指令! 荒れる伊豆諸島航海で「Unihertz Titan」のスタミナと防水性能を検証せよ勝手に連載!「海で使うIT」(2/2 ページ)

» 2020年04月23日 11時18分 公開
[長浜和也ITmedia]
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もう帰りたい! なのに減らないTitanのバッテリー

 検証航海は日の出から“少し”遅れて6時30分に三浦半島南端の港を出港した。航法アプリとAISプロットアプリを起動し、出港時作業を終えて最初のチェックをした時点でバッテリー残量は96%。その後、風向きと海流に流されて蛇行しつつ5ノット南下を続ける。その後、1時間ごと(毎時30分)に測定すると、だいたい1時間あたり10%前後減っていくのが分かった。8時30分には洲埼灯台沖、9時30分には野島埼灯台沖、10時30分には伊豆大島灯台(大島北端)の同じ緯度まで進出した。

Unihertz Titan 6時30分、検証航海に出港。城ヶ島の向こうに富士山が見える
Unihertz Titan ディスプレイの輝度は最大にしておかないと、白昼下では視認できない
Unihertz Titan 航法アプリを兼ねたAISプロットアプリには「Sailtracker」を使用した。7時30分時点でバッテリー残量は89%。周囲にはAISで受信した船舶が表示されている
Unihertz Titan 大島南端の竜王埼灯台と同じ緯度に達した12時30分でバッテリー残量は52%
Unihertz Titan 途中、海上保安庁の巡視船を発見
Unihertz Titan AISを使っていると、このように船名から位置情報、針路、速度だけでなく、目的地と航海目的まで知ることができる

 海はしけて、向かい風の中を頭から波を被り続けて荒波に体はゆすぶられ続けるというつらい航海が続くが、Titanのバッテリーはなかなか減らない。出港して9時間がたった15時30分には新島北端と同じ緯度まで到達した時点でバッテリー残量は29%、日没直前で神津島北端と同じ緯度に達した17時30分のバッテリー残量は19%だった。この分ならあと2時間、出港から13時間、三宅島の北端までは持つ計算になる。

 しかし、残念ながら航海はここまで。実は翌日の朝に三浦半島海域が暴風となる予報となり、海上保安庁第三管区海上保安本部から第一種警報が発令されてしまった。暴風となる前に寄港しなければならず、この時点で検証航海を中断し、反転北上することとした。

Unihertz Titan 日没直前17時30分の時点でバッテリー残量は19%だった。その後、19時までTitanは動き続けた
Unihertz Titan 反転北上直前、前方に三宅島(右)と御蔵島(左)を臨む

 防水・防塵性能の視点では、伊豆大島までは海況穏やかだったものの、12時30分に伊豆大島南端の竜王埼灯台の緯度を超えたあたりから風並み共に激しくなり、波を頭から被る航海となった。手元に置いていたTitanにも波しぶきがどんどんかかり、全面海水に覆われる。しかし、Titanは終始正常に動き続けた(この状況は、航海後に水洗いをしていない今でも問題ない)。

Unihertz Titan これはまだかなり楽なときで、バケツから水をかけられたような状況が続く
Unihertz Titan Titanは全身海水まみれに

 しかし、問題がなかったわけではない。アウトドア志向のスマートフォンはTitan以外にも数多くあるが、その多くはタッチ操作オンリーなのにディスプレイがずぶぬれになると、指のタップやスライドの動きを正確に把握できなくなる。Titanもその例にもれず、ディスプレイの全面が海水の水滴で覆われた状態では、ピンチ、タップなどなど、タッチ操作を正確に認識しなくなってしまった。カーソルキーだけでもハードウェアで用意してあれば、操作上の問題はかなり改善できるので、アウトドア志向を訴求するスマートフォンはぜひ検討していただきたい。

Unihertz Titan こんな感じでただ行ってただ戻ってくるだけの24時間連続航海であった

 なお、この検証航海は3月下旬という、とてもデリケートな時期に実施することになってしまった。余談になるが、東京と伊豆諸島を結ぶ東海汽船の客船は、首都圏の港を出港するとき、乗船する船客全てに対して検温と体調をチェックし、問題のある人は乗船させない状況になっていた。狭い島にCOVID-19を持ち込んでしまった場合、その深刻度は首都圏の比ではない。そのため、この航海では伊豆諸島の港に入港することはせず、Titanのバッテリーが切れて検証作業が終わった時点でそのまま反転北上し母港のある三浦半島に戻っている。

 伊豆諸島や小笠原諸島の各自治体では、4月上旬から来島自粛要請を発しており、それ以外の離島や漁港、マリーナなどでも来島や寄港を控えるように呼び掛けている。先に述べたように、離島やへき地にある漁港などでは、地域住民に占める高齢者の割合が高いだけでなく、利用できる医療施設が限られており、無症状感染者が上陸したことで集団感染が発生した場合、地域社会に甚大な被害を“与える”可能性が高い。プレジャーボートの船長はそのリスクを十分考慮した上で航海計画を立てることが求められている。

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