指令! 荒れる伊豆諸島航海で「Unihertz Titan」のスタミナと防水性能を検証せよ勝手に連載!「海で使うIT」(1/2 ページ)

» 2020年04月23日 11時18分 公開
[長浜和也ITmedia]

 「Unihertz Titan(以下、Titan)」はとにかく個性的だ。ハードウェアQWERTYキーボード搭載なのにスレートボディー! 重い! でかい! 5Gじゃない! と時代の流れとは全く関係ない個性を備えた、まっことすがすがしいスマートどん、いやスマートフォンだ。

Unihertz Titan いやほんと、でかい! 重い! 個性的! 流行なんか知ったことか! な「Unihertz Titan」

 前回のレビューでは、最大の特徴といえるハードウェアQWERTYキーボードをはじめとした入力系の使い勝手を検証した。しかし、Titanの存在意義はそれだけでない。重い! でかい! のトレードオフとして手に入れた「長時間バッテリー駆動」と「ハードウェアキーボードを載せているのにIP67等級相当の防水・防塵(じん)」がある。今回のレビューでは、この側面を検証する。

でかい! 重い! には意味がある

 Unihertz Titanのサイズは92.5(幅)×153.6(高さ)×16.65(奥行き)mm、重さは303g。最新世代のiPhoneシリーズで比較的大きくて重い「iPhone 11 Pro Max」の77.8(幅)×158.0(高さ)×8.1(奥行き)mm、226gと比べてもその差は歴然だ。本体のサイズ(それとともに重さ)に影響するディスプレイサイズがTitanで4.6型であることを考えると、6.5型のiPhone Pro Maxより重いのは理不尽と思うかもしれない。しかし、サイズと重さに影響するもう1つの要素「バッテリー容量」を比べると納得するだろう。

 とはいえ、AppleはiPhoneシリーズのバッテリー容量を明らかにしていない。分解レポートの写真などからはiPhone 11 Pro、iPhone 11 Pro Maxともにバッテリーパックに「3.79V 15.04Wh」(=3968mAh相当)と記載がある。一方、Titanのバッテリー容量は6000mAhだ(なおTitanの駆動電圧は4.3Vなので25.3Wh相当)。iPhone 11 ProとiPhone 11 Pro Maxと比べてバッテリー容量は約1.5倍。これが、Titanの「重さ」(そして大きさ)に影響している。

Unihertz Titan AppleはiPhoneシリーズのバッテリー容量を明らかにしていないが、EE Times Japanに掲載された分解写真には「3.79V 15.04Wh」の刻印が確認できる

 一方、Unihertz Titanの防水・防塵の性能を示す指標としてUnihertzが示しているのが「IP67」だ。このIPを伴う数値は国際電気標準会議が策定した「エンクロージャによる保護等級」(Degrees of protection provided by enclosures)またはIPコードと呼ぶ。デジタルガジェットの防水・防塵性能を示す指標で、2けた表記の場合、10の位は防塵性能、1の位は防水性能を示す。TitanのIP67は「粉塵(じん)が中に入らない」「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない」性能を持つ。

 現行のiPhoneでは、iPhone 11シリーズがIP68相当、iPhone SE(第2世代)、iPhone XRがIP67の防水・防塵性能を持つ。そういう意味で「なんだTitan、大きくて重いけれど防水・防塵性能はたいしたことないのね」と思うかもしれない。しかし、“板のような”スレートデバイスは防塵対策も防水対策も施しやすい。開口部は複雑な形状でなく、対策が難しい可動部やボタン類も最小限に収まっているからだ。しかし、Titanは対策が難しいハードウェアキーボードを搭載している。それでIP67相当の防水・防塵性能を持たせているわけで、その対策のためにそれ相応の重量を割いていると考えられる。

防水・防塵性能とバッテリー駆動検証の旅に出る

 Titanのバッテリー駆動時間について公式な値は特にない。となると実際に検証する必要がある。また、防水・防塵性能もIP67という指標はあるが、具体的な試験レギュレーションは不明だ(同じIP67でもテストする内容によって、水圧の値やテスト時間が異なる)。こちらも実利用において検証しなければならない。バッテリー駆動時間のテストに見合った高負荷状態で長時間使用し、かつ、防水・防塵の検証もできる作業……、おお、「あれ」があるじゃないか。

Unihertz Titan おなじみ「過酷な環境」における検証シーン

 私の防水・防塵性能の検証といったら「荒れた海!」だ。「私に目をつけられた堅牢デバイスは、全て過酷に海に連れていかれる」というわけで、Titanも伊豆諸島を巡る航海でバッテリー駆動時間と防水・防塵性能の検証を実施してみた。

 航海(というかアウトドア全般共通)で使うデジタルガジェットには消費電力的に厳しい条件がある。白昼日光の下で使用するときの視認性を確保するために、ディスプレイの輝度は常に最大にしておく必要がある。これが電力を浪費する。また、GPS信号を受信して位置情報と針路、速度を演算で算出して航法アプリに表示したり、AIS(Automatic Identification System:周囲にいる船舶の情報をVHFで受信するシステム)で受信した船舶の位置や針路や速度を演算して表示したりと、数秒おきに演算処理を繰り返している。これも地味ながら電力を消費する。

 そのため、私がデジタルガジェットを長距離航海中に使用する場合は、位置を確認したいときだけ起動することが多い。船では航海中なら30分ごと、加えて入港直前に位置を確認することが多い。しかし、できることなら常時表示して周囲の動向を把握したい。Titanのバッテリー容量なら、長時間の航海でもディスプレイを最大輝度にしたまま使い続けることができるのではないだろうか。

 というわけで、まったくもって超私的な目的に基づく検証内容で恐縮ながら、夜明けとともに三浦半島の南端にある港を出港して南下を続け、Titanのバッテリーが切れるまで伊豆諸島のどの島まで到達できるか試してみることにした。また、検証航海を実施した3月下旬は海が時化(しけ)やすく、幸か不幸か今回の検証航海でも海は時化て、頭から波を被りながらの航海となった。その意味で防水・防塵性能も十分に検証できたといえる。

 先に述べたように、検証作業では、航海中ディスプレイの輝度を最大に設定して常に起動したまま、航法アプリを兼ねたAISプロットアプリを使用した。AISプロットアプリでは、Titanの内蔵GPSからGPS情報を取得するとともに、船に搭載したAISレシーバーからはBluetoothを介してAISデータを受信し、それぞれのデータから自分と周囲船舶の位置情報と針路、速度を算出してアプリに表示する処理を続ける。

 この状態で1時間に1度バッテリー残量を確認しながら航海を続け、バッテリーがなくなった時点でどこまで南下しているかを試してみた。

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