iPhone 12/12 Proには、いくつかAppleの新しい試みを強く感じさせる部分もある。1つはACアダプターの付属を取りやめることで、製品のパッケージは本当に薄くなった。無駄なACアダプターの生産をやめて環境に配慮するだけでなく、これにより輸送によるエネルギーも節約することになる(もちろん経費削減の側面もある)。
もう1つは、付属ケーブルがiPhone 12のものも含めて、Lightning→USB Type-Cになったことで、MagSafe充電器のケーブルもUSB Type-Cになっていく。USB Type-C規格を普及させるために、なかなかいつまでもなくならないUSB Type-A規格を、覚悟を持って切ってきた感じだ。
そんな新世代のiPhone、どのモデルが1番自分の手になじむのかは、後日発売される12 miniと12 Pro Maxが出て触って見てからでないと分からない、という人も多いだろう。そこは筆者も同じ思いだ。だが、全体のバランスの良さを考えると、基本モデルのiPhone 12/12 Proもかなり良い選択肢に仕上がっていることは伝わったと思う。
では、Appleは非ProモデルとProモデルの間にどのような線引きをしたのか。有機ELのディスプレイなど、2019年まではProモデル専用だった仕様が、今回、ProではないiPhone 12にも搭載されたことで、両者の差はかなり縮まったが、それに合わせて両者の価格差も狭まっている。
容量が同じ128GBモデルや256GBモデルを比較すると、価格差は1万6000円で一定だが、この価格差で得られるものは望遠レンズやProRAW現像、そして将来が少し楽しみなLiDAR、さらには質感が高いステンレス素材のフレームなど意外に大きい。それぞれにどれくらいの価値を感じるかは人それぞれだと思うが、筆者的にはProモデルの方がかなりお買い得に感じた。
ちなみに、とにかく価格優先の人にはiPhone 12が税別8万5800円の64GBモデル、とにかく容量が優先の人にはiPhone 12 Proが容量512GB(同13万9800円)のモデルを用意している。
いくら頑丈になったからとはいえ、本体を買った際、一緒にケースも欲しいという人も多いだろう。既に他社からもたくさんのケースが発表されているが、Apple純正ケースはMagSafeの磁石の形に合わせた輪っかがついており、装着した時にはケースを認識したというアニメーションが表示される。
シリコーンケースはこれまで通りの質感で良いと思ったが、残念ながらクリアケースは私の趣味には合わなかった。白いMagSafe用の輪っかが悪目立ちするのだ。もしかしたらiPhone 12の白モデルとの組み合わせならありなのかもしれない。
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