた。しかし、豪雨など常に水流が注ぎ続けるような状況になると依然としてタッチ操作が困難である。

 幸いにして、FZ-A3Aにはプログラマブルな機能ボタンが7個ある。それぞれに「短押し」「長押し「「2つのキーの組み合わせ」で操作を割り当てることができる。ここでよく使う「タップ」「フリック」「ピンチ」といった機能を割り当てておけば、水滴誤動作防止モードが役に立たない豪雨の時でも使い続けられる。

 このような「どんなときでも何とかできる」機能を用意しているあたりがTOUGHBOOKの強みといえるだろう。

ボタンの操作設定 A1〜A3のプログラマブルボタンやディスプレイ左右両脇にあるサイドキー、そして、音量調整の+−ボタンに至るまで、ユーザーが機能を割り当てることができる
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月26日 更新
  1. 実売3万9800円でノートPCを3画面化! ソースネクストのデュアル拡張ディスプレイ「DGP-DMD1401」を試す (2026年09月25日)
  2. AndroidとChromeOSが融合した次世代PC「Googlebook」の実機を見てきた ――AI統合で何が変わるのか? (2026年09月25日)
  3. 新型「Mac mini」「Mac Studio」徹底レビュー! ローカルAIはついに“実用域”へ エージェントAIに事務仕事を任せて分かった驚異の進化 (2026年09月22日)
  4. なぜ競技用ゲーミングPCは光らない? HPSC久木留所長とマウス軣社長が語るアスリート支援の未来 (2026年09月24日)
  5. 「これはわれわれにとってのTGSだ」 ロジクールGが年に一度の旗艦イベント「Logicool G PLAY Tokyo 2026」を開催 熱気あふれる会場を現地レポート (2026年09月25日)
  6. “Vision Pro級”のMR体験が約100gの軽量グラスで? 最新の「Meta VR Glasses」を試して分かった圧倒的な快適性 (2026年09月25日)
  7. ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」や8K対応キーボード「PRO X2 RAPID」を見てきた (2026年09月24日)
  8. 12インチ「Surface Pro」と13インチ「Surface Laptop」に個人向けの第2世代が登場 Snapdragon X2 Plus搭載でメモリは最大24GBに (2026年09月24日)
  9. 天空がCore Ultra 5を搭載した10.51型2in1ノート「TENKU Note Pro AI」を発売 (2026年09月24日)
  10. “AIスマホ”としての個性がより鮮明に 望遠カメラ刷新&AI処理が飛躍した「Pixel 11 Pro」 の実力とベンチマーク結果を検証 (2026年09月24日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー