Surface Laptop Goの概略の説明はこれくらいにして、ここからはベンチマークテストで実力をチェックしていこう。
なお、バッテリー持続時間のテストを除き、各種テストは電源設定を「最高のパフォーマンス」として行っている。
まず、CPU(第10世代 Core i5-1035G1)の実力を見るためにMaxthonの「CINEBENCH R20」を実行した。スコアは以下の通りだ。
4コア8スレッド効果もあり、通常テストは約3年前のハイエンドノートPC(第7世代 Core i7-7600U:2.8G〜3.9GHz、2コア4スレッド)の約2倍のスコアだ(参考記事)。さすがに第10世代Core i7プロセッサよりもスコアは低いが、動画視聴や軽い事務作業といった「日常利用」は十分にこなせるCPU性能は確保できている。
次に、ULの「PCMark 10」を使ってPCとしての総合性能を確認した。今回は、ゲーミング(3Dグラフィックス)性能もチェックするExtendedテストも実施している。結果は以下の通りだ。
先述の約3年前のハイエンドノートPCと比べると、EssentialsとGaming以外のスコアは負けている。これはCPUやGPUの性能ではなく、ストレージ(SSD)の性能がボトルネックになった結果と思われる。実際に使っていると、パフォーマンスの低さは感じなかったのだが……。
PCMark 10では、バッテリー持続時間を計測するテストも実施した。テストは「Modern Office」(一般的なオフィスワーク)シナリオで実行し、電源設定は「推奨」、ディスプレイ輝度はあえて「最大」とした。
バッテリー残量100%から2%までになるまでの稼働時間は10時間54分だった。マイクロソフトによる自社測定値では「通常のデバイス使用で最大13時間」となっているが、それに比較的近い値を記録している。
これだけバッテリーが持続するのであれば、外回りの仕事でも十分に使えるだろう。
続けて、ULの「3DMark」で3Dグラフィックスの性能も確認しよう。結果は以下の通りだ。
演算ユニット(EU)が少ないこともあり、3Dグラフィックス回りは相当に厳しい結果となった。コンセプト的にSurface Laptop Goでゲームをしようと考える人は少ないと思うが、スペック的に3Dゲーミングは厳しいということは頭に入れておきたい。
Surface Laptop Goは、個人向けのエントリーモデルを除いてストレージはSSDである。今回のレビュー機は、韓国SK Hynix製の「HFM256GDGTNG-87A0A」という256GB SSDを搭載していた。
このSSDのパフォーマンスを「CrystalDiskMark 7.0.0」(ひよひよ氏作)でチェックした。設定はデフォルトのまま計測している。
結果を見ると、シーケンシャル(連続)の読み出しは最大毎秒2GB弱、書き込みは最大毎秒700MB程度となった。Serial ATA接続のSSDよりも高速ではあるが、ハイエンドなNVMe SSDよりは遅いという程度だ。
先述のPCMark 10のテストでは、スコアが振るわなかったことについて「ストレージ(SSD)の性能がボトルネックになった結果」としたが、比較対象のノートPCには当時、シーケンシャルの読み出しが最大毎秒約2.8GB、書き込みが最大毎秒約1.3GBというをSSDを搭載していた。読み書き速度の差が、スコア差につながったということだ。
ただ、テストの結果を見れば分かる通り、Surface Laptop GoのSSDはそこまで遅い訳ではない。SSDモデルであれば十分に実用できる。
兄貴分に相当する「Surface Laptop」と比べると、スペック面でのパワフルさに欠ける面はあるものの、Surface Laptop Goは持ち歩きに使うサブPCとしてコスト面、サイズ面、重量面で非常に良いバランスが取れている。「Surface Go 2」と比べると価格は高いかもしれないが、基本的な使用でストレスをほとんど感じないということを考えると、価格差分の価値は十分にある。
また、このバランスの良さは大学生が持ち歩くノートPCとしてもピッタリだ。Surface Laptop Go(と、必要に応じて映像出力の変換アダプター)さえあれば、キャンパスライフはこなせる。
唯一、不満点を挙げるとすれば、ヒンジが180度開かないことぐらいである。テーブルの反対側にいる人に画面を見せることがやや困難にはなるが、これで困る人はそれほど多くもないとも思う。
Surface Laptop Goは、一番「万人受け」するSurfaceになるはずだ。量販店で展示されていたら、ぜひ触ってみてほしい。
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